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Friday, 17 April 2009

ぎをん小森@祇園

Aosagi園白川界隈はいつも人が行き交う人気の場所ですが、春になれば桜の名所としてより多くの観光客で賑わいを見せます。そんな春の昼下がりにふと足を運べば、古い町家が建ち並ぶ川沿いに咲く染井吉野も散り始め、白川の流れゆく川面に桜の花びらが浮いているその中に、凛として立つ一羽の蒼鷺がおりました。京都を素通りする僕ら観光客からすれば実に風情ある光景ですが、京都では蒼鷺による鯉の稚魚への被害などが問題となっているようで、あちらを立てればこちらは立たず、なかなか上手くはいかぬものです。

 そんな祇園白川新橋のたもと、柳の木の下に建つ一軒の町家を使ったお気に入りの甘味処が「ぎをん小森」です。京都の甘味処と言えば誰もが同じ祇園にある「茶寮都路里」を思い浮かべるかと思います。僕も大好きなお店ではありますが、ビルの2階にある都路里よりもより京都らしさを味わえるという部分で、僕はこちらの小森の方に足を運ぶことが多いように思います。とはいえ、よくこの二軒は連続してパフェのはしごをしたりするのですが。都路里はその気になれば京都市内の他の店でも、あるいは都内でも味わうことが出来ますが、小森はこちらにしかありませんので京都にいる時には必ず伺います。

Komori2 かつてのお茶屋さんだった古い町家を改装したお店は実に風情があり、よく京都のガイドブックやイメージカットでも撮影に使われるほど。入口で履物を脱いで照明を落とされ行灯が置かれた廊下を歩いて部屋に通されます。窓からは簾越しの白川を眺めることが出来、川のせせらぎを聴きながら美味しい甘味を堪能することが出来ます。僕が通い始めた頃はまだあまり知られていなかったでしょうか、週末でもあまり待たずともすっと入れたものでしたが、ここ最近になって急に長い行列などが出来るようになりました。とは言えやはり都路里の行列は半端なく長く、しかも無機質なビルの階段で待たされるのに比べて、こちらは白川のほとりで川を眺めたり、時折行き交う舞妓さんの姿を見たりしながら待っていられますので、観光客、特に外国人観光客に人気なのもうなずけます。また、一軒まるまるお店ですのでキャパシティも百名程は入るとのことですので、比較的回転も早くお店に入ることが出来ます。

Komorip 本わらびを使ったわらび餅にぜんざい、あんみつ、ところてんと和甘味が数多く並ぶお店ですが、こちらでいつもいただくのはパフェ。その中でも「小森抹茶ババロアパフェ(写真)」(1,400円)がお気に入りです。過日某テレビ番組にてタレントの安倍なつみさんもお気に入りと言っていました。抹茶アイスとバニラアイスを核に、抹茶ババロアに抹茶カステラ、さらには小倉餡と白玉、栗などがたっぷりと入っています。こちらのパフェはそれぞれの具材が強い存在感を持つ都路里のパフェとは違って、一つ一つのパーツが実におとなしい味わいで、単体では正直若干の物足りなさを覚えるほどなのです。しかし、一度食べ始めていくとそれぞれの個性が見事に調和して、パフェ全体としての一体感があるのです。例えるならば都路里の「特選都路里パフェ」が各チームの4番打者を揃えた平成のジャイアンツならば、小森の「小森抹茶ババロアパフェ」はそれぞれのエキスパートが自分の役割を弁えていた昭和のV9ジャイアンツとでも言いましょうか。

 見た目かなりのボリュームがありますが、甘さ控えめなのでするっと食べられてしまいます。価格は正直若干割高かなと思わなくもありませんが、古き良きお茶屋さんの風情を残す町家の場所代と思えば妥当なところでしょうか。ゆったりのんびり、旅の疲れを癒す一時が味わえる佳店です。

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Komori甘味:ぎをん小森
京都府京都市東山区祇園新橋元吉町61
075-561-0504
11:00〜20:30
11:00〜19:30(日曜)
水曜定休

Thursday, 16 April 2009

つけ麺やろぉじ@出町柳

Roji2_2万遍、出町柳のあたりはやはり京大のお膝元ということもあるのでしょうか、古くから続くカフェがあったりどことなくカルチェラタン的な、独特の雰囲気があって好きなエリアです。中でも好きなお店が日本で最初にフランスパンを作ったという歴史ある喫茶店「進々堂」。同じカフェでもやはりそこはサンジェルマンではなくカルチェラタン的な空気感が好きで良く足を運びます。このあたりの路地裏などを歩いてお気に入りの店を見つけるのも旅の楽しさの一つだったりします。

 そんな出町柳の路地裏に2007年オープンした店が「つけ麺やろぉじ」です。こちらは烏丸御池の人気店「麺や高倉二条」の2号店。昨年には四条に「和醸良麺すがり」という3号店もオープン。その勢いは止まるところを知りません。3号店の方もとても気になっているのですが、こちらのお店が未訪だったことと、この店の近くにお気に入りの和菓子屋さんがあり、そこにも行きたかったので今回は順序通りに2号店の方へと寄せていただきました。

 百万遍の路地裏を歩いていくと、こんなところに、というような場所にひっそりと建っています。カーナビでポインティングして行ったにも関わらず店の前を素通りしてしまいました。以前はお寿司屋さんかお蕎麦屋さんだったのでしょうか、一間間口の細長い店はカウンターのみで、本店同様どことなくレトロな雰囲気を持ちながらもお洒落な今風のテイストも醸し出しています。こちらは店名にもあるようにつけ麺がメインのお店ですが、本店と同じくラーメンもあります。またつけ麺の締めのお楽しみとして「ぶぶ」が用意されています。

Rojim1 まず先に出て来たのは「らーめん(写真)」(700円)。本店譲りの全粒粉を使った自家製麺は蕎麦のような雰囲気です。ざっくりとした食感が心地よく、濃厚なスープともよく馴染んでいます。豚骨ベースのスープに魚介のエッジが効いた味わいは、京都ラーメンというよりも実に東京的というか、昨今の流行に沿った方向を向いています。化学調味料不使用とのことですが、まったくその弱さを感じさせない旨味にあふれたスープでした。また大きくざく切りにした刻み玉葱がなかなかいいアクセントになっていて、僕が薬味玉葱好きであるということを差し引いても非常に合っていると感じました。

Rojim2 そしてもう一品、こちらの看板メニューである「つけ麺」(680円)を200gで。こちらでは麺の量を同料金にて200g、300g、400gから選ぶことが出来ます。こちらはラーメンとは異なりステンレスの器に入ってきます。麺は同じ全粒粉を使った麺で、当然と言えば当然でしょうがラーメンよりもつけ麺の方が麺の持つ素材感を十分に感じることが出来ます。つけダレはラーメンと同じ方向を持つ豚骨魚介味で、しっかりと旨味を含んだつけダレは美味しく、麺とも合っていました。卓上に置かれたにんにく鰹やカレー粉、山椒などで味の変化を楽しめますが、これらの調味料はつけダレに入れるよりも日本蕎麦と同じように麺にかけるのが正解だと思います。またカウンターの上にはIH調理器が置かれており、これの上につけダレの器を乗せることで、途中で冷めてしまったつけダレを再加熱出来るのです。ステンレスの器はこの為でもあるのでしょう。よくつけダレを温め直してくれるお店はありますが、忙しい時などそれを頼むタイミングをはかるのも難しく、そういう意味では自分で加熱出来るこのシステムは無粋といえば無粋ですが便利で良いと思います。ただこちらのラーメンのスープがしっかりと濃度があるものだけに、ラーメンの後にこちらを食べると正直つけダレに若干の弱さを覚えました。もう少し辛味なり酸味なりのフックをつけるとより旨味が際立つようにも感じました。

Rojir_2 しかしその若干の不満を吹き飛ばしてくれるのが締めの「鯛ぶぶ(写真)」(200円)です。「ぶぶ」とはぶぶ漬け、つまりはお茶漬けのこと。こちらでは鯛と鰯の二種類のぶぶが用意されています。つけ麺を食べ終わった頃合いに声をかけると、一膳分ほどのご飯と急須に入った出汁が出されます。この出汁で濃厚なつけダレを割ってそこにご飯を入れて食べるわけですが、いやもうこれが美味しいのなんの。まず鯛の香り豊かな出汁を注ぐところから心躍ります。繊細な鯛の旨味が、つけダレの豚骨と節系の強い旨味と見事に混ざり合い、それをご飯と共にしゃくしゃくと啜る。つけ麺の締めでぶぶを食べているのか、このぶぶが食べたいからつけ麺を頼むのか、なんだかどちらが主役だか分からなくなるほどの存在感です。こちらの店に来たら必ずや注文していただきたい逸品だと思います。

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Rojiラーメン:つけ麺やろぉじ
京都府京都市左京区田中大堰町168-1
075-724-3233
11:00~15:00,18:00~21:00
不定休

Wednesday, 15 April 2009

中華そば高安@一乗寺

Tkysc_2乗寺界隈に数あるラーメン店の中で「天天有」に次いで好きなお店はどこかと言えば、多分「中華そば高安」ではないかと思います。以前は裏通りの小さなお店でしたが、2006年に広い通りに移転してお店もお洒落になり、随分と大きくなりました。スタイリッシュな外観とオレンジを基調にした店内はまるでカフェ。白い椅子はどれもデザインに優れており、以前の店を知っている人からすれば余計の驚きではないでしょうか。それでいて店頭に赤提灯を掲げてあるあたりのバランス感覚がたまりません。席数はこの広さの割には24席と以外に少なめ。その分ゆったりとした作りになっているわけです。大きな液晶画面にはなぜか「ハクション大魔王」が流されています。

 夜も11時を回っていましたが、店の外に10名以上の待ちが出る盛況振り。場所柄学生が多く並んでいますが、時折サラリーマンのような方も一人で並んでいたりします。また移転後は家族連れが増えたようにも思います。ホールスタッフの方たちは皆ヘッドセットをつけてインカムでやりとりをしています。回転も悪くなく比較的早く中に通されました。メニューは「中華そば」(600円)「チャーシューメン」(750円)が基本ですが、人気が高いのが「スジラーメン」(700円)です。しかしスジは杯数に限りがあるので当然この時間にはもうありません。そこでこの日は「中華そば」と人気のサイドメニュー「からあげ3コ」(350円)を選びます。ちなみにラーメンにからあげ3コ、ごはんで「からあげ定食」(950円)となりますので、結果としてはご飯がサービスにもなります。またご飯は好きな量で注文することが出来ます。さらに卓上には「にらごま」などが自由に食べられるようになっています。このあたりのコストパフォーマンスの高さも学生に受けているポイントかも知れません。

Tkysm 程なくして運ばれて来た「中華そば(写真)」は、お店がいくらスタイリッシュになろうとも、以前と変わらぬ双喜文に龍が描かれた丼に入って来ます。この変わらぬビジュアルが嬉しいです。丼は小さめですが量はしっかりとあるので普通に満腹感が得られます。特にご飯やからあげも一緒に食べていればまったく問題ないでしょう。スープは白濁の鶏、豚骨ベースのもので、これは京都の特徴ですがカエシがかなり甘めです。いわゆるもったりとした粘度はありませんが、油分も粘性もあり濃度も高いです。しかしざらつきなどはなく非常に飲みやすい。そこに低加水の細ストレート麺がしっかりと絡んで来ます。麺の茹で加減も硬過ぎず柔らか過ぎず。ざくっともちっとした食感が良いです。美味いラーメンの場合は麺とスープだけで間違いなく成立しているわけですが、このラーメンもそれの見本のような一杯です。思わず後を引くラーメン、手が止まらないラーメンとでも言いましょうか。もちろん薄いながらも何枚も入っているチャーシューも美味しいですし、割と大きめに切った葱も効果的。しかし印象として残るのはやはり麺とスープなのです。だからまた足を運びたくなる。

Tkysk_2 そしてもう一つ、また足を運びたくなる理由となっているのが「からあげ(写真)」です。まずその大きさに驚きます。男の人でも2口では食べられないような大きさのモモ肉からあげが3個。軽くカレー粉もまぶしてあり、どことなく懐かしさも感じる味わいです。これはモダンな店舗に掲げられた赤提灯しかり、臭みがない白濁スープの中華そばにも通じることですが、決して古い味ではないのですがどこかに懐かしさがあるのです。ちなみにこのからあげはテイクアウトも可能です。食べ残したものも袋に入れてくれるサービスがあります。

 ホールスタッフも充実しており、オーダーの通りも早くオペレーションも乱れなし。接客も非常にハイレベルで心地よく、快適に楽しい食事の一時を楽しむことが出来ます。この規模のお店でここまでしっかりしているお店はなかなかないようにも思います。そして価格も非常に良心的。これが流行らない理由がありません。一乗寺に来るとこの店と天天有に来てしまうので、なかなか他の店に行けません。

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Tkysラーメン:中華そば高安
京都府京都市左京区一乗寺高槻町10
075-721-4878
11:30~15:30,18:00~24:00
月曜,毎月28日定休他、不定休あり

Tuesday, 14 April 2009

天天有本店@一乗寺

Tty2福菜館と並んで、やはり京都のラーメンと言って欠かせないお店が一乗寺の「天天有」です。僕にとって京都の朝が新福で始まるように、京都の夜は天天有で終わります。この天天有がある一乗寺周辺は大学が近いこともあり、ラーメン店が数多く建ち並ぶ正に激戦区。天天有はその激戦区を牽引する老舗格のお店ですが、本当に最近は近隣にラーメン店が増えました。何しろ2006年秋には天天有の真隣に、ラーメン二郎出身の店主が営む「ラーメン荘夢を語れ」というお店が出来たほど。これだけ周辺にラーメン店が建ち並ぶ一乗寺界隈はラーメン好きにとっては連食に向いていると言えばそうですが、あまりにも近隣に集中し過ぎているのでインターバルが取り辛いほど。しかしこれだけお店が出来ても天天有の前には相変わらず行列が出来るのですから流石です。

 この日も夜の9時過ぎに行きましたが、相変わらずの行列振り。しかしこちらのお店は回転が早いのでスムーズに中に入ることが出来ます。また店の外にいる時にメニューも配られるので時間のロスを防ぐことが出来ます。こちらのメニューは基本的には至ってシンプル。「中華そば」と「チャーシューメン」しかありません(他に半玉のお子様ラーメンもありますが)。ただオプションがいくつか用意されておりカスタマイズが可能になっています。カスタマイズ出来る項目は結構あって、まず麺の形状をストレートか平打ち麺から選ぶことが出来、麺の硬さも選べます。さらにタレの濃さ、背脂の多さも増やすことが出来ますし、葱の量も増量が可能です。また通常の中華そばよりもチャーシューを減らして、代わりに煮卵または温泉卵を乗せることも出来ます。これらすべてが通常の料金内で可能になるのです。その他、1玉半の中盛りにしたい場合には50円の追加となります。

Ttym 僕がいつもこちらで頼むのは「中華そば並葱多いめ(写真)」(600円)です。麺やタレ、油などはすべてノーマルのママで、葱だけを「多いめ」にします。「多め」ではなく「多いめ」というのがこちらの言い方なのですね。個人的にはラーメンの薬味ネギというのはあまり好きではないと言うか、猫も杓子も葱ネギねぎというのは如何なものかと思っているのですが、こちらの葱は京都ならではの「九条葱」。この九条葱には意味があるというか、この葱がなければ京都ラーメン、少なくとも天天有のラーメンは成立しないと言ってもいいほど、重要な構成要素になっていると思います。白葱の持つ独特な滑りや香りがなく、青葱ならではの食感と味わいはこの店のスープに欠かせない存在です。

 濃厚で粘度のある白濁スープに甘めの醤油ダレがこの店の特徴。そこにストレート麺がよく絡みます。スープは濃厚でありながら後味にしつこさがなく、コクと深みを感じる味わいです。甘めの味付けがクセになります。そこに増量した九条葱が実に合うのです。麺と絡むとまた一層美味しい。チャーシューも通常の中華そばにも関わらず結構乗ってきます。少々小振りの丼ではありますが、十分満足出来るボリュームです。味の好みは十人十色でしょうが、これだけしっかりと作っているラーメンを600円で提供しているのは立派だと思います。最近になって四条烏丸などいくつかの場所でチェーン店を出店されていますが、コンセプトが異なると言いますかやはり本店とは別物。ですので、やはりここは本店をお薦めしたいと思います。

 しつこ過ぎず、かつストレスもなく、店主さんはじめ、お店の方達の過不足ない接客も実に良いのです。周辺に出来た店もいつも気にはなるのですが、やはりここへまず足を運んでしまう。僕にとって天天有とはそんなお店なのです。

 ちなみに、京都にはなかなか行けない!という方には宅配で天天有の味が楽しめる通販もあるようです。一つは「京都ラーメン天天有(2食入)」で、もう一つは>「京都ラーメン天天有(3食入)」。違う会社から出ていますので、食べ比べてみても面白いかも知れません。

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Tty1ラーメン:天天有本店
京都府京都市左京区一乗寺西杉ノ宮町49
075-711-3255
19:00〜翌2:30
18:00〜翌1:30(日祝)
水曜定休

Monday, 13 April 2009

鳥岩楼@西陣

Toriiwaro2都は鰻同様、美味しい親子丼を出す店も非常に多いのです。というよりも、やはり長年都だった場所だけに何でも美味しいものが揃っているという方が正しいのかも知れません。老舗で出す伝統の親子丼から最近オープンしたお店の新作まで、観光客のみならず地元の人からも人気を集める親子丼が数多く存在します。かく言う僕も京都でお昼を食べようという時に、親子丼を思い浮かべる率は非常に高いです。

 僕が最初に京都で親子丼にはまったのは、やはりご多分に漏れず祇園下河原通りにある老舗「ひさご」でありました。こちらで親子丼と山椒の相性の良さを知りました。それからというもの美味しい親子丼を求め京の町を食べ歩き。今のところ僕が好きでお薦めの親子丼をいくつか挙げると、烏丸押小路上ルにある唐揚げをとじた親子丼が味わえる「とり安」に、西陣の鶏料理店「鳥よし」や、名店「鳥彌三」が手掛ける新業態「鳥彌三あざみ」などいくつもありますが、中でも店の雰囲気も含めてお薦めしたいお店が、西陣の鶏料理店「鳥岩楼」です。

 こちらは濃厚な鶏白濁スープが自慢の水炊き専門店ですが、お昼の12時から14時の2時間だけ親子丼を提供しています。築百年を越える数寄屋造りの町家を使ったお店は、聞けば町家を改装したお店の先駆なのだとか。店に入るとお店の人に親子丼かどうかを尋ねられます。親子丼の客は人数を告げて中庭の脇を通り二階へと通されます。二階は大小いくつもの部屋が繋がっていますが、大きな広間になっていて窓の下には小さな中庭が広がります。町家を使っている風情あるお店なので、週末などは観光客、特に外国人の方が多かったりします。そこに小さな座卓が並べられていて、混んでいる時などは相席になることもあります。二階はすべて親子丼のお客さんなので、当たり前ですが皆で同じ親子丼を食べている光景が広がります。

Toriiwarom 程なくして絶品の「親子丼(写真)」(800円)が到着。まず丼に蓋があるのがいいですね。最近では蓋がない丼物が多いですが、出前と違って確かに厨房からすぐ出てくるわけですから、蓋などなくても温度は冷めないのでしょうけれど、本来蓋があるものならば蓋を乗せていただきたいですし、そもそも丼の蓋を開けるという行為そのものが楽しいではありませんか。ふるふると柔らかくとじられた玉子の上に鶉の卵も割られてきます。丼は結構小振りなのですが底が深く見た目よりもボリュームがあります。こちらの親子丼は京都でも屈指の濃い味つけといいましょうか、甘味も強くてタレの味が非常に濃く出ているバランスです。ですので鶉の卵を崩しても無駄な抵抗と言いましょうか、それほどまでに具の味が濃いです。鶏肉もしっかり味がついているにも関わらず硬過ぎることもなく、いい火加減で乗ってきます。山椒が強めに効いていますがむしろこのくらいのバランスの方がちょうどいい。タレも多めにかかっていて、吉野家で言うところの「つゆだく」に近いものがあるわけですが、どちらかと言えば下品にかき込んで食べるのが丼物の醍醐味なわけで、こちらの親子丼はいい意味で下品な感じがしていいのです。そして鳥岩楼自慢の鶏白濁スープも添えられてきます。こちらは逆に塩分なども抑え気味で出汁本来の味が楽しめます。このスープを飲ませて夜の水炊きにも誘導するというなかなかの作戦でもあります。

 ひさごなどがある東山、祇園界隈と比べて、西陣は比較的人も少ないエリアですし、他の店のように色々なメニューがあるのではなく親子丼のみですので回転も良いので、ひさごほど行列することもなく割とスムーズに入ることが出来ます。ひさごももちろん今でも大好きなお店で、おそらく親子丼では一番食べているお店ではないかと思いますが、町中の喧噪からちょっと離れた、京の風情ある町家でいただく鳥岩楼の親子丼。このシチュエーションがある分、ひさごよりもお薦めしたくなってしまうのです。

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Toriiwaro和食:鳥岩楼
京都府京都市上京区五辻通智恵光院西入ル五辻町75
075-441-4004
12:00〜20:00
※親子丼は12:00〜14:00
木曜定休

Sunday, 12 April 2009

う桶やう@祇園

U2日が落ちる黄昏時に祇園界隈を歩いていると、茶屋へ向かう舞妓さんや芸妓さんの姿とすれ違います。特に白川沿いや花見小路ですれ違うと、実に風情があっていいものです。特に幕末の志士たちも通ったという由緒正しきお茶屋さん「一力亭」のあたりから花見小路を建仁寺の方へ下って行く道は観光客も多く、舞妓さんが歩いていると写真におさめようとする光景が見られます。これもその背景となる町並みが実に京都らしいからでしょう。そんな舞妓さんが歩く昔ながらの町並みには数々の町家が立ち並びます。今では町家を使ったお店は和食だけではなく洋食やカフェなどもあり、さらには食器屋さんやブティックなどもあります。昔ながらの建物を気軽に楽しめるようになっているのですね。

 ところで僕は根っからの鰻好きなのですが、実は京都には鰻の美味しいお店が数多くあり、鰻好きにはたまらない町でもあるのです。中でも僕が好きなお店をいくつか挙げると、きんし丼で知られる新京極の老舗「かねよ」に、祇園で百年近く続く老舗「ぎをん梅の井」、そして嵐山の名店「廣川」など挙げ出したらきりがありませんが、そんな中、京の古い町家を活かした風情のある鰻屋さんがあります。先ほどの花見小路を四条から下って一本西の裏筋は、町家を活かした料理店などが数多く集まっている筋なのですが、その筋の一角に知らないと素通りしてしまうくらいひっそりと佇む小さなお店、そこが「う桶やう」です。一番上の写真がその筋の写真なのですが、なかなか痺れる素敵な雰囲気でしょう。こちらのお店は何年か前に初めて知って足を運んで以来すっかり気に入ってしまい、もう何度となくお邪魔するお気に入りの鰻店の一つになりました。このお店は新京極、花遊小路にある江戸焼の老舗「江戸川」の支店で、本店の料理長でもある小磯さんは、僕の好きな南千住の「尾花」でも修業経験のあるベテラン。時々こちらのお店にも立たれています。

U3 一間ほどの狭い間口の店に入るとすぐ左に調理場が見え、そこからは香ばしい鰻を焼く香りが溢れています。そして店の中にはいくつもの手桶が並べられています。細い階段を上に上がっていき風情のある二階で鰻を頂きます。ちなみに鰻は関東と関西で調理法などが違いますが 、ここの鰻は関東風、こちらで言うところの「江戸焼」です。 開きも関西のように腹開きではなく背開きですし、素焼き後の蒸しもしっかりとします。 こちらでは鰻の蒲焼、鰻重など数多くのメニューがありますが、もし複数名でこの店に来られるのであれば、ここはやはりこの店の名物でもある「う桶」を食べていただきたいところです。

U1 この店名物の「う桶」とはその名の通り手桶にご飯と鰻が入ったもの。おそよ3人前の小から5人前の大までありますが、この日は2人で「う桶小(写真)」(7,870円)を堪能しました。良質のコシヒカリをタレでしっかりまぶしたご飯の上に、人数分の鰻の蒲焼きが敷き詰められたビジュアルは圧巻です。あまり上品な育ち方をしなかった僕としては、お腹いっぱい鰻を食べたいという下品な考えをいつも持っていますので、普段も鰻重は一番大きなものを頼みますし、中入があるなら間違いなくそれを選ぶわけですが、その想いをかなえてくれるのがこの「う桶」なのですね。もちろん一人でこれを食べるわけではありませんが、このビジュアルこそが求めていたビジュアルなわけです。そしてこれを杓文字で取り分けて皆でわいわい言いながら食べる楽しさがまたいいのです。ふっくらとした鰻は柔らかくそして香ばしく、タレは甘過ぎることもなければ辛過ぎることもなくいい塩梅で、ご飯にしっかりとまぶしてあるのでご飯だけ食べても美味しいです。

 古き町家の雰囲気を味わいながら手桶に入った絶品の鰻を頬張る至福の一時。そしてお腹いっぱいになった帰り道、夜の花見小路をぶらり散歩するのもまたいいのです。こちらのお店はお昼も営業していますが、この雰囲気を味わうならやはり夜がお薦めです。ぜひ大切な人と足を運んでみてください。

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U4_2鰻:う桶やう
京都府京都市東山区祇園西花見小路四条下ル
075-551-9966
12:00~14:00(LO),17:00~21:00(LO20:30)
月曜定休

Saturday, 11 April 2009

新福菜館本店@京都

Sakura_2の週末、ふと思い立って京都に桜を観に行って来ました。果たして京都という場所はふと思い立って行くような場所なのかとも思いますが、本当にふと思い立って行ってしまったのです。それは金曜深夜のことでありました。翌日からの土日をどう過ごすか、せっかく休日ETC割引があるのだから、一度くらいはどこか行けるところまで行ってみようかと。とは言えつい先日箱根に旅に行ったばかりですし、まぁ関東から日帰りで行けるところはないものかなどと、ネットで色々と検索をかけておりました。その時にふと見つけてしまったのが「京都で桜が満開」というニュース。京都、京都…、京都かぁ…。さすがに京都は遠いよなぁ。

 ご存知の方も多いでしょうが、僕は根っからの京都好きで毎年のように遊びに行くのですね。しかし向こうではいつもレンタカーを借りて動いていますが、京都まで車で行ったことなどはありません。一度はマイカーでも来てみたいなとは思っていましたが、実際にどのくらいの距離なのかも把握していませんでした。そこで地図や高速のルートを確認してみると千葉から京都までおよそ600kmの距離がありました。これまで600kmなどという距離を一気に走ったことはありません。それはさすがに無理だよなぁと思いつつもちょっと計算してみますと、仮に時速60kmで走り続けても10時間。しかし実際には高速しか使いませんので平均時速100kmとして6時間。そう考えているうちに何だか行けそうな気がして来ました。というよりも気分はもうすっかり京都になっています。たださすがに長時間ドライブして向こうで観光して帰って来るのでは寂しいし体力も持たないだろうと、浮いた高速代で安いビジネスホテルをネット予約して(余談ですがこのホテルの隣は今話題のこちらの某財団法人でした)、寝るつもりだったパジャマを服に着替えて明け方4時前、愛車に飛び乗り一路京都へとロングドライブを決行しました。途中3度程休憩を挟み、1回は30分ほどの仮眠も取りましたが、無事におよそ7時間後の午前11時には京都に入りました。

 東名東京料金所から名神京都南インターまで1,650円。割引するって言ってるんですから安いのは当たり前のことではありますが、料金所を通過してこの表示を見た時はちょっと感動です。逆に言うとこんなに安くしなくてもいいんじゃないのかなぁとも思いました。ただでさえ車を持たない方にはメリットのない施策なのですし、近場に行っても遠出しても一律料金というのもバランスが悪過ぎるような気もします。さらには大都市近郊エリアはまた計算が異なるややこしさもありますし、いっそのこと一律土日は高速道路半額、とかの方が分かりやすいようにも思うのですが。少々話が横道に逸れました。

Shinpuku2 さて市内に入って真っ先に向かった場所はご存知「新福菜館本店」です。僕の京都の旅はいつもここから始まります。関東ですとやはり話題の新店などを追っかけてしまうわけですが、京都ではそもそもラーメン以外にも食べたいものがいっぱいありますし、そこで数少ないラーメンを食べる時にはやはり新店よりも馴染みのある老舗の味を食べたいと思ってしまうのです。これまで数え切れないほど京都には遊びに来ていますが、修学旅行や子供の頃の家族旅行はさておき、それ以外でこの店に来なかったことはないのではないでしょうか。そのくらいリピート率が高いお店が「新福菜館」なのです。創業60年余、京都屈指の老舗人気店はこの日も店内満席で、客足が切れることがありません。そして店内の活気あふれる声、いつ来ても変わらぬ雰囲気で迎えてくれます。この雰囲気の中で食べるからより美味しく感じるのですね。

Shinpukum こちらで頼むものは「中華そば並」(650円)と決まっています。見た目真っ黒の醤油スープはある意味関東的なアプローチの濃口醤油味ですが、醤油の香りとコク、そして豚と鶏の味わいが優しくかつ力強く広がるスープです。麺はもっちりとした食感のストレート麺で、スープを吸って色が醤油色になっていきます。スープをしっとりとまとうかのような食感がクセになります。薄く切られたチャーシューがたっぷり入り、このチャーシューは麺と一緒に頬張ると美味しいのです。そして何といっても京都といえば九条葱。たっぷりの九条葱はスープにいいアクセントを与え、薬味というよりも具としての存在感があります。一過性のブームのような味ではなく、何度食べても飽きずに美味しく食べられる、これこそ本物のラーメンであるように思います。

Shinpukur そして中華そばと一緒に必ず頼むのが「ヤキメシ」(500円)。中華料理店などの白いお米に黄色い玉子や赤い人参、チャーシューなどが入ったカラフルなものではなく、醤油色の艶やかなご飯はチャーハンというよりもヤキメシという言葉が実に良く似合います。厨房からは中華鍋をカンカンと小気味良く振るう音が常に聞こえてきます。普段あまりラーメンとご飯類を一緒に食べることはないのですが、こちらのお店ではこのヤキメシも頼まないと落ち着きません。実際お客さんのほとんどが注文する最強のサイドメニュー。サイドメニューというよりも、このヤキメシだけを食べに来るお客さんもいるほどなのです。支店にも必ずあるメニューではありますが、やはり本店がダントツで美味い。

 祇園白川沿いや先斗町の小料理屋さんや、町中を離れた料亭、あるいは親子丼や鰻などの老舗など、大好きな京都の食は色々ありますが、その中でも来る度に押さえておかなければならないポジションのお店がこちらの新福。ここでの食事を終えてようやく僕の京の旅が始まるのです。

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Shinpuku_2ラーメン:新福菜館本店
京都府京都市下京区東塩小路向畑町569
075-371-7648
7:30~22:00
水曜定休

Wednesday, 08 April 2009

RESTRANT ROI@彫刻の森

Roi2根の洋食、フレンチと言えば5日の記事でも書いた宮ノ下の「富士屋ホテル」が有名ですが、その富士屋ホテル出身の方が創業したレストランが彫刻の森にあります。県外からもファンが訪れる創業半世紀を越える老舗人気店。それが「RESTRANT ROI(ロア)」です。旅番組や雑誌などでもかなり露出しているお店ですので、ご存知の方も多いお店ではないでしょうか。

 名門富士屋ホテルで学んだ創業者がこちらの店を構えたのは1957年と言いますから、今から50年以上も前のことになります。名門で鍛えられた職人が作る洋食の数々は温泉へやって来る観光客を中心に評判となり、いつしか人気店となって行きました。以前は町の喫茶店のような雰囲気の小さなお店でしたが、4年程前に新たな店舗が完成し、今では随分とスタイリッシュなレストランに生まれ変わっています。箱根の山の中に建つ真っ白な外壁が印象的なレストランは、外は箱根の山を見渡せるテラス席が、中に入れば天井が高く開放的な空間が広がります。スペースの割にテーブルが少なめなので、よりゆったりとした気分にしてくれます。

Roim2 フレンチを基本としたレストランではありますが、そこは観光地箱根ということもあって、パスタやピザ、サンドイッチといった軽食から数名でシェアして楽しむコースまで幅広くメニューを揃えます。中でもこの店でプッシュしているのが、足柄茶を食べさせて育てたというブランド牛の「足柄牛」。ステーキなどもありますが「足柄牛オムライス(写真)」(2,800円)をいただきました。最近流行のいわゆる「とろふわ」系のオムライスではなく、純然たる昔ながらのオーソドックスな薄い玉子でご飯が包まれています。中のご飯はケチャップライスではなく、塩胡椒で炒めて味付けしたもの。そこにカットが大きな足柄牛がゴロゴロと入っているのです。味付けがシンプルなだけに肉の美味しさが実感出来ます。そして見た目よりもご飯は多めに入っていてボリュームとしても満足感があります。

Roim1_2 しかし何といってもこちらの看板メニューは「ミートパイ」(3,000円)でしょう。テレビや雑誌などで何度となく紹介されている伝統のメニューは、その評判に違わず美味しい逸品です。バターの風味が強いサクサクとした香ばしいパイを切ると、中には熱々のドミグラスベースのソースと一緒に柔らかい牛肉がたっぷり。見た目少々小さく感じますがしっかり肉も詰まっているので、十分満足出来る分量かと思います。個人的にメインディッシュとしてパイを選ぶことはほとんどないのですが、こちらのミートパイは別。他にも魅力的なものがありますが、やはりミートパイを選んでしまうのです。ちなみにサラダ、スープ、パンまたはライス、デザート、コーヒーがついて来ます。

 富士屋の味を学んだ先代が作り上げた名物メニューを今に継ぐ二代目。パンよりもご飯に合う濃厚な味わいはまさに洋食。箱根の山にはフレンチよりも洋食が似合います。

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Roi1洋食:RESTRANT ROI
神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷520
0460-82-4720
11:30~21:00
火曜定休

Tuesday, 07 April 2009

箱根茶寮椿山荘@小涌谷

Hczsn涌谷温泉と言えば温泉ホテルや温泉施設などが揃う「箱根小涌園」が有名ではないかと思いますが、この小涌園を運営しているのが「椿山荘」などでも知られる「藤田観光」という会社です。その会社のルーツとも言えるのが小涌園ですが、その小涌園敷地内ユネッサン散策ゾーンにて、小涌園創業当初の建物を使用している日本蕎麦店がこの「箱根茶寮椿山荘」です。ここは元々藤田家の別邸として大正時代に建てられた立派な庭園を持つ日本家屋で国登録有形文化財建造物。現在は「貴賓館」という名前がつけられて、小涌園一帯を見下ろす丘の上に山王神社という小さな神社と一緒にあります。

 入口で靴を脱いで大正時代の香りが残る建物の中へ。庭が見える広間をはじめすべての客席は背凭れの高い椅子とテーブルの席になっています。一瞬ミスマッチとも思える純和風建築の空間に並ぶテーブルの光景が逆に大正ロマンを彷彿とさせます。蕎麦は単品がなく、どのお蕎麦も先付けと甘味が付いて来ます。基本の蕎麦は「冷蕎麦」(1,800円)ですが、こちらのお店では天城産軍鶏を使った一品も人気ですので、軍鶏スープや軍鶏の炒め煮などが組み込まれた「特選会席大文字膳」(3,800円)をお薦めします。

Hczs01 コースとしては「先付け」「天城産軍鶏のスープ蕎麦の実仕立て」「山の幸のお造り三種盛」「天城産軍鶏の炒め煮」「箱根汲み豆腐サラダ」「筍の土佐煮と菜の花」「冷蕎麦(写真)」「甘味」となります。これだけ出てきて3,800円というのはなかなかのコストパフォーマンスではないでしょうか。肝心のお蕎麦ですが、まずその艶やかで美しい表情に魅せられます。こちらのお蕎麦は北海道北竜町の蕎麦を使用しているそうですが、盛りは結構多めでしっかりと水で締められた食感の良いお蕎麦です。割合としては確認しませんでしたが、二八ではないでしょうか。また星はほとんど見えません。そばつゆは醤油の強い辛めのつゆで香りが良いです。なお、こちらのお蕎麦には薬味と共に生山葵が一本ついてくるのも嬉しいです。安土桃山時代の陶工にして楽焼の祖としても名高い長次郎作の鮫皮おろしと共に供される山葵を、円を描くようにおろして蕎麦につけてすすります。山葵と蕎麦の香りが鼻腔を抜けて至福の時に包まれます。

Hczs02 またこちらでもう一つお薦めしたいのが「箱根山天ざる」(2,000円)です。こちらは「よもぎ蕎麦(写真)」「野菜天」が一緒になった一品。この野菜天はその季節の旬の野菜を使っており、今の時期では春野菜で箱根の山で採れた山菜や筍などがたっぷり入っていました。天つゆは付いて来ずに塩でいただきますが、どの素材も旬の味がしっかりと出ていますので塩すらも要らないくらいでした。お蕎麦はよもぎがたっぷりと練り込まれていて、よもぎ独特の風味が香る山を感じさせるお蕎麦です。食感は田舎蕎麦のような食感とでも言いましょうか、食感に多少クセがありますが喉越しも良くなかなか後を引くお蕎麦です。箱根の暖かな春の日差しの中で、窓から見える庭園を眺めながら、春の息吹が感じられる天婦羅と一緒に味わうとまた格別です。温泉とセットでぜひ行ってみて下さい。

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Hczs_2蕎麦:箱根茶寮椿山荘
神奈川県足柄下郡箱根町二ノ平1297
0460-82-8050
11:00〜18:00(LO17:30)
無休

Monday, 06 April 2009

石狩いわぶち亭@御殿場

Fujisan根の山を抜けて乙女峠を越えると見えて来る富士の山とその裾野に広がる街並。御殿場には箱根からならば車で1時間もしないでたどり着けますので、箱根とセットで足を運ぶ人も少なくありません。かつては箱根に来た観光客の方達が「御殿場ファミリーランド」という遊園地に足を運びましたが、閉園してしまった今はその跡地に出来た「御殿場プレミアムアウトレット」目当てで皆がこの街を訪れます。かく言う僕も同じでこの日も箱根の山を越えて洋服やら食器やらの買い込みに来ているわけなのですけれど。ここのアウトレットは佐野のアウトレットと同じ会社「チェルシージャパン」が経営していて、三井など他のアウトレットよりも街並が綺麗で動きやすく、また入っているブランドが自分好みだったり品揃えも多くて好きなのです。若い頃ニューヨークで初めて行ってすっかりはまってしまったアウトレット「Woodberry Common Premium Outlet」に雰囲気が良く似ているのも好きな理由なのかも知れませんが、それもそのはずこのニューヨークのアウトレットを運営している「Chelsea」社が「チェルシージャパン」の親会社だということをつい最近知りました。かつてディズニーはディズニーランド招致合戦の時に、富士山が見えては世界観が損なわれるという理由で富士の裾野を候補から外しましたが、このプレミアムアウトレットは富士が見えても立派にニューヨークで感じた世界観を堪能出来ます。

 富士山を眺めながら広いアウトレットを歩き回ってお腹が空いたら、ちょっと街から離れて富士の裾へ向かいます。アウトレットからならば車でおよそ20分。富士に向かう山道にひっそりと建つ隠れ家のような一軒家で、知る人ぞ知る美味しい鍋を味わうことが出来ます。それが「石狩いわぶち亭」です。旧家を改造したお店はまるで田舎の家に帰って来たかのような雰囲気で迎えてくれます。別段古いレトロな雰囲気ではありませんが、アンティークの小物や民芸品などが置かれていて、生活感がありどことなく温かみがある雰囲気です。お店の方たちもいつも優しく出迎えて下さいます。アットホームな雰囲気という言葉はかなり手垢のついた言葉ではありますが、この店はまさにアットホームという形容が相応しい。初老の女性の優しい接客に癒されます。

Iwabuchi02 鰻の蒲焼きや蕎麦なども出してはいますが、こちらでお勧めなのは何と言っても、店名のついた「いわぶち亭御膳」(2,300円)です。30年以上に渡り愛されているこの店名物の「石狩鍋」と刺身、天婦羅などがセットになったお得なメニューです。刺身は普通の刺身も選べますが、やはりここはせっかくですから「御殿場馬刺し(写真)」を選びましょう。山くらげとクラゲの和えものなど先付の後に出て来る馬刺しは、さしの入っていない赤身肉ですが、臭みが一切なく味わうごとに肉の甘味が感じられます。

Iwabuchi01 そしていよいよ名物の「石狩鍋(写真)」がぐつぐつ言いながら登場します。一人前の大きさの鉄鍋が固形燃料の上に乗ってきます。中にはたっぷりの鮭の身と野菜、豆腐などが入っています。生鮭から煮立てるため鮭の旨味がしっかりと味噌仕立ての鍋に移っており、風味豊かでとても美味しい味わいです。また隠し味にバターが使われていて、味噌と見事にマッチしていて何とも言えないコクがあります。鮭の身は箸で持つとほろほろと崩れ、しっかりと味噌の味も染みていて白いご飯が進みます。

 食べている時にも鍋の状態を見に来てくれたり、お茶も継ぎ足すことなく新しいものに入れ替えてくれたりと、お店の方の心づくしが続きます。マニュアル化されていない、当たり前のもてなす心から生まれた接客はとても心地が良いものです。そしてこれだけ出て来て2,300円という良心的な価格も文句無し。アウトレット同様プレミアムな一時を楽しむことが出来ます。なお、平日夜は前日昼までに予約が必要とのことで、また週末夜も20時以降に行く場合には事前の予約がベターとのこと。場所が場所だけにパッと入ってくるような店ではないので振りの客はそうそう来ないのでしょう。ですから出来れば予約して行かれることをお勧めします。

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Iwabuchi和食:石狩いわぶち亭
静岡県御殿場市印野1416-1
0550-89-6473
12:00〜14:30(LO14:00)
18:00〜22:30(LO21:30)
※平日夜は前日14時までに要予約
水曜定休

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