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Tuesday, 07 April 2009

箱根茶寮椿山荘@小涌谷

Hczsn涌谷温泉と言えば温泉ホテルや温泉施設などが揃う「箱根小涌園」が有名ではないかと思いますが、この小涌園を運営しているのが「椿山荘」などでも知られる「藤田観光」という会社です。その会社のルーツとも言えるのが小涌園ですが、その小涌園敷地内ユネッサン散策ゾーンにて、小涌園創業当初の建物を使用している日本蕎麦店がこの「箱根茶寮椿山荘」です。ここは元々藤田家の別邸として大正時代に建てられた立派な庭園を持つ日本家屋で国登録有形文化財建造物。現在は「貴賓館」という名前がつけられて、小涌園一帯を見下ろす丘の上に山王神社という小さな神社と一緒にあります。

 入口で靴を脱いで大正時代の香りが残る建物の中へ。庭が見える広間をはじめすべての客席は背凭れの高い椅子とテーブルの席になっています。一瞬ミスマッチとも思える純和風建築の空間に並ぶテーブルの光景が逆に大正ロマンを彷彿とさせます。蕎麦は単品がなく、どのお蕎麦も先付けと甘味が付いて来ます。基本の蕎麦は「冷蕎麦」(1,800円)ですが、こちらのお店では天城産軍鶏を使った一品も人気ですので、軍鶏スープや軍鶏の炒め煮などが組み込まれた「特選会席大文字膳」(3,800円)をお薦めします。

Hczs01 コースとしては「先付け」「天城産軍鶏のスープ蕎麦の実仕立て」「山の幸のお造り三種盛」「天城産軍鶏の炒め煮」「箱根汲み豆腐サラダ」「筍の土佐煮と菜の花」「冷蕎麦(写真)」「甘味」となります。これだけ出てきて3,800円というのはなかなかのコストパフォーマンスではないでしょうか。肝心のお蕎麦ですが、まずその艶やかで美しい表情に魅せられます。こちらのお蕎麦は北海道北竜町の蕎麦を使用しているそうですが、盛りは結構多めでしっかりと水で締められた食感の良いお蕎麦です。割合としては確認しませんでしたが、二八ではないでしょうか。また星はほとんど見えません。そばつゆは醤油の強い辛めのつゆで香りが良いです。なお、こちらのお蕎麦には薬味と共に生山葵が一本ついてくるのも嬉しいです。安土桃山時代の陶工にして楽焼の祖としても名高い長次郎作の鮫皮おろしと共に供される山葵を、円を描くようにおろして蕎麦につけてすすります。山葵と蕎麦の香りが鼻腔を抜けて至福の時に包まれます。

Hczs02 またこちらでもう一つお薦めしたいのが「箱根山天ざる」(2,000円)です。こちらは「よもぎ蕎麦(写真)」「野菜天」が一緒になった一品。この野菜天はその季節の旬の野菜を使っており、今の時期では春野菜で箱根の山で採れた山菜や筍などがたっぷり入っていました。天つゆは付いて来ずに塩でいただきますが、どの素材も旬の味がしっかりと出ていますので塩すらも要らないくらいでした。お蕎麦はよもぎがたっぷりと練り込まれていて、よもぎ独特の風味が香る山を感じさせるお蕎麦です。食感は田舎蕎麦のような食感とでも言いましょうか、食感に多少クセがありますが喉越しも良くなかなか後を引くお蕎麦です。箱根の暖かな春の日差しの中で、窓から見える庭園を眺めながら、春の息吹が感じられる天婦羅と一緒に味わうとまた格別です。温泉とセットでぜひ行ってみて下さい。

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Hczs_2蕎麦:箱根茶寮椿山荘
神奈川県足柄下郡箱根町二ノ平1297
0460-82-8050
11:00〜18:00(LO17:30)
無休

Wednesday, 25 March 2009

蕎麦奉行@茂原

Bugyom原に創業したのが昭和53年と言いますから、30年以上にわたる人気の蕎麦店がこちら「蕎麦奉行」です。それでありながら実は今回が初訪です。理由にはいくつかあって、まず茂原という街はプライベートで来ることがほとんどない街であるということが挙げられます。仕事で来る場合の大半は飲食店の取材であったり、ラーメン店の試作であったり。仮に仕事でなかったとしてもラーメンを食べに来ることがほとんどなので、それ以外に何かを食べるというお腹の余裕がないのです。

 またもう一つの理由としては、外観がかなりの大箱で正直美味い蕎麦を出しそうな雰囲気がないのです。蕎麦店というよりも和食のファミリーレストランのような雰囲気でスルーしていたこともありました。この日は茂原に所用があり昼食に蕎麦を食べたくなりこの店を思い出し来てみました。水曜ではなかったらきっと「じつかわ」に行っていたかも知れませんが、水曜はじつかわの定休日。というわけでこちらへ寄せて頂きましたが、何事も喰わず嫌いはいけないというか、やはり一度は行かなければいけないということを再認識しました。こちらのお店は見た目と違い、実に本格的なお蕎麦を出しておりました。

 門構えは実に立派です。しかし入口の自動ドアで一瞬テンションが下がるのですが、入るとすぐに蕎麦打ち場がありちょうど水回しをやっており期待感が高まります。入口で履物を脱いで板張りの店に入ります。店内はかなりの大きさ天井が高い吹き抜けの空間には大きな醤油樽が飾られていて、その下にテーブル席、掘りごたつ的な席もあり、さらにはいくつか小さな中庭を望める座敷の個室も用意されていました。その中庭には池があって合鴨がたたずんでいます。

 メニューはもっと色々と和食メニューもあるのかと思っていましたが、蕎麦が主軸のしっかり蕎麦屋のメニューになっていました。この日いただいたのは先輩諸兄が勧める「桜海老と玉葱の天そば(写真)」(1,680円)。白くて艶やかな蕎麦の横には、大きな桜海老と玉葱の掻き揚げ。季節柄ふきのとうの天婦羅も添えてありました。蕎麦は石臼挽き自家製粉による二八で若干風味に乏しいところもありますがしっかりと冷えて喉越しも良く美味しい蕎麦です。つゆは甘めでまろやかな味わいで角がありません。そして大きな掻き揚げは非常に風味がよく、油切れもしっかりされていてしつこさがありません。天つゆの他に塩、レモンも添えてあり二種類の味が楽しめるのも嬉しいです。個人的には塩とレモンで食べるのが桜海老の風味が引き立って圧倒的に美味しかった。この掻き揚げの天丼もきっと美味しいでしょう。また蕎麦湯は蕎麦粉を溶かしてあるとろっとしたもので、マイルドなつゆがさらに柔らかになりました。

 一品料理などもそばがきや板わさ、出汁巻玉子と蕎麦屋の一品をしっかりと揃えており、蕎麦屋の基本を外していないお店でした。接客もしっかりとしておりストレスは一切ないので、地元の家族連れを中心に多くの人に愛されているのも分かります。普段使いも特別な時にも使える便利なお店ではないかと思います。いい蕎麦を出していながら混んでいてもすっと入れる箱の大きさもいいものです。やはりお店は一度は足を運ばなければ分からないものですね。また別のメニューを食べに来てみたいと思わせるお店でした。

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Bugyo蕎麦:蕎麦奉行
千葉県茂原市下永吉293-1
0120-07-3833
11:00~21:00
月曜定休

Monday, 23 March 2009

三朝庵@早稲田

Shokken稲田大学から早稲田通りに向かい南に降りていった馬場下町の交差点にある老舗蕎麦店が「三朝庵」です。失礼を承知で言えば、一見どこにでもある町の蕎麦屋とでも言いましょうか、あまり美味しそうなオーラを見せる店ではないのですが、こちらは江戸時代から続く老舗中の老舗で、かつてこの周辺には紀州徳川家の下屋敷があり、明治に入ってからは大隈重信により東京専門学校(現早稲田大学)が作られ、その間長年ずっと人気を保ち続けているというのは、それだけでもう立派なわけです。店の入り口脇には小さくかつ堂々と「元大隈家御用 元近衛騎兵連隊御用」との文字が掲げられています。

 店内は外からイメージするよりもかなり広々としており、整然と机がずらっと並べられています。昔からある人気の蕎麦屋はたいてい箱も大きく、どこか素っ気ないイメージです。こちらは入ってすぐ脇に食券を買う場所があります。昨今の券売機などという味気ないものではなく、人が対面式で売る食券。昔の食堂は皆そうでした。さすがに硬券ではありませんが、この食券売り場の雑然とした雰囲気は非常に懐かしくわくわくしてきます。しかし空いている時などは先に席に着くと注文を聞きに来てくれて、後からお金を払うこともあります。杓子定規じゃなく柔軟に対応してこそ接客業だということをあらためて感じます。

 窓側の席に座ると待っている間に読むための雑誌が置かれています。これはどこの飲食店にもある光景ではありますが、こちらには「文藝春秋」や「諸君」などが普通に置いてあるのです。間違っても漫画雑誌などではない。そこらへんがさすが学生街の蕎麦店とでもいいましょうか、どことなくカルチェ・ラタンのカフェをも想起させる雰囲気がたまりません。

Sanchoanm こちらで食べるのは「カレー南蛮(写真)」(780円)と昔から決まっています。そばとうどんが選べますがうどんで。つまりは「カレーうどん」ということになり、食券も「カレーうどん」と書かれたものを手渡されます。なぜ蕎麦屋なのにカレーうどんなのかと言えば、それは一説によるとこの三朝庵がカレーうどん発祥の店、と言われているからです。その年は明治37年と言いますから、今からもう百年以上も前の話です。日本のラーメン発祥の店と言われている浅草「來々軒」の創業が明治43年ですから、カレーうどんはラーメンよりも歴史が古い食べ物だということになります。数年前カレーラーメンがブームになった時に二大国民食のコラボレーションなどと話題になりましたが、明治時代のお蕎麦屋さんは百年以上も前にすでにそれをやっていたのですね。ちなみにこちらは「カツ丼発祥の店」とも言われていたりします。

 そんな三朝庵の元祖カレーうどんは、小さな丼になみなみとおつゆが入ったビジュアルにまずそそられます。しっかりと和出汁を感じさせ、まろやかな甘味もあり、ちょっとスパイシーな味わいのカレーつゆ。具は豚バラ肉に玉葱とシンプルです。うどんは昨今流行っている讃岐系のコシのあるものではなく、柔らかめに茹で上げられたうどん。しかしどっしりとした食感は非常に満足感があります。薬味の刻み葱が別添えになっているのが良いです。肉も玉葱もすべて褐色になってしまった丼に乗せられる真っ白い葱は、単調で飽きて来た頃にさっと入れることで見た目でも味でもいいアクセントになります。そしてこちらでは蕎麦湯も出て来ます。うどんですが蕎麦湯。これを最後に丼に注ぐことで、また違った味わいを楽しむことが出来るのです。

 歴史のある町に佇む老舗で味わう、これまた歴史のある逸品。他にも色々メニューがあるのですが、僕はいつでもカレーうどん。僕にとって三朝庵はカレーうどんを食べる店、なのです。

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Sanchoan■蕎麦:三朝庵
東京都新宿区馬場下町62
03-3203-6218
11:00〜17:00※売切れ次第終了
木曜定休

Thursday, 05 March 2009

手打そば茶屋九拾九坊@君津

99cat日の木更津に引き続きこの日も内房で蕎麦を楽しみました。館山道君津インターから程近い、住宅街の一角にひっそりと佇む古い日本家屋。江戸時代に立てられたという古民家とその庭がある敷地に一歩入るとどことなく田舎の家に戻って来たような雰囲気になります。囲炉裏なども置かれた趣深い庵で美味しい手打ち蕎麦を味わえる人気の店がこの「手打そば茶屋九拾九坊」です。入口で日本猫のお出迎えを受けて、いざ店の中へ。

 こちらのお店はいつ来ても駐車場がいっぱいで、お昼時ともなれば外に行列が出来るほどの人気店。この日は昼の時間を外しましたのですぐに入ることが出来ました。こちらのお蕎麦は庭から湧き出ている鹿野山の伏流水を使って打つお蕎麦。キリッと冷水で締めた冷たい蕎麦は、石臼粗挽きの粉をブレンドしてちょっと粗野な香りも立つ、硬めで歯切れの良い食感が心地よい細切りで、つゆをつけずにそのまま啜っても風味良く大変美味しいです。

99m こちらの看板メニューは何といっても一匹30センチはあろうかという大きな富津産穴子をまるまる使った大きな「穴子天婦羅」なのですが、この日はここへ来る前に一軒ラーメン屋さんに寄っていたこともあり、ボリューム満点の穴子天婦羅は厳しいかなとシンプルに「天せいろ(写真)」(1,500円)をいただきました。お腹がいっぱいでも天婦羅を食べるあたりが痩せない理由のような気がしますが、こちらのお店ではやはり天婦羅は欠かせないのです。

 ご主人の小榑さんは中華の名店「銀座アスター」を経て独立、君津市内で30年以上にわたり「胡弓飯店」という人気中華料理店を営んでいた方。中華歴数十年のベテラン職人ですから油使いはお手の物。完璧に油と種の状態を見切った天婦羅はとても食感が心地よく、サクッとしていてしつこさがない食べやすい天婦羅なのです。その中華店を営みながら、自分の生家であるこの日本家屋を使って趣味で始めたのがこの蕎麦店なのだそうですが、今では本業以上にのめり込んでしまい、中華店は閉めて蕎麦一本で取り組まれています。

 蕎麦も天婦羅も堪能し蕎麦湯を啜っていたところ、奥からご主人が出て来られました。そして僕の顔を見て「山路さんですよね」と話しかけてきて下さいました。何でも食べ歩きが大好きでラーメンも食べ歩きされているそうで、僕のラーメン本をいつも車に入れて下さっているとのこと。ちょうどお店も暇な時間に入ったようで、お蕎麦についての想いやお店のことなどを熱く語って下さいました。こういう時間が持てるというのは本当に楽しく、そしてありがたいことです。

99tem そして最後に「良かったら食べていってよ」と、名物の「穴子天婦羅(写真)」(1,050円)をサービスして下さいました。正直なところお腹いっぱいで食べられるかなと思いましたが、軽くてサクッと食べられてしまうのです。身もしっかりとある甘味ある美味しい穴子の天婦羅と春らしい蕗の薹の天婦羅は、ヒマラヤ産の岩塩「紅塩」とレモンでいただきます。ミネラルが豊富な塩は優しい甘みがあり、穴子の美味しさを引き立てます。そして何よりも美味しさを閉じ込めているご主人の技。食べやすく切ってあるのも嬉しい限り。得てしてこの手の大きな天婦羅は見た目同様に大味で粗雑な感じのものが多いものですが、こちらの場合は見た目に反して上品で繊細。この天婦羅は誰もが美味しいと思うのではないでしょうか。ご馳走していただいたから言うわけではありませんが、この穴子天はぜひ食べていただきたい逸品です。単品で頼めますので数人で行って一つ頼んで分けて食べてもいいと思います。

 温かみのあるご主人夫妻の人柄も人気の秘密でしょう。ご主人が忙しい時は奥様が代わりに来て色々とまたお話くださいました。そして来るすべての人に声をかける。地元のお客さんはもちろんのこと、芸能人やスポーツ選手も数多く足を運ぶ、知る人ぞ知る君津の名店です。

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99蕎麦:手打そば茶屋九拾九坊
千葉県君津市内箕輪1-14-30
0439-52-4199
11:00~21:00
水曜定休

Wednesday, 25 February 2009

蕎麦香房むさしや@木更津

Musashinom更津駅から車で10分。一面に広がる新興住宅地は請西(じょうざい)というエリアで、かつては「請西藩」として知られ、藩主の林忠崇は昭和時代まで生きた「最後の大名」として知られる人物でした。そんな歴史を持つ新興住宅街の一角に佇むセンスの良いお蕎麦屋さんが「蕎麦香房むさしや」です。以前から宿題店リストに入っていたお店ですが、ようやくこの日足を運ぶことが出来ました。

 天井の高い開放感のある店内は、大きな一枚板のテーブルが印象的で、落ち着きがある雰囲気です。テーブルの他にもカウンターや小上がり席もあります。またアップライトピアノも置かれていてお蕎麦屋さんというイメージよりは、喫茶店のようでもあります。また入り口から店内、トイレにいたるまで全面バリアフリー。土地柄年輩のお客さんも多いのでしょうか、非常に使いやすい空間になっています。開店とほぼ同時にお邪魔しましたが平日かつ雨が降っているにもかかわらず次々とお客さんが入ってきます。地元でしっかりと根付いている人気店のようです。

 創業は2001年で、こちらのご主人はかの黒澤明監督の娘さんが料理などの監修を務める人気店「永田町黒澤」の出身とのこと。名店仕込みのお蕎麦を安く美味しく提供したいというコンセプトのようです。冷たいおそばは「もり」(600円)「ざる」(700円)に「温泉玉子そば」(770円)「おろしそば」(980円)などが並び、温かいものも「かけ」(620円)「花巻そば」(790円)「生ゆばそば」(1,000円)などが豊富に揃います。地域柄もあるとは思いますが、どれも非常にリーズナブルな価格帯に収まっています。刻み海苔は地元木更津産の海苔を使用しているとの文章もありました。

 この日いただいたのは「天もりそば(写真)」(1,370円)。まず付け出しのように豆腐が出て来ます。七味や醤油などで味わっているとほどなくしてお蕎麦が登場です。艶やかでキリッとした表情のお蕎麦はかなり細め。しっかりと水で締められていて蕎麦も冷えていて、食感もすこぶるよく鼻に抜ける香りも豊かです。そして細いながらもコシがしっかりとあり喉越しも申し分ありません。表面は若干ざらついていて、口の中で心地よく踊ります。そして量もそこそこあって、いわゆる江戸っ子からすれば無粋な蕎麦ということになるのかも知れませんが、お蕎麦でしっかり満足したいという普通の人にとっては嬉しい分量です。甘めのつゆは化学調味料不使用、鰹と昆布の旨味がしっかりと出ていてこの蕎麦に合っています。薬味は刻み葱と山葵。天婦羅は中くらいの大きさの海老一本に、厚めに切った南瓜、茄子、パプリカなどが乗り、こちらも分量的には十分です。衣は厚めで胡麻油のほんわりとした香りが食欲をそそります。衣は厚めでパリッとしていて美味しい天婦羅でした。蕎麦湯は少々溶いているのでしょう、開店して間もない時間でしたが若干とろみのついたものでした。

 出汁巻き玉子や味噌豆腐など、蕎麦屋のつまみも充実しているようで、お酒と共に楽しむのも一興でしょう。一人でも家族連れでも楽しめる佳店だと思います。

Musashino蕎麦:蕎麦香房むさしや
千葉県木更津市請西東5-23-1
0438-37-6348
平日 11:30~14:30(入店),17:00~20:00(入店)※蕎麦切れで終了
火曜定休

Friday, 23 January 2009

吟そば凛@勝浦

Rinnaikan房にある勝浦市は、安土桃山時代から続く朝市で有名な港町。特に鰹の水揚げでは全国レベルの水揚げを誇ります。また海水浴などでも県内外から多く人が訪れることで知られ、中でも鵜原・守谷海岸は「日本の渚百選」に選ばれるほどの美しさです。あとは「かつうら海中公園」には東洋一の規模を誇るという「海中展望塔」があり、実際の外房の海の中の様子が見られます。

 そうなるとイメージ的に勝浦と言えば当然海の町、ということになるのでしょうが、この町をよく知る人やこの町を何度も訪れる人のイメージでは、多分に山の町と思うのではないでしょうか。何しろ海の部分は漁港や海岸の一部でしかなく、あとは房総丘陵の山間部がこの市の主要エリアとなります。内房方面から勝浦に入る時には大多喜街道経由で来るのが一般的ですが、その場合は完全な山道行となります。ラーメン好きの方には「勝浦式タンタンメン」というこの地域独自の担々麺が知られていますが、勝浦一の人気店である「はらだ」も山中のエリアにあります。

 そんな大多喜側から入れば勝浦の入り口にある杉戸地区に、昨年夏、素敵なお蕎麦屋さんが出来ました。それが「吟そば凛」です。森の中にひっそりと建つ洋館。このお店を一目見てお蕎麦屋さんだと分かる人は皆無なのではないでしょうか。無論店の近くまで行けば「石臼挽きあらびき蕎麦」の文字が見えるので分かりますが、その看板を見なければまるでカフェかレストランのような雰囲気です。聞けばヨーロッパの田舎をイメージした佇まいにこだわったとのこと。吹き抜けのある開放的な店内。白塗りの壁に木の質感を活かしたインテリアには温もりを感じます。その店の雰囲気同様に、温和な表情が印象的なご主人が出迎えてくれます。テーブルなどもご主人が手作りで作られたのだそう。蕎麦屋だと言われてもまだレストランなのではないかと思ってしまいます。店の裏手には勝浦の山々の景色が広がります。これは港町勝浦のイメージではなく、やはり山のある町勝浦の表情ですね。

 スローフードをイメージしているこちらのメニューは、そのすべてが簡単なコース仕立てになっています。お蕎麦に200円〜300円の+で「スープ」もしくは「前菜」の他、「デザート」「飲み物」がついてきます。例えば基本の「あら挽き吟せいろ」だと単品で1,000円、コースだと1,300円といった具合です。この勝浦の山間部で正直強気の価格設定と思わなくもありませんが、店舗やメニューの洒脱な様を考えると強ち高いとも言い切れません。また単品で考えると少々割高になるのでしょうが、前菜から始めて食後の珈琲までゆったりと過ごして欲しいというコンセプトを楽しむ上で、そのコースが1,500円ということであれば決して高くはないでしょう。またこの他にも予約制で3,000円前後のコースが2種類用意されています。これはグループなどで会食を楽しむのにいいかも知れません。

Rinm さて肝心のお蕎麦ですがこの日は「みぞれたっぷりあら挽きそば(写真)」(単品1,200円 コース1,500円)を頂きました。蕎麦つゆは冷温いずれかが選べますが冷たい方でお願いしました。またこのメニューはたっぷりのみぞれ(大根おろし)がそばつゆに入るのですが、無理を言って器をもう一つ用意していただきました。こうすることでみぞれ入りとみぞれ無しの両方が楽しめる寸法です。薬味は胡麻と2種類のネギで、胡麻は小さな胡麻擂りがついてきますのでそれを擂りながら蕎麦が来るのを待ちます。こうやって只管に胡麻を擂っていると何だか無性にトンカツが食べたくなってしまうのは哀しい性と言いますか、身体に染み付いた哀しい習性なのでしょう。

 ほどなくして出て来たお蕎麦は新蕎麦の艶やかで深い色合いが印象的な綺麗なお蕎麦です。しっかりと水で締められていて、それでいて瑞々しさも残っています。石臼で粗めに挽いているので風味が強く残っています。それでいて引っかかりはなく滑らかで、身の詰まった食感になっており、香りよく喉越しも良いです。割合は外二。産地は北海道上川町で現地の製粉会社による石臼挽き粉のオリジナルブレンドとのことでした。メーカーまでは伺いませんでしたが、上川というとラーメン好きからすると「旭川製麺」を思い出しますが、その親会社である「土開製粉」は老舗の蕎麦粉メーカーですので、もしかしたらこちらの蕎麦粉を使用しているのかもしれません。その中でもおそらく蟻巣石を使った大きな石臼で熱を加えずに挽いた粉ではないかと思います。

 蕎麦つゆはカエシの角が取れてまろやかな味わいで、旨味を多分に含んだ少々甘汁寄りで軽めのテイストです。たっぷりの大根おろしは当然辛味大根ではなく普通の大根。そこに若布も入っています。甘めのつゆを吸い込んだみぞれと共に啜るも良し。別に用意して貰った器ですっきりと蕎麦つゆだけの味で楽しむも良し。当然カエシは変えているのでしょうが、このカエシの方向性としっかりとした食感のお蕎麦を頂いた限りでは、温かいお蕎麦もなかなか良いのではないかと思わせます。

 しかし何よりもやはりこの雰囲気。純和風の趣ある庵で味わう蕎麦はもちろん格別ですが、こういうスタイリッシュな欧風なお店で味わう蕎麦もまた良いものです。ご主人曰く女性に楽しんでもらえるようなお店作りを心がけたとのこと。確かにここならば女性を連れて来たらポイントが上がりそうです。またカウンターからテーブル、個室なども用意されていますので、彼女との一時のみならず家族連れなどでも使い勝手が良さそうです。千葉市内からは車でおよそ1時間ほどではありますが、ドライブがてら立ち寄っていただきたいお店です。

Rin蕎麦:吟そば凛
千葉県勝浦市杉戸1459-1
0470-77-1898
平日 11:30~14:30,17:00~21:00(20:30LO)
土日 11:30~21:00(20:30LO)
月曜定休(祝の場合は翌休)

Wednesday, 07 January 2009

初音庵@成田

1045843929_139になって蕎麦が美味しい季節になって来ました。秋こそ新蕎麦の季節、などとおっしゃる方もいらっしゃいますが、やはり秋に収穫した新蕎麦が美味しくなってくるのは冬の今の時期。大晦日の年越し蕎麦から美味しくなっていく、というのはよくお蕎麦屋さんが口にすることです。味はもちろん香りもよく色もよく。考えるだけでもわくわくしてきます。今、蕎麦が美味いですよ。さぁ、蕎麦を喰いに行きましょう。

 千葉には美味しいお蕎麦屋さんが数多くあります。昨年秋には千葉ウォーカー初となる蕎麦特集を自ら企画し取材執筆しましたが、あまりにもいいお店が多いので掲載店を選ぶのが本当に苦労するほどでした。その時の特集でも取材でお世話になったお店で、僕が大好きなお店の一つが成田にある「初音庵」というお店です。こちらは成田とは言っても市街地から離れた場所にあり、利根川が程近い場所の山の中にあります。竹林の中にたたずむ、茅葺き屋根の築200年とも言われる古民家がお店で、その風情はまさに「雀のお宿」。先代はこの竹林に来た人たちをもてなす場としてこの庵を立ち上げたのだそう。この雰囲気を味わうだけでも行く価値があるお店です。

 神田やぶの流れを汲むこちらのお店。「霧下そば本家」の蕎麦粉を使い二八で打つ蕎麦は、中太で均一に切られた表面が艶やかで美しいです。瑞々しく香りも高く喉越しがいい蕎麦は量も多く、上品な蕎麦屋で物足りずにかと言ってお替わりを頼むのは江戸っ子的にいかがなものか、などという余計な心配が一切不要です。甘みが立ちながら辛さもある濃い口のそばつゆが力強く蕎麦を受け止めます。「もりそば(写真)」(735円)だけでも十分満足出来ますし、天婦羅もまた一級品ですし、種ものをいただくもよし、うちわ焼きなどの一品ものをいただくもよし。お酒を飲まない僕でもついつい長居をしたくなるお店なのです。

 二代目の大場さんご夫妻はいつも温かい笑顔で出迎えて下さいます。二人のご子息も明るくて元気でいい子です。小学生のお兄ちゃんはラーメン好きで、成田市内はもちろんのこと千葉や柏にまでラーメンを食べに行くという強者です。こういう温かみのあるご家族が営むお店で、しかも古くからある温もりが感じられる庵で味わう一級品の蕎麦は、それはもう格別の美味さです。今年の初蕎麦をいいお店でいただくことが出来ました。

1045843929_57■蕎麦:初音庵
千葉県成田市竜台306
0476-37-0924
11:30~16:00(LO)木曜は別メニュー
水曜定休

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