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Monday, 01 June 2009

麺処Ryu-ya@日吉

Ry2吉に本日オープンした新店が「麺処Ryu-ya」です。日吉といえばこの界隈では屈指の激戦エリアで、大学生を中心に昼夜を問わず人が集う場所でもありますが、意外にも純然たる豚骨魚介のラーメンはあまりないようで、こちらではそのコンセプトのラーメンとつけ麺を提供するとのこと。場所は日吉駅西口から放射状に伸びる商店街の右手、浜銀通りを入って少し歩いた右側にあります。手前に宝くじ売り場があるのですぐ分かるでしょう。

 店は黒を基調にしたファサードがお洒落に仕上がっていますが、横文字を使った店名や看板の割に壁には中国語が書かれていてちょっとミスマッチ。聞けば中国の麺料理が日本に伝わって来たプロセスなどが書かれているそうなのですが、この中国語が書かれていることで店のイメージが決まってしまいそうで少々危険な気もします。これだと炒飯、餃子、中華丼が出て来てもおかしくなさそうですから。しかしこちらにはそういう中華料理店的なメニューは一切ありません。基本は「中華そば」(680円)「つけ麺」(700円)に、あとはちょっと二郎ライクな「野菜大盛そば」(780円)という3種とそのバリエーションで、麺に関しては「中華そば」「野菜大盛そば」には大盛があり、20円プラスで頼めます。またつけ麺の方は普通盛りが200gですが、大盛は300gで20円プラスになります。さらにつけ麺のみ特盛400g(+100円)と特大盛500g(+200円)が用意されています。

 店内は少々薄暗い照明になっていて、ちょっとお洒落な雰囲気。L字型カウンターの他テーブル席も2卓ほど配されています。まずは基本の「中華そば(写真上)」(680円)を。ベースのスープはゲンコツと豚頭で取った豚骨スープに、鶏ガラ、モミジに背ガラを加えた別の白湯スープで追いかけて足して回していくスタイル。そこに後からサバ節や煮干しなどが加わってきます。適度に粘度、濃度もあって骨の旨味を感じさせるスープは、昨今流行のどろざら系豚骨魚介とは異なり、ちゃんと豚骨や鶏の旨味を感じさせたいという姿勢が感じられます。そこに千葉の老舗醤油蔵「宮醤油」を使った醤油ダレが合わせられるのですが、スープの旨味を出したいからなのか少々おとなしめの配合です。僕的にはこのバランスは悪くないと思うのですが、果たして昨今の味の強いバランスに慣れている学生達に伝わるのかは疑問です。麺は菅野製麺所に特注した太麺で、適度な弾力と食感が心地よい麺です。ただ個人的にはもう少し麺線が細い方が良いのかなとも思いました。

 具は若干スモーキーに仕上げた肩ロースチャーシューに、メンマ、水菜、海苔、白ネギですが、どこかのお店よろしく卓上には刻みタマネギが置かれていますので、それは好みで入れることが出来ます。個人的に刻みタマネギ大好き人間ですので、これはもうどこの真似であろうと大歓迎です。また同様に卓上には魚粉やカレー粉、唐辛子などの調味料も置かれていて、自分好みの味を作ることが出来るのは楽しいと思います。しかし実際のところ最初のバランスがかなり計算されているので、ひとたびカレー粉でも入れようものなら全く別ものになってしまいますが。それでも後半で違った味にするというオプションは受けそうですし面白いのではないかと思います。

Ry3 そしてもう一つの看板メニューである「つけ麺(写真)」(700円)をいただきましたが、個人的にはラーメンよりもこちらの方が非常に興味深い一品でした。というのも麺の食感が実に良いのです。麺はラーメンと同じ生地のものを切り刃と切り方を変えたものだそうですが、同じ生地とは思えない食感を生み出しています。もっちりとしていて柔らかく、芯がなくしっかりと熱が加えられている。それでいてぶかぶかしていない食感。最近のつけ麺はやたら硬い食感のものが多く、おそらくこの麺も他の店ならあと30秒は早く上げて来るでしょう。しかしそこを堪えてしっかりと茹でてていねいに締めてあるこの麺は相当いいと思います。しかしこれも中華そばのスープと同様ですが、果たして最近の硬い麺に慣れている人が食べてどう思うかがポイントです。茹で過ぎであるとか、柔らか過ぎるなどと言われる可能性も多分にあると思います。つけダレはそこそこ濃度のあるスープに程よい甘味、酸味、辛味という、味こそ違えどもいわゆる東池袋大勝軒系や鳥居式的な方向性を向いており、そういう意味では些か凡庸ではありますが、この麺の食感、風味がそれをカバーしています。

 実はこの店は僕がプロデュースしているラーメン店「千葉ラーメン拉通ra2」を一緒にやっている川崎君が、立ち上げ段階で味作りなどのお手伝いをしたお店です。彼は以前日吉で「マンモスラーメンポクポクポクチン!!!」というラーメン店を任されていたこともあり、その時の知人に頼まれて一肌脱いだのです。拉通ともポクチンとも違った、こういうラーメンなどをしっかりとまとめてくるところに彼の引き出しの多さを感じます。だからこそ彼と組んでいて非常に楽しいのですが。

 そういう意味では商品力としてはもちろん十分力はあると思います。しかし商品力があっても売れるとは限らない。特にこのつけ麺は他にはない味わいで大変美味しく、そしてハイレベルだとは思いますが、それがマジョリティであるかと言えば明らかにそうではありません。現段階でのこの店の目指す味なりスタイルは、既存の豚骨魚介系への挑戦でありアンチテーゼというか一つの提案ではないかと思うのです。それが果たしてこの日吉という地で、今の流行である濃厚豚骨魚介系のつけ麺専門店が圧倒的な支持を受けているこの町で受け入れられるのかどうか。そこを注目したいと思います。

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Ry1ラーメン:麺処Ryu-ya
神奈川県横浜市港北区日吉2-2-5
045-564-1598
11:00〜23:00 ※スープ切れにて終了
無休

Thursday, 07 May 2009

牛乳屋食堂@新横浜

Gnym_2横浜にある日本初のラーメン施設「新横浜ラーメン博物館」に今年3月にオープンした新店が会津若松の人気店「牛乳屋食堂」です。ラー博ではその地域で絶大な支持を得ている店で、首都圏でまだ紹介されていない店を紹介する「みんなのふるさとラーメン」という企画を昨年春よりスタートさせているのですが、その第1弾が福井県の「中華そば一力」。第2弾が福島県の「牛乳屋食堂」ということになります。創業80年という老舗中の老舗ということですが、お恥ずかしい話本店を食べた事がありませんので、今回が初めての経験ということになります。

 「牛乳屋食堂」とは非常に面白い店名ですが、元々牛乳屋さんとして開業したからなのだとか。なのでメニューには今でも牛乳が置かれています。オリジナルのラベルが張られていて可愛らしい牛の絵が描かれています。また、こちらのお店ではラーメンと共にカツ丼の人気も高く、暖簾にもラーメンと共にカツ丼の文字が染め抜かれています。ラーメンの麺は極太縮れ麺と中太麺の2種類がありましたので、フルポーションのラーメンにミニ丼がついてくる「牛乳屋満腹セット中太(写真)」(1,080円)「牛乳白(写真)」(130円)「ミニラーメン極太」(580円)を注文しました。

 スープは非常にすっきりとした透明な醤油スープで、これは同じ福島の喜多方にも繋がるかと思いますが決して物足りなさはなく飲み進める程に味わい深いスープです。魚介の風味は思ったよりも抑え気味で、ほのかに香る煮干しは悪くありませんがもう少し出ていてもいいのかなとは思いました。中太麺は若干縮れの入った丸刃麺で、適度にプリッとした食感があってスープともよく馴染んでいました。また極太麺の方はミニラーメンだったということもあるでしょうし、恐らく何かの間違いではあろうかと思いますが、ほとんどの麺が短く切れてしまっていました。その長さはおよそ3cmくらいでしょうか。おそらく麺の扱いもしくは熟成などに問題があったのかも知れませんが、マカロニのスープを飲んでいるかのように細かく短くなってしまっていましたので、残念ながらこの麺についての判断は出来ません。これはやはり会津で本物を喰え、という示唆なのかも知れません。

 そしてもう一つの名物であるカツ丼ですが、「ソースカツ丼」と「煮込みソースカツ丼」から選ぶことが出来ます。今回は「煮込みソースカツ丼」を選びました。濃厚なソースの味が染みたトンカツはミニとはいいながらも厚みがあり、それを玉子でとじることでより強いコクがプラスされ大変美味しいものでした。この濃厚な味のカツ丼と優しい味のラーメンを一緒に食べるとより美味しさが増すような気がします。しかしこのカツ丼はまたフルポーションで食べたいなぁ。これはやはり会津に行け、ということなのでしょう。

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Gnyラーメン:牛乳屋食堂
神奈川県横浜市港北区新横浜2-14-21新横浜ラーメン博物館
045-471-0503
11:00〜23:00(施設入場は22:00まで)
無休

Saturday, 18 April 2009

らーめんの駅@新横浜

Eki002ーメンブームの牽引役とも言える日本初のラーメン施設「新横浜ラーメン博物館」に今月16日、大型の新店がオープンしました。札幌味噌ラーメンの名店「純連(じゅんれん)」「すみれ」の生みの親である、村中明子さんが営んでいた幻の名店「らーめんの駅」が、5年振りに復活を果たしたのです。しかも純連、すみれを営む二人の息子さんと一緒に味作りをしての復活というのですから、これはもうラーメンファンにはたまりません。村中さんにとっては最後の店、と決めて開業した「駅」でしたが、道路拡張に伴い惜しまれつつも2004年2月28日に閉店されました。実は「駅」が札幌で閉店した今から5年前、村中明子さんが作った最後の一杯を食べたのは僕でした。

Eki004 ちょうどそのタイミングに仕事で札幌に行く予定だった僕は、駅が28日に閉店という知らせを聞いて札幌入りの日を早めて、閉店当日にお店に行くことにしていました。しかしあろうことかその閉店の当日飛行機に遅れが出て、営業時間ギリギリの到着になりそうでした。最終営業日ということもあり、もしかしたら売り切れで早じまいしてしまっているかも知れない。そう思い羽田からお店にどんな様子か連絡を入れてみると、やはり営業時間前に売り切れそうだけれど、もしいらっしゃるならお待ちしていますよ、とのありがたいお言葉。新千歳空港から飛ばしてお店に伺いました。やはり売切れていて営業は終わっていましたが、幸い最終日ということもあってお店の中には森住製麺の社長さんや、村中さんに密着しているテレビクルーなどもいてラーメンを食べていました。待って頂いたことにお礼を言うと、村中さんもわざわざ東京から来て下さってありがとうございますと。そんなやりとりをしながら「最後の一杯」をいただきました。同行者がいましたので「味噌」と「醤油」を一杯ずつ。そして最後にもう一杯「味噌」。しみじみと美味しく味わいました。多分僕の人生の中でベスト1の味噌ラーメンだったのではないでしょうか。

Eki003_2 僕は「純連」「すみれ」のラーメンがとても好きなのですが、申し訳ないがそれよりもやはり「駅」が好きなのです。これはもう先入観というか思い入れ以外の何ものでもないのでしょうが、やはり深みが違うように思うのです。そして村中さん始め皆さんの温かみのある接客。暖簾をしまう最後の瞬間に一緒に写真を撮らせていただいたのはいい想い出です。そうそう、まったくの余談なのですが、この写真を撮影してくれたのはテレビクルーのディレクターさんだったのですが、そのディレクターというのが何と学生時代の友人という偶然。もう十年以上も逢っていなく、お互い連絡先も分からずにいた男だったのですが、東京で逢うことはなくなぜか札幌で再会をしたのです。その日の夜にススキノで語り合ったのは言うまでもありません。駅が十年以上もの時間を縮めてくれたのです。

Eki001 そんな個人的にも思い入れが強い「駅」がまさかの復活。生憎プレオープン時には予定が入ってしまっていましたが、出来るだけ早く足を運びたいとオープン2日目の昨日新横浜へと行きました。3月にオープンした新店「牛乳屋食堂」にも行かなければいけないのですが、何よりもまずは「駅」に向かいます。真っ白な暖簾に書かれた「駅」「すみれ」「純連」の文字がラーメンファン的には非常に痺れるわけです。この日もあの日と同じ「味噌ラーメン(写真)」(900円)と「ミニ正油ラーメン」(550円)を注文しました。

 僕は「すみれ」や「純連」が好きと言いましたが、正直ここ数年は店に行ってもさしたる感動もないまま過ぎていきました。初めてラーメン博物館ですみれの味噌を食べた時の感動、そして札幌の純連で食べた時の感動、そのどちらもないままに数年が過ぎていましたが、この日の味噌、そして醤油は久々に感動したというか、とても美味しく味わい深いものでした。これももちろんかなりのバイアスがかかっていることは百も承知です。それでもやはり美味しかった。つい先日も高田馬場で「純連」を食べたばかりなのですが、いやもう雲泥の差と言っても良いくらいの差を感じました。スープの持つ力強さ、生姜が立ちすぎずしっかりとベースの旨味を感じさせながらも、味噌の味もしっかりと出しています。森住製麺の麺の状態も完璧です。そして、何よりも「醤油」がいい。実は僕はすみれも純連も味噌よりも醤油の方が好きなのですが、駅でもやはり醤油が光っていました。両方食べるべきラーメンだと思います。

 ここ数年は仕事半分のような形でこの施設に来ることが多いのですが、久々に素で楽しめたというか非常に美味しく感動し、牛乳屋食堂も食べる事が出来て、この日は十分にラー博を満喫出来ました。味噌好きの方はもちろん、「すみれ」「純連」がお好きな方は必食の一杯と言えるでしょう。そしてぜひ醤油もミニラーメンで。

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Ekiラーメン:らーめんの駅
神奈川県横浜市港北区新横浜2-14-21新横浜ラーメン博物館
045-471-0503
11:00〜23:00(施設入場は22:00まで)
無休

Thursday, 09 April 2009

なんつッ亭@渋沢

Nantsuまいぜベイビー!というキャッチフレーズでお馴染みの人気豚骨ラーメン店がこの「なんつッ亭」です。この店がラーメン好きの中で話題を集めたのはもう何年も前のことになりますが、秦野という東京から見れば遠い場所のしかも街道から奥に入った狭い路地裏にある店で、かの熊本の名店「好来」譲りの本格的な熊本ラーメンを出していると聞いて、当時九州豚骨特に熊本ラーメンが好きでラーメンの食べ歩きを始めた僕は、千葉から遠路遥々何度も足を運んだものでした。コクのある豚骨スープの上に浮いた真っ黒いマー油が印象的なラーメン。もちろんマー油の存在は知っていましたが、これほど全面に主張したラーメンは食べたことがありませんでした。そして食べ進めるうちに豚骨スープとマー油が混ざり合って深みが増していく味わい。これは確かに美味い。失礼を承知で言えばこんな場所にあるのがもったいない、などと思いながら味わったことを思い出します。

 その後インターネットから火が点いて、雑誌やテレビなどにもバンバン登場するようになり、雑誌のランキングでは1位を何度も獲得しました。さらにカップラーメンなども発売して一般的な知名度も急上昇。ご主人の古谷さんはテレビのラーメン番組などにも積極的に登場し、さらにブランド力を上げていきました。そして秦野からついに東京進出。品川のラーメン施設「品達」をはじめ、川崎、池袋と店舗を増やしていき、秦野の本店も裏通りから大通りに面した場所に移転して大きくしました。しかし、当然店主が厨房に立ちすべてに目を光らせていた当時を知る者としては、多店舗展開していくことによる味の劣化や質の低下に不安を感じます。特に豚骨ラーメン店はなおのこと。これまでも多くの店が凋落していく様を見て来ましたので、きっとなんつッ亭もそうなってしまったのだろうと正直寂しさがありました。というのも品川、川崎が出来た時に当然お店に伺ったものの正直物足りなさを覚えたのです。客というのは自分勝手なもので、自分の好きなお店はあまり手広くやらずに小さく変わらぬ味でいて欲しいと思うものです。ですので、本店が移転リニューアルしたと聞いた時、がっかりしたくないなという思いが強く足を運んでいませんでした。

 しかし今回の箱根の旅の帰り道ふと「秦野中井」の表示を見て、なんつのことを思い出し行ってみようと思いました。11時閉店ギリギリの時間でしたがお店に滑り込むことが出来ました。新しい本店は僕が知っているお店よりも大きく立派でしたが、もっとスタイリッシュな雰囲気かと思いきや意外にも以前の本店同様、どことなく雑然としたラーメン屋的な雰囲気がありました。厨房には白いTシャツを着た店員さんが、ホールには黒いTシャツを着た女性店員さんが、それぞれ忙しそうに動いています。そして声掛けも元気で活気があり、店長さんの指示も的確でオペレーションも実にこなれています。接客も非常にレベルが高く、しっかりと教育がされている印象です。何を取っても過不足がなく適度に心地よい。こういうお店が地元に根付いて流行るのです。実際閉店間際の時間にも関わらず店内はほぼ満席。後からお客さんも切れずに入ってくるのですから。

Nantsum しかし問題は味。あの頃の味を維持出来ているのか、それとも味は落ちてしまったのか。そんな期待と不安を胸に、本店では本当に久し振りの「らーめん(写真)」(700円)をいただきました。目の前に出て来たラーメンを見た瞬間、自分がこれまで抱いて来た不安は杞憂であったと確信。美味いラーメンは見ただけで分かるものです。まずスープがいい。しっかりと濃度があってカエシも主張しすぎないバランスで、豚骨の旨味をちゃんと感じさせます。そして油分、粘度もしつこすぎない程度にあります。さらにマー油も強烈に主張し過ぎることなく、スープの旨味を殺さぬようにかつ自分の主張も忘れることなく存在しています。さらに自家製のストレート麺の持ち上げの良さ。食感も良く風味もある美味しい麺です。これもスープとのバランスが非常に良い。見た目ワイルドで味わいも強烈な豚骨ラーメンなのですが、細かい部分に神経が注がれたバランス重視のラーメンであると思いました。

 かつてのお店時代と比べて何よりも驚いたこと。それは明らかに完成度が上がりレベルアップしていたということです。得てして味の記憶は美化されて残りがちですが、かつての味が大好きだった僕が前よりも美味しいと思ったということ、しかもある程度こちらの舌も鍛えられているであろう中でレベルアップしていると感じたということは相当なことではないでしょうか。他の支店は今どうか分かりませんが、少なくとも本店は豚骨ナンバーワンと言われるだけのことはあると感じました。味も接客も雰囲気もしっかりしていて実にいいです。おそらくまたきっとこの店へ僕は足を運ぶでしょう。

 心の中でうまいぜベイビーと小さく呟き駐車場に戻った時、その駐車場の片隅の壁にかつてのお店の時にあった懐かしい看板が掲げられていてちょっと嬉しくなりました。

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Nantsu2ラーメン:なんつッ亭
神奈川県秦野市松原町1-2
0463-87-8081
11:30~23:00(LO)
不定休

Monday, 02 February 2009

博多一風堂クイーンズイースト店@みなとみらい

Ippudobつの頃からか、一風堂と言えばラーメン屋さんになってしまいました。僕らの世代では一風堂と言えば、やはり「すみれSeptember Love」を思い出すわけで、特に一風堂のメンバーが知り合いにいたということもあって、非常に馴染みの深いバンドでもありました※。あとはその一風堂の名前の由来にもなった渋谷のディスカウントストアも実に懐かしい。僕が一風堂に良く通ったのは中学から高校時代でしたが、あの頃は今のように100円ショップもドン・キホーテもありませんでしたから、こういうお店が大変重宝しました。買うのはレコードを録音するための生カセットテープ。今あの店はどうなっているのでしょうか。※追記:8日に一風堂のドラマー藤井章司さんが急逝されました。心から哀悼の意を表します。

 そして今では一風堂と言えばラーメン屋さん「博多一風堂」が真っ先に浮かぶようになりました。関東に住むラーメン好きからすれば、かつては「新横浜ラーメン博物館」でしか味わえなかったこのお店ですが、その後恵比寿に出店。今では関東エリアで14店舗、全国に30軒以上、昨年はニューヨーク店もオープンしています。ラーメン好きではなくても「一風堂」という名前は、今やラーメン店の名前として認知されているのではないでしょうか。

 一風堂を見ていて凄いなと感じるのは、これだけハイペースな出店ペースでありながら、すべて直営でやっているということ。FCではなくすべて本社直営でやっていながら30店以上の店を出して、それでいて味も接客も均一のレベルを保っているのはなかなか出来ることではありません。それは創業者である河原成美さんの思いを店長をはじめとする社員がしっかりと共有していることが大きいと思います。僕は河原さんとも何度となくご一緒して色々な話を聞いていますが、それと同じ話であったり熱い思いのようなものを、各店の店長さんたちも自分の考えとして取り込んでいて、僕に熱く語るわけです。単純なコピーではなく、しっかりと自分のものとして捉えている。そこに一風堂という組織の強さを感じます。

 さてラー博を卒業した今、一風堂は横浜に2軒の店を構えていますが、どちらも路面店ではなくテナントとして入っています。そのうちの一軒がみなとみらいにある「博多一風堂クイーンズイースト店」です。ここは、東急が手掛ける複合施設「クイーンズスクエア横浜」の一角にあるデパート「クイーンズイースト」の地下フードコート内にあります。フードコートとはいえ、それぞれのお店は個別に仕切られていますし、通常のお店と同様にテーブルで注文を取りサーブしてくれます。お昼時や週末などは行列が出来る人気ぶりです。

 昨年メニューを一新してラーメンが新しくなった一風堂。「赤丸新味」は「赤丸かさね味」になりました。「うまみ玉」という調味料が乗っていて、これを溶かすことで味が変わっていく仕掛けは、どことなく新しいメニューの「極新味」にも通じるところがあり、実に一風堂らしいと思います。そして8月に新たに加わったユニークなサイドメニューが「博多バンズ」(250円)です。その名の通りパンというかハンバーガーのような食べ物で、これはニューヨーク店で出しているチャーシューバーガーがヒントになっているそうです。オリーブオイルを生地に練り込んだフォッカチャに、チャーシューとレタスやキュウリを挟んであり、ソースの味はテリヤキ、明太マヨネーズ、スパイシー辛味噌の3種が用意されています。この日は基本と思われるテリヤキを選んでみました。

 表面はパリッとサクッとした食感でありながら、中はもっちりしなやかなフォッカチャが非常に美味しいです。この本格的なフォッカチャはなんと自家製。ラーメン屋さんでパンというのはちょっと意外ですが、実は一風堂を手掛ける「力の源カンパニー」は、博多でブーランジェリー「DAMES de FRANCE」も経営していて、そういう部分が一風堂にも活かされているのですね。そう言えば銀座店ではランチにパンを出していると聞きましたが、そんな常識に捕われない自由な発想が形になるのが実に一風堂的で、僕は好きなのですね。

 チャーシューは肉厚のバラ肉でしっかりとソースの味が染み込んでいます。そしてフォッカチャの内側にソースが染み込んでまたこれが美味しい。さらにこのフォッカチャをラーメンのスープに浸して食べてもまた美味しいのですね。香ばしい豚骨スープが甘みのあるフォッカチャと良く合っていて驚き。ラーメンとパン、これは一風堂でしか味わえないオリジナルな組み合わせでしょう。ほとんどの一風堂で提供されているメニューだそうですので、ぜひ一度お試しいただきたいと思います。

Ippudo■ラーメン:博多一風堂クイーンズイースト店
神奈川県横浜市西区みなとみらい2-3-2クイーンズイーストB1
045-227-6305
11:00~22:00
無休(クイーンズイーストに準じる)

Wednesday, 21 January 2009

つけめん玉@浜川崎

Gyokum年の夏にオープンしたばかりの新店「玉」ですが、オープン早々にラーメンフリークなどの支持を集め雑誌などにも掲載されあっと言う間に人気店となりました。場所はまず鉄道マニアしか知らないであろう「浜川崎」というマニアックな無人駅が最寄りになりますが、ただでさえ電車の便が悪い上にそこからも結構歩きますので、一般的には川崎からバスに乗るか、あるいは車を使うかが正しい選択でしょう。いずれにせよ、正直便の良い場所とは言えない場所にあります。

 しかし、そんな場所にも関わらずこちらのお店は開店前から行列が出来るほどの人気振りなのです。この日は少々出遅れて12時近くになっていましたが、行列はおよそ10名ほど。客席が10席なのでちょうど一回転、待ち時間にすると20分程度という目算でしょうか。僕が並んだ後さらに列は伸び、気がつけば20名以上になっていました。時折お店の方が外へ出て来て、行列に並んでいるうちに券売機で食券を求めるよう案内されます。これは事前にオーダーを通しておくことでスムーズに商品を提供出来、その結果お客さんが席に通されてから待つ時間が短縮され、さらには回転が良くなるというメリットのみならず、列に並んでいて待ち切れずに戦線離脱する客を防ぐ意味合いも込められている、行列店には非常に有効な作戦です。

 店名の「玉」というのがなかなかユニークです。看板に描かれたデザインからは「玉葱」を連想させますが、ご主人のお名前が玉川さんということでどうやらそこからの命名のようです。提灯にも「玉」の字が書かれていて覚えやすくインパクトのある店名だと思います。ちなみに「たま」ではなく「ぎょく」と読ませます。店名にも掲げられているように「つけめん(写真)」(750円)が看板メニューになります。基本の「つけめん」以外にも「辛いつけめん」や「インドのつけめん」などがあります。その他は「中華そば」のバリエーションとなります。

 カウンターに通されて数分でつけダレが先に、後から麺が到着しました。かなり太い麺ですから茹で時間も10分近くかかるでしょう。これがオーダー先通しの効果ですね。つけダレは見るからに濃厚な豚骨魚介系ですが、相当な粘度と濃度を持っていてどろっという形容が正しいように感じます。ソースと言ったら言い過ぎでしょうが、それに近いイメージを持ったつけダレです。しかし、つけダレは器の半分程度かそれ以下のラインとかなり少なめで、雑誌などの商品写真と較べるとかなり少なく感じます。決して足りないという量ではありませんが、これはちょっと少な過ぎるのではないでしょうか。つけダレは豚骨、鶏ガラベースでそこに鰹節や煮干しが加わっているようです。粘度と濃度があるわりにあまりしつこさを感じさせないのは、動物系のとろみだけではなく野菜なども使われているからではないかと思います。油分に頼っていない粘度の出し方なので、しつこさを感じることなく味わえます。魚粉のざらつきも残りますがそれほど違和感は感じません。化学調味料は不使用とのことでした。僕は無化調信者ではありませんが、使う必要がないなら使わなければ良いと思いますし、そういう意味ではこの味の構成では無くても十分成立すると思いました

 麺は平打気味のどっしりとした極太麺で、この質感はどこかで食べたことがあるなと思い出しながら食べていましたが、おそらく「三河屋製麺」の麺ではないでしょうか。適度なよじれが麺についていて、濃厚なつけダレと面白いくらいに絡みます。基本の麺の量で200gということですがスルスルとすぐなくなってしまいます。ちなみに中盛300gは無料で増量が可能です。麺をつけダレにくぐらせて、などという表現ではなく、麺をつけダレと絡めて和えて食べる、というような感じでしょうか。そんなわけでかなりしっかりと絡んで拾ってきますので、当然のことながらつけダレはすぐになくなります。何度も言いますが、決して足りないという量ではありませんが、もうちょっと入っていても罰は当たらない気がします。

 なかなか効果的だったのが卓上にあった薬味類。まず魚粉と共に刻み玉葱が置いてあるのは、刻み玉葱好きの僕にとっては大変ポイントが高いです。つけ麺の人気店「やすべえ」チックと言えばそうですが、濃厚なつけダレに刻み玉葱が実に合っていますし、店名の「玉」とも微妙にリンクしてなかなかいい感じです。また面白いのは「魚群」という醤油ダレ。かなり濃厚に魚出汁を詰めた醤油ダレが置いてあり、これは正直つけ麺よりもラーメンに効果的な気がしますが、つけダレに合わせてもつけダレが濃厚なので負けることはありませんでした。スープ割りをしたら野菜の甘さが引き出されてきました。

 確かにここ数年非常に多く目にするタイプのつけ麺ではあるのですが、濃厚豚骨魚介のつけダレに極太麺という今流行のパッケージを、この店なりに解釈して完成させた新しい味わいのつけ麺という印象を受けます。スピーディーなオペレーションもさることながら、店主のにこやかな接客も非常に好感が持てます。こういう部分でストレスのないお店はまず流行りますよね。新店らしい初々しさと新店らしからぬ安定感を兼ね備えた店、という印象でした。

Gyoku■ラーメン:つけめん玉
神奈川県川崎市川崎区追分町6-12
044-366-3155
平日 11:00~15:00,17:00~20:00
土祝 11:00~売り切れ次第で終了
日曜定休

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