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Saturday, 13 November 2010

宮原学 The Double Clash! ~the 25th Anniversary★prologue~ release party@Shibuya O-WEST

Mm原学さんというアーティストがいます。デビューは1986年。当時REBECCAなどが在籍した、CBSソニー傘下のレーベル「FITZBEAT」から「THE-FIGHT」という曲で鳴り物入りでデビューした、若き19歳のシンガーソングライター。その当時僕は18歳、高校3年生でしたが、正直その頃は名前くらいしか知りませんでした。世はバンドブーム。僕自身も自分のオリジナル曲を書いてはバンド活動をしていましたので、他人の曲を聴くよりも自分たちの曲を演ることの方が楽しかったのかもしれません。

 その後、大学に入って音楽サークルで僕は宮原学の存在を明確に意識することになります。同じサークルにいた友人が宮原さんのことが好きで、宮原学のコピーバンドを演りたいと言うのです。大学の音楽サークルというのはそういう人がいれば、周りの友人が手伝うみたいな形でぽんぽんとバンドが結成されていました。僕もとりあえず楽器が色々弾けるという器用貧乏なところがあったので、やれボーカルだベースだキーボードだと色んなバンドを掛け持ちしていました。そこで宮原学コピーバンドを結成することになって、彼が選んだコピー曲の入ったカセットを渡されたのです(カセット?うん、カセットですね。懐かしい)。

 僕の記憶が確かならそのテープで初めて聴いた宮原学の曲は「FOUR-ROUND BOY」という曲でした。ギターのリフから始まるオープニング、そしてそこにリズム隊が畳み掛けるように乗っかってくるイントロダクション。そしてドンと入ってくる骨太のボーカル。へたにコードをいじくり回さずに、ほぼワンコードで引っ張るAメロ。サビで再びオープニングのリフが重なってより高まるドライブ感。これは凄いぞ。

Img_0683 そこから彼の楽曲を貪るように聴く自分がいました。当時の最新アルバムであった名盤「SCRAMBLE」を磨り減るように聴きました。その中に収録されている名曲「WITHOUT YOU」「SHE SAID」などはそのコピーバンドでもレパートリーに入れました。そしてそこから遡ってデビューアルバムまで聴きこみ、そのバンドのメンバー皆で中野サンプラザのコンサートにも観に行ったりしました。それまでどちらかといえばHR/HM系統のサウンドを好んで聴いていた僕にとっては、どことなく乾いた音遣いのする大人のロックに刺激を受けました。歳も一つしか違わないのに、なぜこんな大きな世界観を持っているのだろう。

 そして宮原さんの魅力は、骨太なのにハイトーンの抜けがいいボーカリストとしてもさることながら、ギタリストとしてのテクニックも一流なのですね。普通にそこらのスタジオミュージシャンよりもギターが上手くて味がある、ギターでも「歌える」「泣ける」のです。そんな宮原学というミュージシャンの存在に衝撃を覚えた20歳の瞬間。よし、僕も頑張ろう。そんな風に思ってバンドに明け暮れたことを思い出します。

 それから宮原さんはソロ活動を経てバンドも結成するなど活躍した後、ギタリストとして数々のアーティストのサポートも務めます。その後、しばらくその活動が見られませんでしたが数年前から再びソロ活動を始めました。そんな宮原さんの復活を喜んでいた時に、奇遇にも数年前にSNSサイトで出逢うことが出来て、メッセージをやりとりさせて頂くようになりました。その後、宮原さんがtwitterを始めたことでさらに密なコミュニケーションを深めるようになりました。インターネットというかtwitterの距離感やスピードに驚くと共に、人の出逢いの面白さというか不思議なご縁に感謝しました。

 そんな宮原さんの25周年ライブが12日に渋谷の「O-WEST」で行われると聞けば、それはいても立っても居られなくなるというもの。仕事のスケジュールを何とかやり繰りして陣中見舞いに渋谷まで出掛けました。井の頭線沿線に住んでいた僕にとって、渋谷は幼い頃の想い出が詰まった街。駅の周辺は随分と綺麗になりましたが、道玄坂から百軒店の雑然とした雰囲気は変わりません。

Mm2 久々に観た宮原さんのライブはとても素晴らしいものでした。これまでのヒットナンバーも熟成された深みがあり、今月24日に発売となるニューアルバム「The Double Clash!」からのナンバーも大人の渋さがありました。そして、これほどまでにパワフルで熱く、笑顔に溢れた楽しいライブは久しく観たことがありませんでした。ドラムの小田原豊さんやギターの葉山たけしさん、キーボードの潮崎裕己さんなど錚々たる顔ぶれ。メンバー同士時折目で合図しながら、全体の音を作り上げている空間。皆が宮原さんを音と笑顔で支えているステージは素晴らしかった。そして客席のお客さんも皆さん笑顔。音楽とは本来「音を楽しむ」もの。笑顔がいっぱいのこの日のステージは、そんな音楽の基本に立ったライブだったように思います。

 光栄にも終わった後の打ち上げに参加させていただきましたが、バンドの皆さんもスタッフの皆さんも実に温かい人たちばかりで、とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。そして色々気遣い下さった宮原さんも温かく接してくれました。学生時代に衝撃を受けた最高のボーカリストと酒を酌み交わしながら、熱く語り合った夜。25年経っても変わらぬパワフルな姿を見せてくれた同世代の彼を目の前にして、図らずも僕は20数年振りに再び衝撃を受けてしまったのです。

Mm3 よし、僕も頑張ろう。彼に負けないように、僕も頑張っていこう。今回宮原さんと出逢ってライブに参加する中で、そんな思いを新たにすることが出来ました。20年振りの再会に感謝。偶然のような必然の出逢いに感謝。そしてそんな新たな出逢いの始まりに感謝。宮原さん、素敵な夜をどうもありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いします!

(追記)そんなわけで、宮原学デビュー25周年を記念した新譜「The Double Clash!」がいよいよリリースされます。男たるもの軟弱な音楽を聴いている場合ではないのだ。これこそ大人の男が聴くロックだ。

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宮原学オフィシャルサイト


Wednesday, 11 February 2009

BGM11@無印良品

Bgm11_2日のエントリーでも書きましたが、食でも音楽でも「適度な本物感」が売れるというのは真実だと思いますが、それはもちろん「生粋の本物」でなければ納得出来ないというヘビーユーザーがいることも事実であり、そういう人間に取ってはライトな適度な本物感が売れている現状は、非常に歯がゆいものがあろうかと思います。

 昨日沖縄音楽について、僕はライトユーザーなので分かりやすく咀嚼されたナンバーの方が聴きやすいということを書きました。しかし逆にハワイ音楽に関しては、結構濃い感じのが好きだったりするのです。これはもう単純に経験値の差と言いますか、のめり込み具合の差とでも言いましょうか。僕は海外旅行が好きでよく色々な国へと足を運びますが、断然渡航回数が多い場所がハワイなのです。最初のうちはもちろん一般的なハワイアンを聴いて「あぁハワイだなぁ」と思っていたわけですが、現地で色々な音楽に触れていくうちに、現地でしか買えないようなCDを聴くようになり、仕舞には現地のウクレレショップに足を運んではウクレレを求めて弾くほどになりました。

 僕が好きなハワイアンはカヒコのようなハワイアンが現地語で歌い継いで語り継いで来た古代フラであって、ここ50年程で出来たハワイアン以外が作った英語のハワイアン音楽ではありません。そもそも宗教儀式としてハワイの人々の生活に密着していた音楽ですから、それは陽気なイメージというよりも自然と祖先を敬愛するアロハの心に満ちた、落ち着いていて穏やかに心に染みてくる音楽です。しかしやはり一般的にはそういう音楽よりも、最近の明るく陽気なハワイ音楽の方がハワイのサインであり、ハワイ的であると人は感じるわけですね。それは僕が沖縄音楽に感じる思いときっと同じです。だとすればディープな沖縄音楽も聴いてみなければならないですね。

 さて、そんな伝統的な生粋のハワイ音楽の音源はなかなか日本では入手しにくいのですが、実は簡単に入手出来る上に、入門編として非常に素晴らしいCDが一枚あります。皆さんは「無印良品」で販売されている「BGMシリーズ」というCDシリーズをご存知でしょうか。「世界各地の生活から生まれ、時代を超えて愛され続けている音楽を、発掘しご紹介する」というコンセプトで作られている無印良品のBGMシリーズ。様々な街の歴史や生活に根ざした地元の無名ミュージシャンによる演奏が集められた素晴らしい音源集です。パリのメトロミュージシャンの音あり、ナポリの街角の音あり、アンダルシアの情熱的なサウンドあり、しかも一枚1,050円という破格のお値段です。そのシリーズの一枚「BGM11」がハワイ編。伝説のハワイアンミュージシャン、ジョージ・ナオペがプロデュースした正統派の一枚であるばかりか、初心者にもBGMとして聴きやすい選曲になっています。ぜひ興味を持たれた方は聴いてみてください。商業音楽の刺々しさに疲れた人にお薦めの一枚です。

■CD:「BGM11」無印良品
1,050円
無印良品

Tuesday, 10 February 2009

凪唄@やなわらばー

Nagiuta本各地の郷土料理はもちろん、世界各国の料理が楽しめるのが現在の東京ですが、それは実際のところ本物をそのまま商品にしたものがすべて売れるわけではなく、本物をベースにして多少食べやすくアレンジしたものがやはり売れているのです。消費者が求めるものは「本物」ではなく「本物らしいもの」もしくは「本物と同質のレベルを持つ偽物」であり、少なくともライトユーザーにとっては、本物そのままのパッケージを提供されるよりも、ステレオタイプな記号が散りばめられた適度な本場感の方が心地よいという側面はあるかと思います。

 例えるならば本場のタイ料理をそのまま持って来ても、それを喜ぶのはタイの方やタイが好きで何度も通っているような方であって、普通のお客さんにとっては味や香りが強過ぎて正直厳しいでしょう。そうすると日本人向けにアレンジしたタイ料理店であったりエスニック料理店の方が売れるわけです。豚骨ラーメンにしてみても九州の人間からすれば臭みのない豚骨なんて、という話になりますが、東京では臭みのない豚骨ラーメンを博多ラーメンとして売っていたりしますし、実際そういうお店にお客さんは集まります。しかしそれはそれでいいのです。むしろ東京で博多の味をそのまま出すことにあまり意味は感じません。何でもかんでも手に入るのではなく、本物が食べたければタイなり博多に行かねば食べられない、そちらの方が余程潔く正しいと思います。

 そしてその「適度な本物感」のヒットは、食のみならず音楽でも同じことなのだということを多々感じます。売れる音楽も「本物」であるとは限らないですし、むしろそうじゃない場合が多いのです。例えばその独特な食文化同様に、独特な音楽文化を持っている地域と言えば沖縄ですが、この沖縄音楽こそ「適度な本物感」を感じるためのいいサンプルになっています。僕は沖縄が好きで沖縄音楽も聴きますが、まだまだ初心者と言うかライトユーザーで、適度な本場感の方が心地よい人間です。「御座楽」と呼ばれる琉球の王朝音楽や昔からの琉球舞踊よりは、やはり「喜納昌吉&チャンプルーズ」であったり、あるいは「BEGIN」「夏川りみ」の方が心地よい。現地語は使わずに僕らの分かりやすい言葉を使い、琉球音階を使いながらも今風のメロディーとアレンジで仕上げ、分かりやすく沖縄風の音楽を伝えている彼らの作品の方が聴きやすいという部分があります。

 ところで若干余談にはなりますが、いわゆるドレミファソラシドという8音ではなく、1オクターブの中に5つの音を含んだ音階を「五音音階」もしくは「ペンタトニックスケール」と言いますが、この五音音階というのはその構成音によって色々な音階があり、その音階によって異なる民族音楽を想起させるなかなか面白い効果があります。例えば琉球音階というといわゆる「レラ抜き音階」というもので、レとラを使わずドミファソシドだけを使うのが特徴なのですが、この琉球音階だけで曲を作るとどこか沖縄っぽい雰囲気の曲になるのです。同じように民謡や演歌を始めとする日本独特の音階は「四七抜き音階(マイナーペンタトニック)」と呼ばれるもので、四と七つまりファとシを抜いた音階で作ると、これまた日本の民謡っぽくなるのです。

 この音階のテクニックを使った曲として有名なのは、やはり「THE BOOM」の「島唄」でしょう。THE BOOMというのは沖縄のバンドではありませんし、島唄もスタンダードナンバーではなく彼らのオリジナル曲です。しかしこの琉球音階を使ったメロディラインと、三線を使ったアレンジを施すことによって、実に沖縄的な楽曲に仕上がっています。それでいてやはり本土の人間が作ったバランス感覚でしょうか、アレンジの中に敢えて琉球音階以外の音を置いたりもして、僕のような沖縄のライトユーザーにとっても敷居が低く心地よい作品になっているのですね。だからこそ全国的に大ヒットしたのだと思います。

 同じく適度な軽さの沖縄エッセンスを散りばめていて、一般ユーザーに対して非常に心地よい音楽を創っているなぁと最近感じているのが、石垣島出身の女性二人組ユニット「やなわらばー」です。基本的にはアコースティックギターを使ったフォーク調のサウンドですが、そこに効果的に三線を使っていてそのバランスが軽めで重くないのですね。クリアな声質のハイトーンボーカルは伸びがあって心地よいですし、2声のハーモニーも爽やかです。歌い方に粘度がなく捻ってもいないので聴いていて疲れないのですね。オリジナルアルバムもいいですが、昨年発表したカバーアルバム「凪唄」がまたいい感じです。「花」「島唄」「涙そうそう」「島人ぬ宝」などといった沖縄定番ソングから、「TSUNAMI」「さよなら夏の日」など沖縄色の少ない曲もカバーしています。

 昨今のカバーブームは歌い手まずありきで思い入れのない歌をカバーしているようなものか、何でもかんでもボサノヴァかレゲエかという風潮で辟易としていますが、こういう沖縄の人が沖縄テイストの歌を歌うカバーはいいですね。石垣出身の方達が本場のフィルターを通して提供しているのがいい。こんな寒い季節だからこそ、彼女達が醸し出すライトな沖縄の音を聴きながら、沖縄の青い空と海に思いを馳せていたりするのです。

■CD:「凪唄」やなわらばー
AKCY-58039
2,300円
ASIN: B001D6JAT2
2008/9/17発売
やなわらばー公式サイト

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