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Saturday, 31 January 2009

日々飯菜ひきだし@海浜幕張

Hikidashim浜幕張の一角に広がる住宅街「幕張ベイタウン」。千葉県内では新浦安と共に非常に人気の高い住宅街です。この街には1995年の街開きと同時に移り住み、今でも親が住んでいることもあって、非常に馴染みが深い街でもあります。当初はパティオスと呼ばれるマンション群6棟しかありませんでしたが、今ではタワーマンションなども建ち並び街の景色も随分と変わりました。それに伴い当初は少なかったお店なども徐々に増えてきています。

 しかしながら飲食店のラインナップはというと、ベイタウンという街の規模の割には充実していないというのが率直な印象です。もちろんそんな中でもいくつかはお洒落でセンスのあるお店もあり、また隣接するホテル群に行けば一通りのしっかりした食事は食べられますので、いざという時にはまったく困ることはありません。ただ逆に普段使いで気軽にパッと入れる店となると、なかなか少ないのが現状でもあるかと思います。

 そんな幕張ベイタウンに昨年夏にオープンした創作和食の店「ひきだし」は、気軽に美味しい料理が楽しめる、普段使いが出来そうなお店です。場所はベイタウンの中心部、最初に出来たパティオス6棟のうちの一つ「パティオス2番街」。お洒落な街並に合ったファサードが印象的です。店内は照明が明るく設定されており、白を基調にまとめられていて実に開放的で明るい印象です。オープンキッチンに面したカウンターは広々としていて、席間もかなり贅沢にゆったりと取られています。壁側がソファタイプの4卓あるテーブル席も座りやすそうです。スタイリッシュでクールな雰囲気でありながら、多くの日本酒や焼酎の瓶が並べられていたり、蔵元から貰った前掛けなどが飾られているので、クールさにどことなく温かみも併せ持った空間に仕上がっています。

 週末の夜ということもありましたが、テーブルなどは予約でいっぱいで、飛び込みでなんとかカウンターに座ることが出来ました。週末などは予約をしておいた方が無難かも知れません。キッチンには3人いましたがうち1人はドリンカーでしょうか、シェフとその助手のような2人が処狭しと動き回っています。このシェフと思しき人の機敏な動きとスタッフへの的確な指示がお見事です。他にホールが3名ほどで回しており、ちょっとホールが手薄かなとも思いましたが、すべての客席がキッチンスタッフからも見渡せますし、これくらいのキャパシティには十分の配置ではないかと思います。ホールスタッフのテーブルウォッチとメニュー説明にやや難がありましたが、取り皿の交換などもマメに入りますし、全般的にはそれほどのストレスもなくサービス出来ていると思います。またこれはわざとなのでしょうが、店内に流れているBGMのヴォリュームが非常に小さく、その結果キッチンで揚げている油の音であったり調理の音、厨房での声かけなどがよく聞こえてきてライヴ感があります。

 グランドメニュー自体はそれほど多くありません。煮物は牛筋の煮込みや角煮など2品ほど。焼物は豚カルビやエイヒレの炙りなど4品。揚物は天婦羅、唐揚げ、さつま揚げなど5品。他は炒め物などやおにぎりなどが並びます。基本的にこういうお店ではいくつもお皿を頼んで、シェアしながらだらだらと食べるのがお約束になっています。この日も都合7〜8皿頼みましたが、その中でもなかなか良かったのはお店もイチオシという「豚のトロトロ角煮」(650円)「海老マヨちゃん(写真)」(650円)、それと「アボカドの香草パン粉焼き」(550円)などでしょうか。角煮は柔らかく煮込まれていて箸で持てないほど。海老マヨは中華というよりも和風よりの味付けがご飯に合います。香草の風味が立ちカリッとした食感のアボカドは自宅で再現してみたくなりました。どれもポーションが小さめで価格が安いので僕のような食べ方をする人間には実に都合がいいです。いわゆる前菜的なものから一品まで一通りがありますし、日替わりのいわゆる黒板メニューもありますので、過不足はないのですが、選ぶ楽しさを考えるとグランドメニューはもう少し数があってもいいかなとは思います。

 しかしその日によって変わる日替わりの刺身や煮魚などの魚たちには、なかなかの品揃えを感じました。この日の刺身は「小名浜平目」(800円)「鹿児島カンパチ」(780円)「愛媛真鯛」(750円)など6種類、他には「下北半島赤めばる煮」(1,250円)「愛知めひかり一夜干し」(550円)などがありました。カンパチも真鯛も身がしっかりとしていて美味しかったです。またお酒は日本酒、焼酎をそれぞれ十種類以上揃えていて、日替わりのものもいくつか用意されているようです。この日は日本酒なら「天吹愛山(佐賀)」(1,000円)「三十六人衆(山形)」(900円)など、焼酎だと「喜(七七七)六(黒木本店)」(600円)「海(大海酒造)」(580円)などがありました。

 いわゆる居酒屋的なダイニングバーのようなお店ですので、店に入るまでは正直料理のレベルはどんなものかと訝しく思っていましたがそれは杞憂に終わりました。この日は8皿程度しか食べていませんが、それらを食べた限りでは一皿一皿に対する作り手の意識の高さを感じます。食器の選び方も悪くないですし、500円だの600円などという低価格な料理にも関わらず、盛りつけがどのメニューも美しく、よく勉強しているなぁと思います。ランチも主婦層の間で好評とのことですがこの盛りつけで出しているのならばそれも頷けます。敢えて苦言を呈すれば出て来た水が不味かったことでしょうか。そこだけは少々残念ではありました。

 しかし全般的にはこの価格帯でこの味と接客であれば、十分満足出来るお店でありました。そしてやはり前述しましたがシェフの動きが実に良く、そういうお店はまず外すことがないということを再確認しました。キッチンのみならずホールにも目がしっかりと行き届いていて、調理のスピードも実に早いです。これだけの席数があれば、やはりキッチンはドタバタするかと思うのですが、オーダー順にこだわらずに取りかかるオペレーションでオーダーミスや乱れもほとんどありませんでした。なによりもオーダーしたものがスッと出て来て、しかも熱々のものを提供してくれるのは飲食店として当然のこととは言え、こういうタイプのお店でそれがしっかり出来ているというのはなかなかないと思います。

Hikidashi■創作和食:日々飯菜ひきだし
千葉市美浜区打瀬2-3-103
043-211-5519
11:30~14:00(13:30LO),18:00~23:00(21:30LO)
水曜定休

Friday, 30 January 2009

麺工房なめき@千葉

Namekim年の暮れ、千葉神社の近くにオープンした新店がこの「麺工房なめき」です。最寄り駅としてはおそらくモノレールの葭川公園駅になるのでしょうが、千葉駅からでも十分徒歩圏内です。かつてはチェーンのラーメン店があった場所で、表通りからはちょっと外れた目立たない場所にあります。昨年暮れから今年に入ってずっとプレオープンと言って営業していたのですが、なかなか足を運ぶタイミングが合わず行けずにいました。しかしちょうどこの日がグランドオープンとのことでしたので、その初日に足を運んでみました。お店の外には花環が置かれて、スタッフの方が忙しそうに出たり入ったりしています。

 店の外観は大手コンサル系の看板や外観を真似て作ったのでしょうか、手書きの文字やメニューの絵などが書かれているのですが、正直あまり見栄えも美しくなく食指が動かないファサードです。しかし店内に入ると、清潔感にあふれ活気があります。入口のあたりから店内にかけて、様々な野菜が置かれていて100円などで販売されています。さらに店の奥には小さなサラダバーがあったりもします。ラーメン屋さんで野菜を売っていたり、サラダバーがあったりというのは、あまり見た事がない珍しい光景ではないかと思いますが、こちらのお店を経営しているのが稲毛区にある「行木農場」という会社なのだと聞けば成る程と思います。なぜそのような会社がラーメン店をやろうと思ったのかは分かりませんが。

 プレオープン期間を1ヶ月やっていたということもあるのでしょう、ホールの方達の接客や動きがいいです。挨拶や声掛けも元気があって実に気持ちがいいです。店内は奥に厨房があり壁に向いて右と左にカウンター席、中央部分に大きなテーブル席がカウンター代わりのようにあります。お昼時を外した時間に伺いましたが、ほぼ満席状態になっていました。グランドオープンということもあって、もしかしたらフライヤーなどを撒いているのかも知れません。

 卓上に置かれたメニューに目をやると、やはりこちらも手書きのラーメンの絵が描かれています。大手コンサル系の看板やメニューも正直まったく良いと思わないのですが、それに輪をかけてこちらの絵はいただけません。イラストカットとして手書きの絵があるのは一向に構わないと思いますが、メニュー写真の代わりに絵、というのはどうにも。かつてあるファミレスがメニューをすべてイラストに変えて、あまりにも不評で2ヶ月程で引っ込めたことがありますが、やはりメニューとして見た場合にその商品がどのようなものかがはっきりと分からないのは問題です。そういう意味ではラーメン屋さんのメニューのイラストというのもあまりいいとは思わないんですよね。そしてどのようなものか云々はさておき、そもそも美味しそうに見えないというのが問題です。こちらのメニューも色使い含めてどうにも美味しそうに見えません。これは写真に変えた方がいいように思います。

 さて、そんなちょっと見辛いメニューではありますが、ラーメンの種類としては4種類です。看板メニューであろう「農場らーめん野菜しお(写真)」(680円)に「焙煎黒マー油とんこつ」(780円)と「北の大地蔵出し味噌」(680円)「香味吟醸醤油」(630円)の4種類。農場らーめんはさておき、他の3種類はどれもどこかのお店で見たようなキーワードが並ぶメニュー名です。この店ならでは、というところではやはり「ミニサラダバー」(150円)でしょう。数種類の生野菜にイチゴがサラダバーに置かれていました。イチゴは1回限りと書かれていましたが、あとは何度でもお代わり自由です。

 注文したのはもちろん基本の「農場らーめん野菜しお」。まず出て来たそのラーメンのビジュアルに思わず拍手喝采です。これはどう見てもラーメンではなくサラダです。ラーメンの上に水菜やルッコラなどの生野菜数種類がたっぷりと乗っています。どの生野菜も強い味を持つ美味しい野菜でした。そしてその下には湯がいたキャベツやモヤシ、ニンジンなどの野菜が入っています。シャキシャキしたサラダのような食感もありつつ、茹でた野菜の甘みも感じつつ。この生野菜と火を通した野菜の両方が乗っているというのが実にいいです。

 そしてその野菜を受けるスープは塩味が強めで甘みのある透明なスープ。正直ラーメンのスープとして単体で見た場合には少々弱く感じるスープではありますが、この生野菜や茹で野菜と混ぜながら食べるとある種ドレッシングのような役割を果たしてくるのです。その意味からもこのくらいの濃い目の味付けの方が合っているわけですね。平打ちの麺と野菜を一緒に頬張るとまた違った味わいがして楽しいです。ただ麺は茹で加減が柔らか過ぎて残念。もう少し固めに茹で上げるか、こういうタイプのラーメンなら一度水で締めるのもアリかも知れません。

 野菜山盛りのラーメンと言っても、そのほとんどがモヤシとキャベツというのがラーメン界の定番でしたが、これだけ色々な種類の野菜をたっぷり食べられるラーメンというのは珍しいと思います。敢えて言うならチャーシューなどの肉っ気がゼロなのですが、チャーシューや角煮などはトッピングで用意されていますし、そもそもチャーシューなどなくても野菜だけで十分成立しているラーメンかと思います。そして値段もさすが農場直営だけあって安い。今回サラダバーは頼みませんでしたが、野菜ラーメンとサラダバーを頼めば、自分の好きなだけ野菜増しも可能です。野菜好きの方にはぜひおすすめしたいラーメン店の登場と言えるでしょう。

Nameki_2 ■ラーメン:麺工房なめき
千葉県千葉市中央区中央1-10-1
043-201-1226
11:00~24:00(23:45LO)
無休

Thursday, 29 January 2009

ニュースCマスター(1/29 O.A.)

Ncm日午後9時からオンエアされる「ニュースCマスター」(チバテレビ)に出演します。今週は市川市内にあるラーメン店をご紹介。「本八幡の新名物」がテーマです。いったいどこのお店が登場するのでしょうか?ぜひ今夜の「ちばラーメン百科」をご覧下さい!

■テレビ:ニュースCマスター(チバテレビ)木曜午後9時

Wednesday, 28 January 2009

Walker Plus(1/29 掲載)

Cwmiso日公開のWEB「Walker Plus」(角川クロスメディア)に、僕が取材執筆した記事が掲載されています。「変り種味噌ラーメン」というテーマで、千葉の人気ラーメン店2軒をご紹介しております。2種類のチーズが乗った味噌ラーメンに、豆乳を使った味噌ラーメン。どちらも美味しく他にはない味噌ラーメンです。ぜひご覧いただければと思います。

■ウェブ:Walker Plus(角川クロスメディア)

Tuesday, 27 January 2009

八千代@西新井

Yachiyom本的に和菓子が大好きで、良く色々な場所に行っては買い求めるわけですが、特に古くからあるお寺さんなどの参道や周辺にある和菓子屋さんなんてのは、神社仏閣マニアの和菓子好きの僕にとっては、もうたまらないわけです。その中でも、饅頭や団子などと共に本能的に食指が動いてしまうのが「最中」です。

 特に今年は本厄だということもあって、いつになくお寺さんや厄除大師さんに行く機会が多いわけですが、関東厄除三大師の一つとしても知られる「西新井大師」の裏手にひっそりと佇む、昭和35年創業の老舗和菓子店「八千代」の名物が「栗もなか(写真)」(210円)です。

 正月には1日1,500個も売るという人気の一品は、茶色い皮のつぶし餡と、白い皮の白餡の2種類に、ちょっとサイズの小さい栗なしの3種類があります。愛媛産の栗が丸々一個入っていて、優しい甘さの自家製餡もたっぷりと入っています。皮のサクッとした食感と餡子とのバランスが最中のポイントですが、こちらは皮が薄すぎず厚すぎず、実にバランスが良いのです。

 饅頭にしても団子にしても鯛焼きにしても、大抵和菓子の中には餡が入っているわけですが、最中という和菓子ほどストレートに餡を味わえる和菓子はないように思います。だからこそ餡の甘さが重要になってくるわけで、こちらの餡は本当に甘過ぎずの塩梅で、それでいて奥の深い甘味を持っているのですね。そしてやはり下町らしく大きさも大きめで、いい意味で見栄え的には上品ではないのです。栗も細かく砕いてなどなくて、大きな甘露煮の栗が丸々一個入っているのが嬉しいじゃないですか。八千代の栗もなかは一つ食べただけで十分な満足感があるのです。

 夜になるとすっかり人通りがなくなる大師さんの裏通りで、こちらのお店から漏れる灯りが実にいい感じです。昔ながらの和菓子屋さんという風情のお店で、ご主人のお爺ちゃんが何度も何度もありがとうございますと言いながら、お店の名前が入った包み紙で大切そうに最中を包んでくれます。そんなお爺ちゃんが毎日手作りしている最中が美味しくないわけがありません。またこの最中が食べたくて西新井に足を運ぶのでした。

Yachiyo■和菓子:八千代
東京都足立区西新井1-16-16
03-3890-2249
9:30~19:00
水曜定休

Monday, 26 January 2009

日比谷松本楼@日比谷

Mrm_2比谷公園の杜の中にある、創業百年を越える老舗中の老舗レストランがご存知「日比谷松本楼」です。銀座での買い物を終えてぶらり日比谷公園まで散歩をしてこちらで食事を楽しんだり喫茶をしたり、というのがお決まりのコースという方も多いのではないでしょうか。かく言う僕も銀座から有楽町を抜けてお堀端までぶらぶら歩いて、こちらのお店へ寄せていただくことが多いです。創業は今から百年以上も前の1903年ということですが、この年は日比谷公園が開園している年で、松本楼は日比谷公園開園時から公園と共に歴史を重ねているのです。日本史で学んだ日露戦争後の暴動事件、いわゆる「日比谷焼打事件」の時も、こちらのバルコニーで憲政擁護の演説が行われたというのですから、百年という時のスパンの長さを感じます。

 高村光太郎や夏目漱石といった文人達も愛した歴史あるレストランは、日比谷の森に囲まれて都心とは思えないほど静かに建っています。僕の幼い頃からの意識の中には、風格のある老舗レストランというと「公園の中にひっそりと佇んでいる」というイメージが今も強く残っているのですが、そのイメージの原体験は、日比谷公園内にあるこちらの「日比谷松本楼」と、上野公園内にある創業130年の老舗「上野精養軒」の二つから来るものではないかと思います。昔からのレストランにはよくあるスタイルですが、こちらの松本楼もフロアによっていくつかのレストランに分かれています。1Fはテラス席もあり気軽に楽しめる「グリル/ガーデンテラス」。2Fは宴会場でこちらでは披露宴なども出来ます。3Fには本格的なフランス料理を堪能出来る「ボア・ド・ブローニュ」があります。TPOに応じて使い分けが出来るというのが老舗レストランの魅力でもあります。

 ランチで3,000円台、ディナーでも5,000円台からという、良心的な価格設定のコースが魅力的なフランス料理もお薦めですが、やはりレトログルメ研究家的には1Fの洋食メニューをぜひご堪能頂きたいと思います。「ハイカラビーフカレー」(760円)は松本楼の名と共に知れ渡る伝統の一品で、小麦粉のとろみが加わってもったりとしたルーがご飯と良く合う、これぞ日本のカレーといった味わいです。洋食がまだ一般的ではなかった時代、こちらのレストランでカレーライスと珈琲を楽しむのが、時代の先端であったモボやモガたちのスタイルだったようで、そこから「ハイカラ」という名前を付けたのだそうです。毎年9月に行われる「10円カレーチャリティー」のニュースなどでこちらのカレーを知った方も多いのではないでしょうか。

 そしてやはりこちらも伝統のデミソースを使った、ハンバーグやオムレツライスなども欠かすわけにはいきません。まろやかで濃厚なコクと野菜の甘さが活きた褐色のソースが、トロトロと柔らかい玉子と溶け合い至福の瞬間を演出します。個人的には半熟系の玉子が乗るオムライスは好きではないのですが、松本楼の場合は話が別。デミソースとの相性が非常に良いのはいうまでもありませんが、このトロトロ系オムライスを最初に考案したのが松本楼という説もあるようで、やはりオリジナルに敬意を表する意味でも、こちらのオムライスは別格の存在であるのです。デミソース以外にも多くのソースを選べるのも嬉しいです。

 となるとどうしてもお薦めしたくなるのが「洋食プレート(写真)」(1,575円)になります。これは自慢のオムレツライスに洋食メニューを合わせることが出来るぜいたくな一品。まずオムレツライスのソースを「ハヤシソース」「カレーソース」「きのこクリームソース」の3種類から選ぶことが出来ます。さらに一緒に乗せる洋食は「ハンバーグデミグラスソース」「海老フライタルタルソース」「カニクリームコロッケ」から選べます。優柔不断の僕としては大変悩ましいメニューではありますが、オムライスもカレーもフライもハンバーグも食べたいなどという時に非常に便利です。

 どの料理もしっかりとした味付けで、価格が安く、それでいてボリュームがある、これぞ「洋食」という料理ばかり。天気のいい時はテラスで木漏れ日の下で、あるいは室内から陽の落ちた公園を眺めながら。百年の時に思いを馳せて味わう伝統の洋食は格別の美味しさなのです。来月から改装のためお休みになるようですが、リニューアル後のお店に行くのが今から楽しみです。
 
Mr■洋食:日比谷松本楼
東京都千代田区日比谷公園1-2
03-3503-1451
10:00〜21:00(20:30LO)
年中無休

Sunday, 25 January 2009

ラーメンたかし屋@浦安

Takashiyam系ラーメンと呼ばれる横浜発祥の豚骨醤油ラーメンがあります。鶏油の浮いた豚骨醤油スープに太い麺。具はチャーシュー、ホウレンソウに大きな海苔が3枚というのがお約束。僕はこの家系ラーメンが大好きで、若かりし頃はよく横浜まで家系ラーメンを食べるために出掛けたものです。それが今では都内にも千葉にも家系を名乗る店が随分と増え、横浜までわざわざ食べに出掛けなくとも満足出来るようになりました。かつては家系発祥の店でもある総本山「吉村家」や、吉村家から分かれた「本牧家」などで修業を重ねた人が家系を名乗っていましたが、家系ブームになった頃からそういう店で修業していないような亜流店も多く登場し、家系好きとしては家系ラーメンを食べる機会が増えたことを喜びつつも、玉石混淆となっている状況を嘆きつつもあります。

 千葉県にも多くの家系ラーメン店が出来て人気を博しています。総本山吉村家直系の「柏王道家」に、千葉拉麺四天王としてカップラーメンなども開発した行列店「末広家」、湾岸エリアを中心に店舗展開をはかる「武蔵家」など、人気実力を兼ね備えたラーメン店が千葉にも数多くありますが、本日浦安にまた新しい家系ラーメン店がオープンしました。それが「ラーメンたかし屋」です。家系ラーメンのお店の大半は屋号に「家」の文字を掲げていますが、こちらは「家」ではなく「屋」という文字ですし、そもそもが自らを家系ラーメンとは名乗っていません。しかしそのラーメンのパッケージは紛う事なき家系ラーメンのそれであります。

 浦安という街は以前より「マルバ」「麺屋永吉」「おんごろや」「四畳半生粋」など人気のあるラーメン店が多い場所ですが、どのお店も立地的に適度な距離が取られていてガチンコでぶつかっているイメージがあまりありません。しかし今回の「たかし屋」は浦安駅前の商店街にオープンしていて、店の並びには人気店「四畳半生粋」をはじめ数軒のラーメン店が軒を連ねている場所です。とはいえ、このタイプの豚骨醤油ラーメンを出している店はないので、味に関しては被ることがありません。

 商店街に一際目立つ赤地に白の看板。一間ほどの間口しかない鰻の寝床のような細長いお店です。2Fがスナックになっており、その1Fがこちらのお店です。店の入り口に券売機があり、ストレートカウンターに10席程用意されています。中に入ると外から見るほど狭くは感じません。メニューは「らーめん」「ネギらーめん」「チャーシューめん」「濃厚つけ麺」などがあります。ラーメン類は家系の豚骨醤油味ですが、「つけ麺」の方は最近流行の豚骨魚介系の味になっています。

 さて肝心の「らーめん並(写真)」(650円)ですが、結論からいえば十分満足出来る一杯に仕上がっていると感じました。まずスープですが、ゲンコツと背ガラを主体にしたスープにモミジなども加えられているようで、そこに野菜の甘さも感じます。鶏油の甘味は抑え気味。カエシは風味、味わいともに良く、キリッと醤油が立ったバランスになっていました。千葉で言うならば王道家系というよりも末広家系に近い味わいとでも言いましょうか。旨味の層があってそれをカエシと鶏油がまとめている印象です。このスープは悪くないです。具はチャーシュー、ホウレンソウ、海苔と少量の薬味葱。これらは特筆すべき点はありませんが、亜流の家系で見受けられるようなへたれた海苔ではなく、鶏油に負けることのないしっかりとした海苔でした。

 賛否が分かれる可能性があるのは麺でしょうか。家系の麺であれば定番なのは大田区の「酒井製麺」ということになりますが、こちらの場合は自家製麺になっています。つるんとしたストレート麺で少々スープをはじきます。麺としては決して悪い麺ではないと思いますし僕も嫌いな麺ではありませんが、やはり家系独特の麺とは形状や食感も異なっているので、ここに違和感を覚える人は少なからずいるでしょう。そういう意味ではもう少し麺は改良の余地があるかも知れません。

 ちなみにもう一つの「濃厚つけ麺」(700円)は、もう流行の濃厚豚骨魚介ど真ん中という味わい。今やどこでも食べられる味ですので、この手の味を食べてもすっかり感動しなくなりました。なお、こちらの麺も自家製麺で、もっちりとした食感がなかなかのものでした。個人的には同じ生地でもう少し切り刃が太ければいいかなと思いましたが、これでも十分つけダレと絡んでいて美味しいです。この麺でラーメンを食べても美味しそうです。

 本家、亜流さまざまある家系ラーメンの中で、こちらのラーメンは出自こそ本家本流ではありませんが、しっかりと家系ラーメンの範疇に収まっているラーメンであると思います。また浦安エリアには本格的な家系ラーメンが無かったこともありますので、ぜひ頑張って頂きたいと思いました。

【注意!この後の記述にはネタバレが含まれています】

 と、ここまで書いていて恐らくこちらのお店がどこ出身なのか気になっていた方も多いかと思いますが、実はこのお店は千葉県内の某家系ラーメン店の支店です。しかし本店とはまったく屋号が違いますし、麺、スープを含めて味もすべて変えてあります。その理由は敢えて本店の看板を使わずに真っさらな状態で店作りをしたかった、ということで、僕もそういう前提で足を運び掲示板などで情報も発信しました。しかしお店に行ってみれば看板の色使いしかり、メニューの書き方しかり、丼の色や形にロゴしかり、本店を知っている人からすればそのまんまでバレバレです。やはり同じ人が作ると同じようになるのですね。その上その本店に開店告知のチラシを張ってあるとなっては、これはもうバレない方がおかしいわけで。なのでここでは種明かしをしておきます。こちらは新店とは言っても純粋な新店ではありません。

 しかし、ある一定の評価を受けている店とは切り離して、新しく店作りや味作りをしようという思いは非常に良く分かりますし、良くも悪くもその先入観が食べ手の感覚を左右するのも事実です。そういう意味においては、ぜひこの店がどこの支店かなどということは考えずに、フラットな状態で食べて頂けたらと思います。スープの取り方、タレの味、具のチョイスや仕込み方、そして麺とすべて本店とは違う作り方になっています。正直なところこれはここだけの話ですが、僕は本店の味よりもこちらの新店の味の方が美味しく感じました。それはオーナーにも内緒です。

Takashiya■ラーメン:ラーメンたかし屋
千葉県浦安市北栄1-15-23
047-350-2578
11:00~24:00
無休

Saturday, 24 January 2009

雅商會@北国分

Miyabim葉東葛エリア屈指のラーメン激戦区と言えば松戸市ですが、松戸で古くから閑静なベッドタウンとして知られるのが「二十世紀が丘」です。こちらはその名前からもお分かりなように「二十世紀梨」が生まれた場所で、その梨を発見し研究した、故松戸覚之助の農園があった場所です。最寄り駅は「北総鉄道」の北国分駅となりますが、実際のところはJRや新京成の松戸駅からも十分徒歩圏内の立地です。この二十世紀が丘に今月15日オープンしたのが「雅商會」というお店です。白地に黒で行書体の看板といい、「千葉本家角ふじ連雅會直系」という文字といい、會の旧字体といい、金色の家紋といい、木彫りの看板といい、どことなく非合法かつ反社会的な集団のような演出が随所に施されていますが、その店の隣にあるのが交番というのもなんとなく面白い絵面です。

 こちらのお店は新松戸にある「山勝角ふじ」というお店の3号店にあたります。この「角ふじ」というお店は元々、東池袋大勝軒出身の方が展開する「茨城大勝軒グループ」の店舗で、茨城をはじめ柏、松戸などにいくつも展開をしていますが、2008年に新松戸の店長さんがお店を買い取る形で独立し、その後流山市に新規に2号店を開店しました。「角ふじ」ブランドは極太麺にたっぷり山盛りの野菜を乗せたワイルドなラーメンで人気を呼んでいるのですが、今回の3号店はこれまでの路線とは異なり、まったく違った味を提供するお店になっています。

 その気になる味の方ですが、昼は濃厚豚骨魚介系、夜は背脂系といういわゆる「二毛作スタイル」になっています。「二毛作スタイル」とは昼と夜で異なるラーメン、メニューを提供する営業スタイルで、前述の茨城大勝軒グループにも「大黒屋本舗」や「麺屋こうじ」など昼夜でメニューが異なるお店がありますが、それらのお店とはまた違った味になっているとのこと。さらに2月以降の毎週月曜日は「バカ豚万歳の日」として、本店同様のガッツリした、いわゆる角ふじ系のラーメンを提供するそうですから、結果的に3種類のメニューが楽しめる店になるわけです。なお、こちらの店長の森川さんは某背脂ラーメンの人気店出身で、今回のお店の味作りを任されていらっしゃいます。そこらへんもまた従来の味とは違った味わいになっているポイントなのかも知れません。

 店内は厨房に面したところにカウンターが4席あり、あとはテーブル主体で、テーブルは4名用が2卓に6名用が1卓というレイアウトになっています。メニューは昼の部(濃厚豚骨魚介)が「らーめん」「みそらーめん」「もりそば」「みそもりめん」「うま辛もりめん」で、夜の部(背脂)は「ラーメン」「みそラーメン」「つけ麺」となっています。昼と夜で「らーめん」「ラーメン」と表記を変えているのはさておき、昼の部で「もりそば」と「みそもりめん」の表記が違うのが少々気になります。さらには夜になると「つけ麺」と名称がまた変わりますので、ラーメン好きではない人は一瞬戸惑うのではないかと思います。ちなみに注文は券売機で注文しますが、昼の部には夜の部のボタンがつかないようになっています。また、こちらの店は通し営業になっており、昼の部と夜の部はおおよそ夕方5時半頃に入れ替えるため30分程のインターバルが入るようです。この日は昼に伺いましたので、濃厚豚骨魚介系の味をいただきました。

 まず「らーめん(写真)」(700円)ですが、その名の通り濃厚豚骨魚介系のスープで、魚粉もスープに混ぜるだけでなく表面に浮かべてあったりして、ここ数年のトレンドのツボをしっかり押さえてある一杯という印象です。ベースのスープは濃度と粘度があり、油分もしっかりとたくわえています。そこに魚粉をはじめとする魚節系の味わいもガツンと出ています。飲みやすいと言ったら若干語弊があるかも知れませんが、口当たりも悪くなくべたつきもさほどないので比較的万人に受け入れられそうです。麺は人気製麺所「カネジン食品」の太ストレート麺で200gのボリュームがあります。つるっとしていてしっとりとした食感です。具はバラチャーシュー、メンマ、海苔、なると、ネギで、丼の半分を覆う程の大きなチャーシューが柔らかく仕上げられていました。

 また「もりそば」(750円)の方は、修業先の味でもあるいわゆる大勝軒系なのかと思いきや、ラーメン同様の濃厚豚骨魚介系でラーメンよりも魚粉の存在感が増している印象です。また味わいは酸味を押さえてあってその分甘味と辛味のバランスが強くなっていますが、個人的にはこのつけダレはかなり甘く感じ後半で若干飽きました。折角いいスープを引いているのですから、もう少しいいバランスが見つかるのではないかと思いましたが、開店して1週間のお店ですしいずれは味なども改良していくそうですので、今後に注目といったところでしょうか。なお、もりそばの麺は250gというボリュームで、大盛は100円増し、特盛は150円増しだそうです。

 激戦区松戸エリアでは決して珍しくはない濃厚豚骨魚介系ではありますが、二十世紀が丘という場所では他にはない味ですし、昼夜で異なるメニューというのも理解されれば面白い展開になりそうです。そして何よりも一杯一杯をていねいに誠実に作られているので、地元を中心にしっかりとお客さんを掴むのではないでしょうか。また店長さんをはじめとするにこやかな接客も好印象でした。次回は夜の部の背脂ラーメンをいただきたいと思います。

Miyabi■ラーメン:雅商會
千葉県松戸市二十世紀が丘柿の木町16-2
047-394-4150
11:00~24:00(17:30〜18:00頃にスープ入れ替えの為中休みあり)
無休(月曜は別メニューにて営業)

Friday, 23 January 2009

吟そば凛@勝浦

Rinnaikan房にある勝浦市は、安土桃山時代から続く朝市で有名な港町。特に鰹の水揚げでは全国レベルの水揚げを誇ります。また海水浴などでも県内外から多く人が訪れることで知られ、中でも鵜原・守谷海岸は「日本の渚百選」に選ばれるほどの美しさです。あとは「かつうら海中公園」には東洋一の規模を誇るという「海中展望塔」があり、実際の外房の海の中の様子が見られます。

 そうなるとイメージ的に勝浦と言えば当然海の町、ということになるのでしょうが、この町をよく知る人やこの町を何度も訪れる人のイメージでは、多分に山の町と思うのではないでしょうか。何しろ海の部分は漁港や海岸の一部でしかなく、あとは房総丘陵の山間部がこの市の主要エリアとなります。内房方面から勝浦に入る時には大多喜街道経由で来るのが一般的ですが、その場合は完全な山道行となります。ラーメン好きの方には「勝浦式タンタンメン」というこの地域独自の担々麺が知られていますが、勝浦一の人気店である「はらだ」も山中のエリアにあります。

 そんな大多喜側から入れば勝浦の入り口にある杉戸地区に、昨年夏、素敵なお蕎麦屋さんが出来ました。それが「吟そば凛」です。森の中にひっそりと建つ洋館。このお店を一目見てお蕎麦屋さんだと分かる人は皆無なのではないでしょうか。無論店の近くまで行けば「石臼挽きあらびき蕎麦」の文字が見えるので分かりますが、その看板を見なければまるでカフェかレストランのような雰囲気です。聞けばヨーロッパの田舎をイメージした佇まいにこだわったとのこと。吹き抜けのある開放的な店内。白塗りの壁に木の質感を活かしたインテリアには温もりを感じます。その店の雰囲気同様に、温和な表情が印象的なご主人が出迎えてくれます。テーブルなどもご主人が手作りで作られたのだそう。蕎麦屋だと言われてもまだレストランなのではないかと思ってしまいます。店の裏手には勝浦の山々の景色が広がります。これは港町勝浦のイメージではなく、やはり山のある町勝浦の表情ですね。

 スローフードをイメージしているこちらのメニューは、そのすべてが簡単なコース仕立てになっています。お蕎麦に200円〜300円の+で「スープ」もしくは「前菜」の他、「デザート」「飲み物」がついてきます。例えば基本の「あら挽き吟せいろ」だと単品で1,000円、コースだと1,300円といった具合です。この勝浦の山間部で正直強気の価格設定と思わなくもありませんが、店舗やメニューの洒脱な様を考えると強ち高いとも言い切れません。また単品で考えると少々割高になるのでしょうが、前菜から始めて食後の珈琲までゆったりと過ごして欲しいというコンセプトを楽しむ上で、そのコースが1,500円ということであれば決して高くはないでしょう。またこの他にも予約制で3,000円前後のコースが2種類用意されています。これはグループなどで会食を楽しむのにいいかも知れません。

Rinm さて肝心のお蕎麦ですがこの日は「みぞれたっぷりあら挽きそば(写真)」(単品1,200円 コース1,500円)を頂きました。蕎麦つゆは冷温いずれかが選べますが冷たい方でお願いしました。またこのメニューはたっぷりのみぞれ(大根おろし)がそばつゆに入るのですが、無理を言って器をもう一つ用意していただきました。こうすることでみぞれ入りとみぞれ無しの両方が楽しめる寸法です。薬味は胡麻と2種類のネギで、胡麻は小さな胡麻擂りがついてきますのでそれを擂りながら蕎麦が来るのを待ちます。こうやって只管に胡麻を擂っていると何だか無性にトンカツが食べたくなってしまうのは哀しい性と言いますか、身体に染み付いた哀しい習性なのでしょう。

 ほどなくして出て来たお蕎麦は新蕎麦の艶やかで深い色合いが印象的な綺麗なお蕎麦です。しっかりと水で締められていて、それでいて瑞々しさも残っています。石臼で粗めに挽いているので風味が強く残っています。それでいて引っかかりはなく滑らかで、身の詰まった食感になっており、香りよく喉越しも良いです。割合は外二。産地は北海道上川町で現地の製粉会社による石臼挽き粉のオリジナルブレンドとのことでした。メーカーまでは伺いませんでしたが、上川というとラーメン好きからすると「旭川製麺」を思い出しますが、その親会社である「土開製粉」は老舗の蕎麦粉メーカーですので、もしかしたらこちらの蕎麦粉を使用しているのかもしれません。その中でもおそらく蟻巣石を使った大きな石臼で熱を加えずに挽いた粉ではないかと思います。

 蕎麦つゆはカエシの角が取れてまろやかな味わいで、旨味を多分に含んだ少々甘汁寄りで軽めのテイストです。たっぷりの大根おろしは当然辛味大根ではなく普通の大根。そこに若布も入っています。甘めのつゆを吸い込んだみぞれと共に啜るも良し。別に用意して貰った器ですっきりと蕎麦つゆだけの味で楽しむも良し。当然カエシは変えているのでしょうが、このカエシの方向性としっかりとした食感のお蕎麦を頂いた限りでは、温かいお蕎麦もなかなか良いのではないかと思わせます。

 しかし何よりもやはりこの雰囲気。純和風の趣ある庵で味わう蕎麦はもちろん格別ですが、こういうスタイリッシュな欧風なお店で味わう蕎麦もまた良いものです。ご主人曰く女性に楽しんでもらえるようなお店作りを心がけたとのこと。確かにここならば女性を連れて来たらポイントが上がりそうです。またカウンターからテーブル、個室なども用意されていますので、彼女との一時のみならず家族連れなどでも使い勝手が良さそうです。千葉市内からは車でおよそ1時間ほどではありますが、ドライブがてら立ち寄っていただきたいお店です。

Rin蕎麦:吟そば凛
千葉県勝浦市杉戸1459-1
0470-77-1898
平日 11:30~14:30,17:00~21:00(20:30LO)
土日 11:30~21:00(20:30LO)
月曜定休(祝の場合は翌休)

Thursday, 22 January 2009

ニュースCマスター(1/22 O.A.)

Ncm日午後9時からオンエアされる「ニュースCマスター」(チバテレビ)に出演します。今週は先週同様に、スペシャル企画「110回突破記念スペシャル」として、千葉県内の美味しい「日本蕎麦」を「麺」という切り口からご紹介していきます。後編の今回は成田市と千葉市にある美味しいお蕎麦屋さんをご紹介しています。どうぞお楽しみに。

■テレビ:ニュースCマスター(チバテレビ)木曜午後9時

Wednesday, 21 January 2009

つけめん玉@浜川崎

Gyokum年の夏にオープンしたばかりの新店「玉」ですが、オープン早々にラーメンフリークなどの支持を集め雑誌などにも掲載されあっと言う間に人気店となりました。場所はまず鉄道マニアしか知らないであろう「浜川崎」というマニアックな無人駅が最寄りになりますが、ただでさえ電車の便が悪い上にそこからも結構歩きますので、一般的には川崎からバスに乗るか、あるいは車を使うかが正しい選択でしょう。いずれにせよ、正直便の良い場所とは言えない場所にあります。

 しかし、そんな場所にも関わらずこちらのお店は開店前から行列が出来るほどの人気振りなのです。この日は少々出遅れて12時近くになっていましたが、行列はおよそ10名ほど。客席が10席なのでちょうど一回転、待ち時間にすると20分程度という目算でしょうか。僕が並んだ後さらに列は伸び、気がつけば20名以上になっていました。時折お店の方が外へ出て来て、行列に並んでいるうちに券売機で食券を求めるよう案内されます。これは事前にオーダーを通しておくことでスムーズに商品を提供出来、その結果お客さんが席に通されてから待つ時間が短縮され、さらには回転が良くなるというメリットのみならず、列に並んでいて待ち切れずに戦線離脱する客を防ぐ意味合いも込められている、行列店には非常に有効な作戦です。

 店名の「玉」というのがなかなかユニークです。看板に描かれたデザインからは「玉葱」を連想させますが、ご主人のお名前が玉川さんということでどうやらそこからの命名のようです。提灯にも「玉」の字が書かれていて覚えやすくインパクトのある店名だと思います。ちなみに「たま」ではなく「ぎょく」と読ませます。店名にも掲げられているように「つけめん(写真)」(750円)が看板メニューになります。基本の「つけめん」以外にも「辛いつけめん」や「インドのつけめん」などがあります。その他は「中華そば」のバリエーションとなります。

 カウンターに通されて数分でつけダレが先に、後から麺が到着しました。かなり太い麺ですから茹で時間も10分近くかかるでしょう。これがオーダー先通しの効果ですね。つけダレは見るからに濃厚な豚骨魚介系ですが、相当な粘度と濃度を持っていてどろっという形容が正しいように感じます。ソースと言ったら言い過ぎでしょうが、それに近いイメージを持ったつけダレです。しかし、つけダレは器の半分程度かそれ以下のラインとかなり少なめで、雑誌などの商品写真と較べるとかなり少なく感じます。決して足りないという量ではありませんが、これはちょっと少な過ぎるのではないでしょうか。つけダレは豚骨、鶏ガラベースでそこに鰹節や煮干しが加わっているようです。粘度と濃度があるわりにあまりしつこさを感じさせないのは、動物系のとろみだけではなく野菜なども使われているからではないかと思います。油分に頼っていない粘度の出し方なので、しつこさを感じることなく味わえます。魚粉のざらつきも残りますがそれほど違和感は感じません。化学調味料は不使用とのことでした。僕は無化調信者ではありませんが、使う必要がないなら使わなければ良いと思いますし、そういう意味ではこの味の構成では無くても十分成立すると思いました

 麺は平打気味のどっしりとした極太麺で、この質感はどこかで食べたことがあるなと思い出しながら食べていましたが、おそらく「三河屋製麺」の麺ではないでしょうか。適度なよじれが麺についていて、濃厚なつけダレと面白いくらいに絡みます。基本の麺の量で200gということですがスルスルとすぐなくなってしまいます。ちなみに中盛300gは無料で増量が可能です。麺をつけダレにくぐらせて、などという表現ではなく、麺をつけダレと絡めて和えて食べる、というような感じでしょうか。そんなわけでかなりしっかりと絡んで拾ってきますので、当然のことながらつけダレはすぐになくなります。何度も言いますが、決して足りないという量ではありませんが、もうちょっと入っていても罰は当たらない気がします。

 なかなか効果的だったのが卓上にあった薬味類。まず魚粉と共に刻み玉葱が置いてあるのは、刻み玉葱好きの僕にとっては大変ポイントが高いです。つけ麺の人気店「やすべえ」チックと言えばそうですが、濃厚なつけダレに刻み玉葱が実に合っていますし、店名の「玉」とも微妙にリンクしてなかなかいい感じです。また面白いのは「魚群」という醤油ダレ。かなり濃厚に魚出汁を詰めた醤油ダレが置いてあり、これは正直つけ麺よりもラーメンに効果的な気がしますが、つけダレに合わせてもつけダレが濃厚なので負けることはありませんでした。スープ割りをしたら野菜の甘さが引き出されてきました。

 確かにここ数年非常に多く目にするタイプのつけ麺ではあるのですが、濃厚豚骨魚介のつけダレに極太麺という今流行のパッケージを、この店なりに解釈して完成させた新しい味わいのつけ麺という印象を受けます。スピーディーなオペレーションもさることながら、店主のにこやかな接客も非常に好感が持てます。こういう部分でストレスのないお店はまず流行りますよね。新店らしい初々しさと新店らしからぬ安定感を兼ね備えた店、という印象でした。

Gyoku■ラーメン:つけめん玉
神奈川県川崎市川崎区追分町6-12
044-366-3155
平日 11:00~15:00,17:00~20:00
土祝 11:00~売り切れ次第で終了
日曜定休

Tuesday, 20 January 2009

千葉ウォーカー(1/20 発売)

Cw日発売の情報誌「千葉ウォーカー」(角川クロスメディア)に僕の連載と担当した記事が掲載されています。

 好評連載「千葉ラーメンスタイル」は京成大久保の新店をご紹介しています。また今年より始まった新連載「週刊ラーメンWalker千葉ダイジェスト」では「千葉市の新感覚味噌ラーメン」と題して2軒のお店をご紹介しています。

 さらに今回の特集「安うま春の房総日帰り旅」でも外房ラーメン食べ歩きのページを担当しております。こちらも合わせてぜひご覧下さいませ。

■雑誌:千葉ウォーカー(角川クロスメディア)350円

Monday, 19 January 2009

らーめん木尾田@本八幡

Kiotam武線沿線屈指の激戦区、本八幡に昨年暮れの12月22日にオープンしたばかりの新店がこの「木尾田」です。とは言え、ここ数年ラーメン激戦区などと言われて活気にあふれる南口ではなく、「なりたけ」や「月梅」「トップ」などの老舗が連なるかつての激戦区、北口エリアへの出店です。駅から徒歩3分の駅前の喧噪からは離れた静かな場所にひっそりと佇む雰囲気は、「大勝軒」や「渡なべ」「空海」など数々の人気店を手掛ける店舗デザイン会社「空間計画工房」の手によるもの。千葉県内だと「麺屋こうじ」「空」「中華そば葦屋」などもこの会社のデザインです。こちらのお店は柏の麺屋こうじを思わせるような外観と内装になっていました。いずれにしてもちょっと古い商店街の空気に良く馴染んでいるその佇まいは、街の風景に馴染むことのない下品な自己主張が多いラーメン店の外観の中で、実にしっくりと街に同化しています。

 こちらのご主人、梶畑さんは愛知出身の30歳。就職で東京に来てからサラリーマンをされていましたが、料理の世界に魅せられて脱サラしレストランで腕を磨いた後、蒲田の人気店「和鉄」で2年、その後も別のラーメン店で経験を重ねた経験を持っている方です。和鉄と言えばオープン当初は「青葉系」(当時はインスパイアなどという陳腐な言葉はありませんでした)として注目を集め、僕も何度か足を運んだお店ですが、久々にその「和鉄」という名前を聞いて懐かしさを覚えました。ラーメンというのは他の飲食とは異なり、常にスタイルやお店そのものの流行り廃りがあり、その時代時代にリンクしているように思います。そしてその様はどことなく音楽のヒットチャートにも似ているように思うのです。和鉄という名前を聞いたりそのラーメンを食べた時に、仲間たちと夜な夜な食べ歩いていた2001年当時の思い出が湧き出て来るその感覚は、「ルビーの指環」のイントロを聴いた瞬間に、バスケットボールに情熱を傾けていた1981年の自分にタイムスリップする感覚にとてもよく似ています。

 さて、話を木尾田に戻しますが、落ち着いた雰囲気でスタイリッシュかつ和の趣がある店内は、L字カウンターにゆったり8席が用意されています。本来ならば10席程度は置けそうな空間ですが、ゆったりとした気分で味わって欲しいと椅子の数を減らしているそうです。店までのアプローチもそうですが、店に入って小さな厨房を囲む雰囲気に、落ち着いて考えればまったく違うのですが、ほんの一瞬京都にある人気店「高倉二条」というお店に初めて入った時のことを思い出しました。注文は店に入ってすぐの券売機で注文となります。店の奥の席に座って清潔感溢れる厨房でラーメンが作られる様子を眺めて待ちます。お昼時を少し外した時間帯に訪問しましたが、切れることなくお客さんが入ってきます。しばらくしたら某大手出版社の編集さんが偶然入って来ました。彼はもう何年も一緒に仕事をして来た盟友ですが、仕事抜きでこうやってラーメン屋さんで偶然会うというのは恐らく初めてのこと。ラーメン好きの方とはよくお店でばったり会うこともあるのですが、仕事の仲間に会うのは実に珍しい。

 こちらの基本メニューでもある「らーめん(写真)」(650円)は、和の趣あふれるビジュアルが期待を持たせます。仕上げに黒胡椒が振られているあたりが修業先であったり青葉などを想起させますが、味わいは異なるものに仕上がっていました。半濁のスープは鶏ガラ、豚骨がベースになっていて、モミジや豚足で粘度が加えられています。鶏と豚で言えば鶏の方に若干比重が置かれたバランスのスープは、ここ数年やたらと見かける濃厚豚骨魚介とは異なるスープですが、あっさりとしつつもモミジなどの粘度や香味油などが加えられることで、物足りなさを感じさせないバランスに仕上がっています。ご主人は醤油ダレをまろやかにして立たせないように留意しているとおっしゃっていましたが、正直今日のバランスは醤油ダレが若干立っているように感じました。しかしそれは決して悪いバランスではなく、むしろこの適度な醤油ダレ感がスープに個性を感じさせました。「つけめん」(700円)もいただきましたが、いかんせん甘味や酸味などを加えた分バランスが取り辛いようで、現状はらーめんの方がバランスがいいように感じました。

 麺は人気のある老舗製麺所「三河屋製麺」の中細ストレート麺。ぷりっとしつつもざくっとした歯ごたえを感じさせる麺はスープに合っていると思います。ちなみにつけめんの方は平打ちの麺を使用していて、こちらもなかなか面白い食感に仕上がっている麺でした。具はチャーシュー、メンマ、刻みネギ、海苔とシンプル。チャーシューは周囲が香ばしく中はしっとりとした食感に仕上がっていました。部位は肩ロースではないかと思われますが、肉の臭みもなく味わいも豊かです。たまたまなのかいつもなのかは分かりませんが、注文を受けてからチャーシューの塊を取り出して切っていました。やはり切り置きでは味を随分と損ねます。一つ一つの仕事にていねいさを感じさせます。

 オープンして1ヶ月足らずではありますが、調理のオペレーションにも迷いがなく、接客も非常にスムーズでした。日々味の研究に余念がないご主人。少々元気がない本八幡駅北口に再び活気を取り戻してくれるのではないかと期待したくなる新店の登場と言えそうです。ちなみに店名の「木尾田」というのはご主人の名前「梶畑」のパーツを崩してつけたのだそう。そう聞いた瞬間から「木尾」の文字が「梶」に見えて仕方がないのですから、人なんてものは単純なものです。

Kiota■ラーメン:らーめん木尾田
千葉県市川市八幡2-12-8
047-332-6850
11:30〜15:00,18:00〜22:00
火曜定休

Sunday, 18 January 2009

オリヂナル・ジョーズ@関内

Joes2浜には老舗のレストランが数多く存在しますが、その中でもお気に入りのお店の一つが関内にある「オリヂナル・ジョーズ」です。創業は1953年と今から半世紀以上も前に遡ります。その歴史や風格で日本のイタリアン界で燻し銀のような存在感を示すお店で、関東で最も古く全国でも二番目に古い歴史を持つというイタリア料理レストラン。東京で歴史のあるイタリアンと言えば、青山にある「アントニオ」を思い浮かべますが、アントニオさんが日本で最初にイタリアンを始めたのは青山ではなく神戸です。ちなみに神戸でのアントニオ創業は1944年と、横浜のオリヂナル・ジョーズよりも古いわけですが、そうなると日本で一番がアントニオで、二番目がオリヂナル・ジョーズ。アントニオの東京への進出は1953年以降、ということになるのでしょう。

 いずれにしても日本にイタリア料理がやってきたのは意外にも最近で、60年程前のことになります。奇しくも当時は第二次世界大戦の真っただ中。先の大戦で大日本帝国とイタリア王国は同盟国(ここにナチスドイツが加わり日独伊三国軍事同盟を形成していました)でしたので、神戸港にはイタリアの船が入港していました。イタリアの輸送艦カリテア号は日本の軍事行動の支援部隊として、物資輸送に従事している船でした。しかし1943年9月、イタリアの無条件降伏によりその活動はストップ。乗組員150人は船から降りて日本軍の捕虜に成らざるを得ませんでした。その乗組員たちがその後日本で伝えたのがイタリア料理なのです。アントニオの創始者、アントニオ・カンチェーミ氏を始め、宝塚の「アモーレ・アベーラ」創始者であるオラツィオ・アベーラ氏、三宮の「リストランテ・ドンナロイヤ」創始者、ジュゼッペ・ドンナロイヤ氏も皆カリテア号の乗組員だったのだそうです。

 この60年という長いようで短い期間、神戸や横浜といった港町を起点に、戦後の日本の復興と共にイタリア料理は日本人に愛されて発展してきたのです。街にはイタリア料理専門のファミリーレストランなどが数多く存在し、ピッツァに至っては出前までやっています。僕たちの生活で今やスパゲッティやピッツァがない食生活は考えにくいでしょう。そのきっかけに戦争があったというのは、なかなか興味深いものがあり、そう考えながらパスタやピッツァを食べるとまた違った味わいがして来るような気がします。

 さて「オリヂナル・ジョーズ」に話を戻しますと、こちらは創業当初は山下町の方で営まれていたようですが、現在の場所に移転して来たのは1967年だそうです。といってももう40年以上現在の場所で営業をされているのですね。関内の桜通りに朧げに漏れる店内の優しい灯りと赤い天幕。ひっそり街並に馴染むこの店の佇まいは、まるでニューヨークのダウンタウンの路地裏にある小さなイタリアンレストランのよう。どっしりとした木の扉を入れば、初老のホールスタッフの方がすっとやってきて人数を確認し、コートを素早く預かってくれます。そしてちょっと固めの赤い革張りのボックスシートに腰を掛ければ、半世紀の時代を超えて古き良き横浜の情景が浮かんできます。ギンガムチェックのクロスの上に真っ白いテーブルクロス。卓上のシルバーをきちっと並べ直し、キャンドルに火を灯す。一昔前、町中のレストランでは普通にあった光景が、今でもこのお店にはしっかりと受け継がれて残っています。

Joesp 前菜やパスタ、メインをプリフィクスで選ぶコースも4,200円と安くて使いやすいですが、アラカルトをいくつか適当に取って、ワインなどと共にシェアしてワイワイとつまむのが、この店らしい楽しみ方のようにも思います。エスカルゴのオーブン焼きや、オニオングラタンスープなどスペシャリティは数あれど、やはりこの店で食べて頂きたいのは創業当時から変わらぬレシピで提供される「ミックスピッツァ(写真)」(1,630円)でしょう。柔らかい食感を持つ生地のいわゆるパンピザではなく、薄くてカリッとした食感の生地がたまりません。たっぷりのチーズに茸の他、自家製のソーセージやサラミもたっぷりと入っています。

Joesm2 また、数あるパスタの中でも「スパゲティマリナラ」(1,470円)もこの店ならではのオリジナル。マリナラとは簡単に言えばトマトとオリーブオイルを使って作るトマトソースのこと。ミートソースよりもさらっとした味わいは主に魚介素材とよく合わせられますが、そもそもマリナラという言葉は「船乗り風」という意味ですから、それもうなづけるというものです。こちらの場合はプリプリの海老とマッシュルームがたっぷりと入り、アンチョビを隠し味に使って全体的に甘めに仕上げています。ピッツァもパスタもどちらもポーションとしては通常の1人前程度ですので、この他に前菜かサラダ、メインを1品ずつ取って、2人でシェアすればちょうどいいお腹になるのではないでしょうか。メインのお薦めはいくつもありますが、この日は「仔牛肉のカツレツチーズ焼き(写真)」(2,100円)をチョイス。程よい酸味のトマトソースがカリッと揚がったカツレツに合っています。

 気軽に使えるお店ですので、小さなお子さん連れでも問題なく利用出来ると思います。また、基本的に予約無しでも入れますが、週末夜などは混雑していますので予約をした方が無難でかつスマートです。また、予約時にお願いするとグラスワインもしくはソフトドリンク(炭酸、ペリエを除く)をサービスして下さいます。

Joes■イタリアン:オリヂナルジョーズ
神奈川県横浜市中区相生町3-60泰生ビル1F
045-651-2315
平日 17:00〜22:00(21:15LO)
土曜 11:30〜22:00(21:15LO)
日曜 11:30〜15:00,17:00〜21:00(20:15LO)
無休(年末年始を除く)

Saturday, 17 January 2009

スカンディア@関内

Scandiam欧という言葉を聞いて皆さんは何を連想するのでしょう。頭を垂れたかのようなスカンディナヴィア半島のシルエットであったり、スウェーデンやノルウェー、デンマークなどといった北欧諸国の国名は誰もが思い浮かべるところかと思いますが、僕の場合だとまず「ヘビーメタル」でしょうか。イングヴェイ・マルムスティーンは多くの人がご存知かと思いますが、北欧メタルという括りもあるくらい、北欧出身のヘビーメタルバンドやアーティストは数多く存在します。あとは「F1」。フィンランドは数多くのF1ドライバーを輩出していますが、フィンランド人で初めてワールドチャンピオンになったケケ・ロズベルグを始め、2度のワールドチャンピオンにも輝いたミカ・ハッキネンはフィンランド出身で僕と同い歳。2007年のチャンピオン、キミ・ライコネンもフィンランド出身です。あとはサンタクロースであったり、ムーミンであったりでしょうか。いずれにしても北欧に対してどうやら僕は深い知識は持ち合わせていないようです。

 そんな中で、食いしん坊の僕が北欧と聞いて思い出すのが、横浜大桟橋近くにある北欧料理の老舗レストラン「スカンディア」です。最寄り駅としては普通に考えると関内ということになりますが、最近では東急に直結する第3セクターの「横浜高速鉄道みなとみらい線」が通ったことから、日本大通り駅が最寄り駅ということになります。北欧料理と名乗るお店は他にもあるのでしょうが、原体験的にも僕はこのお店の佇まいを真っ先に思い出します。江戸時代、ペリーが上陸したことでも知られるこの場所。我が国の海の玄関口、大桟橋の入り口でもある開港広場前の変則的な十字路には、開港資料館や海岸教会、シルクセンターなどと共に、古き良き横浜を彷彿とさせる二つのビルが建っています。一つは80年の歴史を持つ海運会社が持つ「JAPAN EXPRESS本社ビル」。ここは1930年に竣工、敗戦後には進駐軍に接収されていた歴史のあるビルで、1Fには僕が学生時代からお気に入りのアメリカンダイナー「JACK CAFE」も入っています。

 そしてもう一つがこの「スカンディア」が入っている「横浜貿易協会ビル」です。こちらも1929年と同じく昭和初期の竣工で、やはり終戦後は進駐軍に接収された歴史を持ちます。この二つのビルが建つ開港広場前から開港記念館を抜け、県庁や税関まで続く海岸通り周辺は今でも昭和初期の面影を残す、横浜の中でも好きな場所の一つです。そしてその昭和を思わせる街並の向こうに見えるのは、現在の横浜のシンボルでもある「ランドマークタワー」。この100年近い歴史の共存が目の当たりに出来る光景は、歴史ある横浜であっても数少ない光景ではないかと思います。

 この歴史ある2つのビルが建っている一帯は、通称「象の鼻」と呼ばれる場所で、1858年にアメリカやイギリスなど列強五カ国と結んだいわゆる「安政の五カ国条約」で圧力に屈して開港を約し、その翌年に急遽作った東波止場(イギリス波止場)があった場所でもあります。本来は「神奈川湊」が開港すべき場所だったのですが、外国人がやってくることで神奈川の治安が悪くなるのを恐れた幕府が、その代替案として対岸の小さな横浜村を開港地にしたのです。この辺りを歩き当時に思いを馳せると、横浜市民ならば誰もが知っている、森鴎外が作詞した「横浜市歌」を思い出します。「昔思えば苫屋の煙 ちらりほらりと立てりし処」小学生の頃によく学校で歌わされたものですが、その時の音楽教師の教え方が良かったのでしょう、情景が感じられるいい歌詞だなと子供心にも思ったものでした。

 いずれにせよ、日本が長年の鎖国時代を経て、諸外国と再び交流を始める玄関口となったのがこのスカンディアが建っている場所なのです。今年は横浜開港150周年の記念すべき年ということもあって、現在象の鼻エリアでは記念公園を建築するなどエリア再開発が進んでいます。勿論、新しいものを作ることも大事なことではありますが、守るべきものはそれとしてしっかりと残して欲しい。そんな思いを抱きつつ、メモリアルな年に日本の国際化が始まった場所で食事をするというのも、なかなか乙なものではないかと思います。

 さて枕が随分と長くなりましたが、この「スカンディア」は、創業が1963年と横浜で半世紀近くに渡り愛され続けている、北欧料理を提供する老舗レストランです。ファンの間ではかのユーミンこと松任谷由実がよく利用していたことでも知られているレストランで、聞けばユーミンが松任谷正隆氏と結婚する時に荒井家と松任谷家が顔合わせをしたのがこのレストランだったそうです。カジュアルに楽しめる1Fの「スカンディアガーデン」と本格的なコースなどが楽しめる2Fの「レストランスカンディア」がありますが、どちらもデンマーク料理やノルウェー料理をベースにした、荒川料理長のオリジナル料理を堪能出来ます。

 スカンディアは北欧料理専門店というだけあって「スモーガスボード」が看板メニューになっています。スモーガスボードとは簡単に言えばビュッフェ料理のことで、日本のビュッフェ料理発祥でもある帝国ホテルの故犬丸徹三氏が北欧でスモーガスボードに出会ったことから、かの故村上信夫シェフに命じて日本流スモーガスボードである「バイキング」が生まれたのです。こちらのスモーガスボードは人数分の料理が大皿で来てシェアするスタイルで、日本のバイキングというよりもどちらかと言えば卓袱料理に近いものがありますが、いずれにせよお腹いっぱい料理を楽しめるという意味では変わりありません。

 もちろんスモーガスボード以外の一品料理も充実しています。海に囲まれたスカンディナヴィアだからこそ、サーモン、ニシンなどの魚介類などを使ったメニューが中心ですが、デンマークやノルウェーの家庭料理などをアレンジした小皿料理も人気です。またカレーやカツなどいわゆる洋食的なメニューがあるのも楽しいですね。ステーキやハンバーグなどのグリル系は炭火で焼き上げた香ばしいものばかりですし、ジャガイモなどをざっくりと崩して煮た付け合わせに北欧の臭いを感じます。また軽くランチを楽しむならばカジュアルな1F、ちょっとシックにディナーを堪能したければ2FとTPOに応じて使い分けが出来るのも嬉しいです。1Fのランチならば1,500円足らずで十分堪能出来ますし、ディナーのスモーガスボードで6,000円、アラカルトもおそらく10,000円程度で十分ですし、コースも6,000円〜10,000円の幅で味わえるのでリーズナブルです。

 この日は山下公園あたりからぶらっと散歩をしていてランチを食べたくなって、1Fのガーデンの方へ立ち寄りました。スカンディアのランチのスペシャリティは3種類のコロッケ風のフライが乗った「ノルウェーの家庭料理」(1,300円)ですが、「デンマーク風ハンバーグ(写真)」(1,300円)なども人気です。これらのメインにパンもしくはピラフがついて税込みで1,300円(2Fではそれにスープやアイスなどがついて1,890円)というのはなかなかのコストパフォーマンスではないでしょうか。この日はそんな「デンマーク風ハンバーグ」をチョイス。これはデンマークでは「フリカデラ」と呼ばれるもので、豚肉を使用したハンバーグのようなものです。炭火でちょっと焦げ目がついた香ばしいフリカデラの上にはフライドオニオンがたっぷり。甘味のあるソースもじゃがいもの付け合わせも、北欧ですからラタトゥイユとは言わないのでしょうが野菜の煮込みも、どことなく素朴な感じがして温かみのある味わいです。

 日本の国際化が始まった原点とも呼べる場所に佇む風格ある昭和の面影残るビルで、半世紀もの間浜っ子たちに愛され続けている北欧料理の老舗レストラン。そんな時が止まったような空間で伝統の北欧の味をご堪能あれ。

Scandia■北欧料理:スカンディア
神奈川県横浜市中区海岸通り1-1
045-201-2262
11:00〜24:00 ※2Fは日曜のみ17:00〜24:00
無休(年末年始を除く)

Friday, 16 January 2009

西麻布五行@西麻布

Gogyom多一風堂を展開する「力の源カンパニー」が手掛けるラーメンダイニング「五行」。当初、博多の一風堂西通り店の上階にあったお店でしたが、博多店は今では別の場所に移転して、博多以外にも西麻布、京都、銀座、代々木上原と5店舗まで増えました。僕も大好きなお店の一つですが、そんな五行初の支店にして東京初進出の店が「西麻布五行」です。

 一軒家レストランやダイニングバーなど、小洒落たお店が立ち並ぶ星条旗通りにこちらのお店がオープンしたのが2003年6月ですから、早いものでもう6年近くが経つのですね。ちなみに星条旗通りというのは、この通り沿いに米軍が発行している機関紙「Stars & Stripes」の出版元「星条旗新聞社」があるからなのだそうです。この辺りだと昔はよく「かおたんラーメン」通称「えんとつ屋」に足を運んだものです。この西麻布五行は「中華麺酒場」というコンセプト通り、お酒とつまみが楽しめて締めにラーメンを味わえるお店です。ゆったりした雰囲気の中、深夜遅くまでまったりと過ごせるのが気に入っていて、仕事でもプライベートでもよく利用するお店です。昨夜は出版社の編集と打合せに使い、仕事半分で楽しい時間を過ごしました。

 看板などどこを見てもラーメンの文字は書かれていませんので、知らない人が通ったらラーメン屋さんとは思わないかも知れません。しかしどことなく懐かしさを感じさせる看板や提灯は、鼻の効く人ならば思わず立ち止まらずにはいられないファサードの重要な要素になっています。店内は落し気味の照明で、深々と座りゆったりとくつろげるソファ席が多く配されています。ラーメン屋さんというのは1席あたりをいかに多く回すか、即ち回転率が重視されるわけですが、この店はラーメンを楽しめるダイニングバーですから、回転率よりも滞留時間に重きが置かれているように感じます。居心地が良ければ長居する。長居をすれば注文も増える。注文が増えれば客単価が上がる。ドリンクが出ればより利益率は上がっていきますから、ラーメンを何杯も出すよりも利益率はいいわけですね。

 時にこのような形態のラーメン店の価格を高いと言う方がいらっしゃいますが、ただ食事だけをパパッと食べるラーメン店とは異なり、こういうラーメンダイニングの場合は空間を楽しむ場所代であったり、サービスの料金も含まれていると考えれば、むしろ五行のコストパフォーマンスはいいのではないでしょうか。とは言え五行自体も銀座に出店した数年前までは、どちらかと言えば高価格志向のお店でしたが、ここ数年でメニューも絞り価格帯も低くなって、一品料理はどれも500円前後で頼めるようになりました。ましてやオープン当初と異なり、最近ではマスコミに単純に「ラーメン店」として露出する機会も多くなっているため、ラーメンだけを食べて帰るお客さんも時折見かけます。そんな中、西麻布でこの内装、サービスがあっての一杯850円というのは、片田舎にある小汚い雰囲気でサービスのサの字もないようなラーメン屋で700円のラーメンを食べるよりは、お金と時間の使い方としては遥かに有意義であろうかと思います。

 しかしやはり五行を存分に楽しむためには、ラーメンだけを食べて帰るのではなく、ゆったりとソファに深く腰をかけ、手羽先やらモツのサラダやら、炙り明太子やらをつまんで酒を飲み、自慢の中華麺で締める使い方をお薦めしたいところです。ラーメンは醤油、味噌、塩など5種類ありますが、この店の看板メニューはスープを火を立てて焦がす「焦がし」の醤油と味噌。どちらも好きですが、個人的には「焦がし醤油(写真)」(850円)が好みです。熱々に熱したスープの表面からは湯気が出ず、その油の膜に蓮華を入れると醤油を焦がした香ばしい香りがふわっと立ちこめます。自家製の低加水の平打麺は博多ラーメンのもつざっくりとした食感を感じさせながら、今までにない味わいの麺になっています。こういうタイプの醤油ラーメンはありそうでなかなかありません。ここにしかないオリジナルの一杯になっていると思います。

 言わずと知れた五行のオーナーである河原成美さんにこのラーメンについて伺ったことがあるのですが、札幌の「すみれ」と千葉の「梅乃家」に出逢わなければこのラーメンは出来なかっただろうとおっしゃっていました。スープを鍋で焼いて熱々にするという札幌ラーメンの手法であったり、真っ黒い醤油を全面に出した竹岡式ラーメンの存在感であったりに、刺激を受けたということなのでしょう。博多ラーメンが正しいラーメンだと思っていた河原さんは、そういう色々なラーメンの作り方を見て、ラーメンとはもっと自由であっていいのだと思ったのだそうです。その考えにたどり着かなければTVチャンピオンの3連覇もなかったでしょうし、五行のラーメンもきっとなかったでしょう。あるラーメンに刺激を受けて、そのラーメンに敬意を表し、そこからオリジナルのものを創出するその姿勢こそが「真のインスパイア」であり、昨今言われているインスパイア系などという安易な言葉で括られるラーメンは、元のラーメンに対してのリスペクトに欠けた「劣化コピー」あるいは「パクリ」でしかありません。

 五行の登場以降、同じようにラーメンを食べさせるラーメンダイニング的なお店を時折見かけるようになりましたが、得てしてそういうお店の場合はコックコートやギャルソンコートなんかを着込んだりして、フレンチレストランやイタリアンレストランに寄っているといいますか、穿った見方なのかも知れませんがラーメン店であることをどこか恥ずかしいと感じているような、ラーメン店であることを自ら否定しているような姿勢が見受けられます。しかし五行の素晴らしいところは、スタイリッシュでありながら結局のところはレストランなどではなく、ダイニングバーというか要は居酒屋で、店内には気取った雰囲気がなく気軽に過ごせる空間になっているところ。スタッフの接客も常に元気があり店内は活気に溢れています。ここは何屋かと問われたら「ラーメン屋です」と言い切れる自信と言いますか、そもそもの「出自」というものを忘れていないのです。その潔い姿勢がとても心地よく、僕はまたこの店へ足を運ぶのです。

Gogyo■ラーメン:西麻布五行
東京都港区西麻布1-4-36ロジマン西麻布1F
03-5775-5566
平日 11:30〜16:00(15:30LO)17:00〜翌3:00(翌2:30LO)
日祝 11:30〜16:00(15:30LO)17:00〜0:00(23:30LO)
無休

Thursday, 15 January 2009

ニュースCマスター(1/15 O.A.)

Ncm日午後9時からオンエアされる「ニュースCマスター」(チバテレビ)に出演します。レギュラーコーナーで紹介したお店が110軒を超えたので、恒例のスペシャル企画「110回突破記念スペシャル」として、今週と来週の2回に分けて、千葉県内の美味しい「日本蕎麦」を「麺」という切り口からご紹介していきます。前編の今回は浦安市と千葉市にある美味しいお蕎麦屋さんをご紹介しています。どうぞお楽しみに。

■テレビ:ニュースCマスター(チバテレビ)木曜午後9時

Wednesday, 14 January 2009

キミツ万次郎らーめん@君津

Manjirom津市に昨年11月にオープンした新店です。君津駅からはちょっと離れた場所にあります。国道127号からだと八重原交差点を君津駅の方に向かって1キロ弱。線路を越える立体交差の手前左側にあります。よくもまぁこんな場所のお店を見つけたとお思いかも知れませんが、こちらは君津市内の数軒のラーメン店の方から教えていただいたのです。ちなみに僕に教えて下さった方は皆食べたことがないとのこと。なので店名以外の予備知識がないままに突入です。飲み屋だか食堂だかを居抜きで使っているような雰囲気のお店です。こういう雰囲気の店は原則外すことが常なのですが、こと内房エリアに関してはそうでもないことが多々ありますので、油断は禁物です。店を外観だけで判断してはいけません。

 店内は和風というか昔の食堂のような、こざっぱりとした雰囲気で外観から察した通りの感じです。4名用のテーブル席が5卓ほどに、座敷席にも4名用の卓が2卓。先客ゼロで白い調理着を着た初老の店主が新聞を読んで座っていました。これも正直想定の範囲内でした。郊外の店にありがちなやる気のないぬるい雰囲気の店。緊張感のかけらもない店。外観からはそんな風に思っていたわけですが、店内に入ってその思いは間違いないと思いました。

 しかしここからが僕の予想とは異なりました。てっきりやる気のないご主人がてれんこと立ち上がり「らっしゃーい」とだるい声を掛けてくるのかと思いきや、僕が入ったのを認めるとスッと立ち上がり「いらっしゃいませ!」と、とても元気の良い声を掛けて水を出して下さいました。やはり元気な挨拶というのは気持ちの良いものです。そして一気に期待が高まります。それだけ挨拶や声掛けというのは飲食店にとって重要な要素だということですね。

 壁にあるメニューに目をやると「ラーメン」(600円)「ラーメン(大)」(650円)「チャーシューメン」(700円)「チャーシューメン(大)」(750円)の4種類しかありません。店の雰囲気同様に非常にシンプルです。また別の場所に書かれたメニューに「梅割焼酎」(400円)という文字を見つけました。基本のラーメンを注文して暫し待ちます。厨房は半分クローズドキッチンといった状態なので、席からは中の様子を伺い知る事は出来ません。

 そしてほどなくして出て来た「ラーメン(写真)」(600円)は、これもまたある意味出て来る前から想像がついていたことではありますが、真っ黒い透明な醤油スープに縮れ麺、刻みタマネギが乗った、いわゆる「房総ラーメン」のビジュアルをしておりました。そしてその味わいもまさにそういう味でありました。中太の縮れた麺は柔い茹で加減になっており、これはもう間違いなく文明軒の麺であろうと思いますし、スープは限りなく透明で出汁感の全く感じさせないスープで、チャーシューの煮汁を使った醤油ダレが全面に出ている印象です。この基本的な麺とスープの構成要素はいいとか悪いとか、美味しいとか不味いとかではなく、これはもう房総ラーメンの基本パーツということで納得するしかないわけであります。よってここに関してコメントをすることそのものが野暮ではないかとも思うのですが、敢えて言うならばカエシのバランスが低く味が薄い、麺の茹で時間が少々長く柔らか過ぎる、という二点は指摘しても罰は当たらないのではないかと思います。

 しかし、この店のラーメンはよくよくみて見ると随分と豪華です。タマネギも「梅乃家」よりも多いですし、肉厚で柔らかく醤油臭いチャーシューもなんと5枚も乗ってきます。さらには海苔や煮玉子まで入っています。これはもしかしたらチャーシューメンの間違いか、あるいはサービスをして下さったのかとご主人に尋ねたところ、チャーシュー5枚が基本なのだそうです。ちなみにチャーシューメンは100円プラスなのですが、8枚になるのだとか。玉子は最近主流の半熟ではなく、しっかりと茹でてあって味も染みたおでんの玉子のような味玉です。これを600円で出しているというのは、それなりに頑張っていらっしゃるのではないでしょうか。立派だと思います。

 しかしながら良くも悪くも内房に広く分布する定番の房総ラーメンです。こういうタイプのラーメンならば、近隣にワンコインで味わえる店がいくらでもあります。それとの差別化もあってのチャーシューなり味玉なのかも知れませんが、既存の人気店を振り切るだけのアドバンテージには僕の中では正直成り辛かったです。また、これもラーメンの面白いところかも知れませんが、房総ラーメンなど誰が作っても同じようなものになりそうなものですが、人や店によって味わいが全く異なるのですね。ですから房総ラーメンなら何でも売れるというわけでもない。なかなか難しいところではあります。

 とは言えご主人の元気な接客と優しい笑顔、ていねいな所作は大変心地よいものがありました。ぜひいつまでもお元気で、頑張っていただきたいと感じるお店でありました。

Manjiro■ラーメン:キミツ万次郎らーめん
千葉県君津市南子安2-23-22
11:00~17:00
第3木曜定休

Tuesday, 13 January 2009

らーめん月うさぎ@木更津

Tsukiusagim_2更津市ほたる野という場所に昨年11月にオープンした新店です。ほたる野という地名から想像がつくように、このあたりは新興住宅地と言いますか、新しく整備された街作りが成されているエリアです。近くには大きなショッピングセンターや学校もあります。その街並の一角の集合住宅でしょうか、1階テナントの1軒としてこちらのお店が入っています。

 11月から数ヶ月経ってしまった理由は、実は何度も足を運んでいながら振られていたのですね。開店して間もないこともあり、現在は昼営業のみでしかもスープ切れで終了という営業スタイルでやられているようです。そうなると朝が遅い僕としてはなかなか厳しいものがあるのです。実際、この日はなんとか12時過ぎにお店に行くことが出来ましたが、13時を待たずしてスープ切れで終了となっていました。11時半からの営業開始ですから、実質1時間半程度で果たして何杯売っているのか定かではありませんが、それで商売が成り立つのか要らぬ心配をしてしまいます。店は店主と思われる年輩の男性と、2人の女性の3人で回していらっしゃいます。女性の方はホールにトッピングにと忙しいです。お昼時にテーブルはほぼ満席となかなかの人気振りです。

 こちらのお店は老舗製麺所「大成食品」の手掛ける「鳥居式らーめん塾」の卒業生の方が開業されたと伺いました。いわゆる「麺彩房系」とでも言いましょうか、簡単に言えば「濃厚豚骨魚介」味のラーメンを得意とするラーメン塾です。大成食品の系統のお店としては、千葉県内では大成食品直営の「中華そば麦家」を筆頭に、外房で数軒支店を展開する「麺家一徹」であったり、昨年では二和向台の「ふえ木」や、旭の「べほまずん」などがありますが、いずれも人気を博しているお店ばかりです。

 注文は券売機で注文するのですが、メニューはシンプルに「らーめん」(680円)「つけめん」(750円)の2種類しかありません。それぞれ「大盛」(+100円)と「特製」(+200円)のバリエーションはありますが、トッピングのボタンがないというのも珍しいと思います。基本のらーめんには味玉などが乗っていないわけですから、味玉トッピングなどあれば売れると思うのですが。

 「らーめん(写真)」(680円)はズドンと大成麺彩房系直球のビジュアルです。白濁した濃度のあるスープはしつこさがなくまろやかな口当たりです。魚粉を感じさせることなく、動物系と魚介系の旨味を十二分に蓄えたスープは一杯ずつ小鍋で温めて仕上げています。中太のやや縮れた多加水麺はイメージしたよりもしっかりした食感で、もしかしたら若干熟成し過ぎているのかも知れません。柔らかく煮込まれたチャーシューも良く、バランスのいい一杯に仕上がっていました。

 また「つけめん」(750円)もこれまた麺彩房系の一品になっていました。適度な酸味と甘味が加わったつけダレはそこそこの濃度を持っています。そこに大成の看板とも言える瑞々しい多加水太麺が合わせられています。茹で加減や水の締めが甘いようで少々食感に違和感を覚えましたが、やはりこの麺はいい麺だと思います。基本で200gとのことですがスルッと入ります。

 しかしつくづく感じるのは、ラーメンの進化のスピードと言いますか、この手の豚骨魚介ラーメンを最初に食べたのが果たしてどのお店だったか定かではありませんが、少なくともその当時に食したラーメンよりも今日食べたラーメンの方が遥かに完成度が高い一杯だと思うのですね。しかしその当時に食した時に覚えた衝撃や感動がないのです。それだけこのタイプのラーメンを出すお店が増え、僕たち食べ手も慣れてきているということなのでしょう。美味しいラーメンというだけでは人は感動しない。それはある種恐ろしいことでもありますし、そしてある種哀しいことでもあります。と同時にやはり何十年も変わらぬ味を出し続けて、それで変わらぬ人気を保ち続けている老舗ラーメン店を改めてリスペクトするわけです。

 ただ、房総の濃い色をした醤油ラーメンが大半のこの木更津エリアにおいて、このタイプの豚骨魚介ラーメンは稀有な存在ですし、食べたことのない味ではないかと思います。ぜひ地元の方には足を運んでいただきたいお店だと思いました。

Tsukiusagi_2■ラーメン:らーめん月うさぎ
千葉県木更津市ほたる野1-20-2
0438-98-4800
11:30~15:00,17:30〜20:30
火曜定休

Monday, 12 January 2009

らぁ麺つけ麺ふえ木@二和向台

Fuekim和向台という失礼ながらも少々マイナーな場所に、昨年10月にオープンした新店がこの「ふえ木」です。インターネットの普及によって、今や開店情報は準備段階から逐一情報が発信される時代となりました。こちらのお店もSNSを通じてご主人と交流が出来、オープン前からやれデザインが出来た、ほれ看板がついた、スープが完成した、保健所の検査が通った、なんてのを時折拝見していました。そうすると面白いもので普通の人であればある一定の感情移入はあるんですよね。僕はさすがにそこである程度踏みとどまるようにはしていますが、やはりオープン初日に足を運んだくらいですから、若干の感情移入はしていたのかも知れません。

 ご主人の笛木さんは元々ラーメン好きで、自作ラーメンもやっていた方だそうです。その趣味が高じてラーメン店をやりたいと思い脱サラ。人気製麺所「大成食品」の手掛ける「鳥居式らーめん塾」で一通りを学んだ後、さらに「ラーメン二郎」など数軒で修業を積んで独立開業されました。ラーメン好きのご主人が作るラーメンですから、恐らく自作ラーメン自体もいいラーメンを作っていたと思いますが、その後プロの店でしっかり学んでさらにラーメン塾にも通うところに、真面目さといいますか堅実さを感じます。しかし落ち着いて考えればそもそも堅実な人生を歩むのであれば、脱サラしてラーメン屋にはならないのでしょうが。元々は音楽が好きでCDショップを開きたかったそうですが、今の時代個人の小さな店では大手に敵う時代ではなく、もう一つの夢であるラーメン店を開くことにしたのだそうです。

 お店は比較的交通量の多い県道沿いに立っています。店の前にスペースがなく、店のツラが県道ギリギリに面しているため、思ったよりも視認性が低いです。専用の駐車場はありませんが、隣接するマルエツの駐車場がコインパーキングになっており一般利用も可能で、さらにマルエツを利用すれば1時間無料になっています。お店は手作り感にあふれるシンプルな作りでカウンターが8席のみ。注文は券売機で注文となります。こちらのメニューは大きく分けて3種類。「らぁ麺こってり」「らぁ麺あっさり」(各700円)そして「つけ麺」(750円)です。オープンして3ヶ月が経ち、少しずつリピート客が増えてきて、お昼時などは客足が途切れることがありません。

 「ラーメン二郎」や「ラーメン大」といった、二郎系と言いますかガッツリラーメン店で働いていたご主人ですが、この店で出しているラーメンはいわゆる濃厚豚骨魚介の大成系の味わいのラーメンです。自作ラーメンをやられていた経験や、麺まで打てるスキルをお持ちで、さらには二郎系が好きで働いていながら、なぜ濃厚豚骨魚介なのか不思議に思いましたが、商売として捉えた時に今流行のものを売るというのは間違いではありませんし、さらにはこの近辺に同じような味がないとなればなおのこと、その選択は正しいのではないかと思います。僕ももしこの場所でやるなら二郎系のラーメンはやらないように思います。それはこのエリアの客層がかなり高い年齢層になっているからです。

 ではそんな場所で出すラーメンは、二郎系ではなく濃厚豚骨魚介系なのか?と言われれば正直それも疑問ではあります。しかし、少なくとも爆盛の山のようなガッツリラーメンよりは、年輩の方には受け入れて貰えるのではないかと思います。だからこそらぁ麺にはこってりの他にあっさりが用意されているのですね。しかし、何度かに分けて一通りのメニューを頂きましたが、今現在こちらのスープは開店当初よりもさらに濃度が上がり偉い事になっています。豚骨、鶏ガラにモミジや豚足などが加わって骨の旨味と肉の味が足されたスープに魚節や煮干しが加わえて作っていくスープは、ていねいにしっかりと漉されているためにざらつきがなく、滑らかな口当たりになっています。その滑らかで食べやすい味わいはそのままに、素材、煮込み時間なども見直しをはかって、2日かけて取るスープは明らかにレベルアップしており、濃厚豚骨魚介好きには大変満足のいく味になっているのではないでしょうか。

 そしてベースの濃度が上がったために、オープン時に較べて今「らぁ麺あっさり(写真)」(700円)のスープのバランスが実に良いのです。こちらのお店の場合、こってりとあっさりの違いというのは、油を足した引いたということではなく、こってりのスープと和出汁のWスープになっているのがあっさりなのです。そもそものベースがかなり濃いので、割っても何ら物足りなさを感じませんし、和出汁で割った方がより複雑な旨味を感じさせてくれます。大成食品の多加水中太麺との絡みも悪くありません。このスープをあっさりと呼べるのは、あくまでもこってりとの比較対象があるからであって、見るからに濃厚な豚骨魚介スープですし(冒頭の写真がらぁ麺あっさりです)、これだけを味わったら誰もこのラーメンをあっさりとは思わないでしょう。個人的にはこってりよりもあっさりの方が個性的ですし、大変美味しいと感じています。

 しかし、このバランスではますます年輩の方の嗜好からは外れていくようにも感じるのですが、慣れというのは恐ろしいもので意外にも年輩の方が結構スープを飲み干してくれるのだそうです。もちろん心から美味しいと思って飲んで下さっているのでしょうが、もっとあっさりした味わいのスープを提供したら、それはそちらの方がいいと言うのではないかしら。自分の味だけではなく、お客さんのニーズに合った味を提供するのも、こういう場所でラーメン店を営む人の努めであるようにも思いますし、そもそも引き出しの多いご主人だからこそ、ぜひ鶏ガラだけで取ったようなサッパリあっさり味のラーメンを出して頂きたいなぁと思ったりしています。

Fueki■ラーメン:らぁ麺つけ麺ふえ木
千葉県船橋市咲が丘3-1-23
047-440-5666
11:00~14:00,18:00~20:00
※通し営業の場合もあり
火曜定休

Sunday, 11 January 2009

ラーメンマップ千葉3

Rmc3葉初となる本格的なラーメンガイドブックとして、僕が昨年春に出版した「ラーメンマップ千葉1」はおかげさまで大ヒットとなり、2度にわたる増刷をさせていただくほどの売れ行きになりました。その冬には早くも続編となる「ラーメンマップ千葉2」も刊行、こちらも大ヒットとなりました。そして1年を経ていよいよこの冬、待望のシリーズ第3弾となる「ラーメンマップ千葉3」を上梓致しました。発行はこれまでのシリーズ同様、埼玉の元気ある出版社「幹書房」さんからの発行となります。

 第1弾となるマップ1については、他の本よりも収録軒数を厳選して1軒あたりたっぷりと2ページも割いて、短いセンテンスではなくしっかりとした文章量で、お店やラーメンについて語ろうというコンセプトで作りました。続編となる第2弾のマップ2では、そのコンセプトは引き継ぎながらも、類書の続編に見られるような一部の収録店の差し替えによる本ではなく、マップ1には一切掲載されていない新規の店だけで続編を作りました。そして今回の第3弾、マップ3ではこれまでの1や2に掲載されたお店も紹介していますが、これまでに取材した内容や撮影した写真、文章などの流用をしないで、あらためて今現在の千葉ラーメンを俯瞰してガイドを作り直そうというコンセプトの下、半年かけて取材して一からガイドブックを作り上げています。類書では通常これまでの素材で使えるものは流用して使い、取材の労力や経費を軽減させるのが常であったりします。

 しかし、既存のガイドブックで僕が一番納得がいかない部分がこの素材の流用なのですね。人気シリーズと言われているガイドブックでさえも、何年も同じ写真や情報を精査することなくそのまま流用しているのが現在のラーメンガイドブックの現状です。もちろん作り手の側に立てば流用すれば取材経費がかからないわけですし、編集時間も短縮されるなど、コスト的にもスケジュール的にもメリットがあるのは非常に良く分かります。しかり読み手の側に立てば、それが安くなるならさておき、なぜ単なる流用の本に同じ価格を払わなければならないのかと思うわけですね。今後どうなるかはさておき、少なくとも今回に関しては作り手側の論理ではなく読み手側の論理に立った本作りがしたいと、出版元の幹書房さんにお願いしたところ、広いお心にて僕の我がままを聞いて頂けたんですね。それで最新の情報と最新の写真がたっぷりと詰まったこの本が完成したのです。出版不況と言われる昨今、幹書房が元気なのはこういう攻めの姿勢を崩さないからなのだなと改めて感じました。この場を借りて幹書房の関社長に心より感謝を申し上げたいと思います。

 もちろんこれまでの作品同様に、盟友の写真家山西隆則さんのセンスが光る素敵な写真がいっぱいです。どうぞ他のラーメン本と写真を比べて下さい。どれだけ彼の写真が上質で、ラーメンの温かさや美味しさの瞬間を切り取っているかが分かるでしょう。と同時にどれだけ他のラーメン本が写真を軽視しているかが分かるでしょう。彼がいなければこの本は出来ませんでした。彼にもこの場を借りて感謝です。

 というわけで、おかげさまでこの「ラーメンマップ千葉3」も1、2同様に初動は好評のようです。県内の書店、セブンイレブンで絶賛発売中です。あるいはAmazonでも注文が可能です。どうぞよろしくお願いします。

■書籍:ラーメンマップ千葉3(幹書房)1,050円

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Saturday, 10 January 2009

麺家樹幸@土気

Jukom房線土気駅の南側に広がる「あすみが丘」は、東急グループが開発した閑静な住宅街の街並が美しいニュータウンです。一時期高級住宅分譲地として名を馳せた「ワンハンドレッドヒルズ」で有名になった場所ですが、ワンハンドレッドヒルズという名前は知らなくても「チバリーヒルズ」という言葉は聞いたことがあるかも知れません。バブルの象徴のような高級住宅が建ち並ぶ、ある種色物的で下品な光景は随分とテレビなどでも取り上げられたものでした。

 そんな一時のブームのようなものは去り、落ち着きを取り戻したこの住宅街の中にひっそりと佇む、隠れ家のような人気店が「麺家樹幸」です。こちらのお店は長年フレンチのレストラン「La Maison」として人気を博していましたが、2002年の11月になんとラーメン店へとリニューアルというユニークな経歴を持つお店です。ですからこちらのお店は元々フレンチレストランだった店主の住宅を利用しており、住宅街に完全に同化した可愛らしい一軒家で、看板や垂れ幕がなければ恐らく誰もここがラーメン店だとは思わないでしょう。そのお店の雰囲気同様に、ご主人と奥様、お嬢さんによるアットホームな雰囲気もとても心地よく、僕も個人的に大好きなお店だったりします。

 フレンチ出身ということで洋食的なラーメンを想像するかも知れませんが、こちらのラーメンは純然たる和風ラーメン。熟成された醤油ダレの風味を活かし、そこに背脂を浮かべたあっさりとした味わいの「中華そばこくまろ醤油」が一番人気です。化学調味料に頼ることなく、素材の良さをしっかりと引き出したスープに、醤油の香りや風味を立たせたバランスが面白いです。麺は人気製麺所「カネジン食品」に特注した中細麺は、スープと見事に一体化しています。ステーキパンで香ばしく焼き上げたチャーシューも絶品です。オープン以来多くの雑誌やテレビなどでも紹介され、今や千葉を代表する人気ラーメン店になりました。

 そんな樹幸で今年から新メニューが登場しています。その名も「中華そば 進化の塩 新味2009(写真)」(790円)。これまでも「中華そば塩味」は存在していましたが、味を見直して改良するために暫くの間お休みとなっていました。しかし常連さんからの要望も多く寄せられていて、日々研究を重ねた結果ようやく満足のいく新作が完成したのだそうです。研究中に色々なラーメン店を食べ歩いて刺激を受け、様々なアイディアを試行しつつ完成させたという塩ラーメンは、一言で言えば樹幸らしい、中島さんらしい一杯で、今まで以上に洗練された味わいになっていると思いました。

 手際良く作られ出て来た新しい塩ラーメンは、まず丼から立つ香りが違います。椎茸のふくよかな香りがふわっと広がり食欲を誘います。椎茸や昆布などの和素材をたっぷりと使い、素材の旨味を香り油に移しているため、素材の香りのみならず旨味までもが油やスープに溶けていて、味そのものも強くなっています。その結果、基本的なスープベースは従来と変えていないのですが、全体的に強い味わいに進化しているのです。もちろん他のメニュー同様に、この塩ラーメンも化学調味料に頼らずにすっきりと仕上げていますが、素材の旨味を全面に出してしっかりとした輪郭を感じさせつつも角は立たずにまろやかに仕上げているのはお見事です。「進化の塩」という名に相応しいラーメンになっていると思いました。

 今までには無かった新しい試みをいくつも取り入れていながら、それでいてちゃんと樹幸の一杯になっているのは、同じ人が作っているわけですから当然と言えば当然なのでしょうが、そこがラーメンの面白いところでもあります。美味しい塩ラーメンが少ないなどとお嘆きの貴方に、迷うことなくこの塩ラーメンをお薦めします。

Juko■ラーメン:麺家樹幸
千葉県千葉市緑区あすみが丘8-27-5
043-295-6761
11:30~15:00(14:45LO),18:00~21:00(20:45LO)
火曜及び第135月曜定休

Friday, 09 January 2009

ラーメン専門札幌三代目月見軒@南砂町

Tsukimikenm年初のラーメンは、フードコートのラーメンでした。人によっては新年最初のラーメンはどこで食べよう、みたいなことを決めていらっしゃる方もいるのでしょうが、僕としてはそこは何となく時の流れに身を任せて決めたいのですね。成り行きでどこで食べることになるのか、それがまた楽しかったりします。ちなみに昨年、2008年の初ラーメンは復活した「東池袋大勝軒」で「特製もりそば」でした。待望の復活を遂げた大勝軒の一杯は、これはなかなか新年一発目っぽいお店ではありましたね。

 さて、そんなわけで今年一発目のラーメンは昨年秋に南砂町にオープンしたショッピングセンター「SUNAMO」のフードコートでした。ちなみに訪れたのは1月6日のこと。こちらのショッピングセンターには2軒のラーメン店が入っているのですが、どちらもフードコートでの営業になっています。最近のフードコートはしっかりとしたラーメン専門店が入っていることが多く、ここのフードコートには札幌の老舗「月見軒」と、池袋の人気店「屯ちん」が入っています。せっかくですのでその両方を食べてみましたが、個人的に印象に残ったのは「月見軒」の方でした。

 「月見軒」は何年か前に高速の脇にある札幌本店で食べたことがありますが、老舗らしからぬ濃厚な味噌スープに満足したのを覚えています。半世紀の歴史ある老舗の一杯は、厳寒の地に相応しく熱々の味わいでした。月見軒といえば、昨年春に同じく江東区の門前仲町で「みすじ」という屋号で都内初進出をしていたはず。なぜその時に月見軒の屋号を使わずに、今回南砂町でしかもフードコート店舗に使ったのかが不思議です。どうもやはりフードコートというと安っぽいイメージを持ってしまうわけで、これは同じ札幌の人気店「すみれ」がフードコートに進出した時にも感じたことですが、ただよくよく考えてみればフードコートというのは席のある固定店と違い、回転率がとても良くホールに人を置く必要もないので商売的には非常に効率が良いビジネスモデルとも言えます。そういう狙いであるならば逆に名前の通っている屋号を打ち出すのは戦略としては賢いのかも知れません。

 「味噌らーめん(写真)」(800円)はフードコートにしてはなかなか強気の値段と言えなくもありませんが、昨今のフードコートは一昔前のフードコートとは違い、通常のお店と比べてもさほど安くはありません。しっかりと店名の入った丼にたっぷりと油を含んだスープがなみなみと注がれています。中太の縮れ麺の茹で加減も申し分無し。丼まで熱々のこれぞ札幌味噌ラーメンという味わいです。待っている間に厨房を覗いてみましたが、しっかりと鍋でスープと味噌だれを温める手間をかけていました。これはフードコートという部分を抜きにしても、なかなか頑張っているラーメンと感じました。機会があれば今度は醤油ラーメンをぜひ食べてみたいと思いますが、この施設自体があまり魅力を感じないので、次に来るのは果たしていつになることやら。

Tsukimiken■ラーメン:ラーメン専門札幌三代目月見軒SUNAMO店
東京都江東区新砂3-4-31南砂町ショッピングセンターSUNAMO4F
03-5677-0677
10:00~21:00
不定休(SUNAMOに準ずる)

Thursday, 08 January 2009

ニュースCマスター(1/8 O.A.)

Ncm日午後9時からオンエアされる「ニュースCマスター」(チバテレビ)に出演します。今年初めての「千葉ラーメン百科」になります。早いもので今年で4年目を迎えることが出来ました。これも皆さんの熱いご支援の賜物です。今年も美味しいラーメンをいっぱいご紹介したいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 おかげさまで昨年末のオンエアで紹介店の数が110軒となり、通常であれば110回突破記念スペシャルなのですが、新年早々の回でスペシャルというのもアレですので、今回はレギュラーコーナーとなっています。通算111軒目のテーマは「ご当地ラーメンを目指して」。新たなる千葉のご当地ラーメンを目指して奮闘されているラーメン店をご紹介します。ぜひご覧下さい。

 ちなみに110回突破記念スペシャルは、1/15と22の2回にわたりお送りする予定です。こちらもどうぞお見逃しなく!

■テレビ:ニュースCマスター(チバテレビ)木曜午後9時

Wednesday, 07 January 2009

初音庵@成田

1045843929_139になって蕎麦が美味しい季節になって来ました。秋こそ新蕎麦の季節、などとおっしゃる方もいらっしゃいますが、やはり秋に収穫した新蕎麦が美味しくなってくるのは冬の今の時期。大晦日の年越し蕎麦から美味しくなっていく、というのはよくお蕎麦屋さんが口にすることです。味はもちろん香りもよく色もよく。考えるだけでもわくわくしてきます。今、蕎麦が美味いですよ。さぁ、蕎麦を喰いに行きましょう。

 千葉には美味しいお蕎麦屋さんが数多くあります。昨年秋には千葉ウォーカー初となる蕎麦特集を自ら企画し取材執筆しましたが、あまりにもいいお店が多いので掲載店を選ぶのが本当に苦労するほどでした。その時の特集でも取材でお世話になったお店で、僕が大好きなお店の一つが成田にある「初音庵」というお店です。こちらは成田とは言っても市街地から離れた場所にあり、利根川が程近い場所の山の中にあります。竹林の中にたたずむ、茅葺き屋根の築200年とも言われる古民家がお店で、その風情はまさに「雀のお宿」。先代はこの竹林に来た人たちをもてなす場としてこの庵を立ち上げたのだそう。この雰囲気を味わうだけでも行く価値があるお店です。

 神田やぶの流れを汲むこちらのお店。「霧下そば本家」の蕎麦粉を使い二八で打つ蕎麦は、中太で均一に切られた表面が艶やかで美しいです。瑞々しく香りも高く喉越しがいい蕎麦は量も多く、上品な蕎麦屋で物足りずにかと言ってお替わりを頼むのは江戸っ子的にいかがなものか、などという余計な心配が一切不要です。甘みが立ちながら辛さもある濃い口のそばつゆが力強く蕎麦を受け止めます。「もりそば(写真)」(735円)だけでも十分満足出来ますし、天婦羅もまた一級品ですし、種ものをいただくもよし、うちわ焼きなどの一品ものをいただくもよし。お酒を飲まない僕でもついつい長居をしたくなるお店なのです。

 二代目の大場さんご夫妻はいつも温かい笑顔で出迎えて下さいます。二人のご子息も明るくて元気でいい子です。小学生のお兄ちゃんはラーメン好きで、成田市内はもちろんのこと千葉や柏にまでラーメンを食べに行くという強者です。こういう温かみのあるご家族が営むお店で、しかも古くからある温もりが感じられる庵で味わう一級品の蕎麦は、それはもう格別の美味さです。今年の初蕎麦をいいお店でいただくことが出来ました。

1045843929_57■蕎麦:初音庵
千葉県成田市竜台306
0476-37-0924
11:30~16:00(LO)木曜は別メニュー
水曜定休

Tuesday, 06 January 2009

山田@佐原

Yamadau葉県内の数ある鰻店の中でも、僕的に相当上位に入ってくるのがこちらの「山田」さんです。こちらは創業300年を誇る由緒正しき老舗中の老舗。余計な天婦羅なんぞ置いてありませんよ。鰻屋なんだから鰻があれば良いのです。他には何も求めません。

 この日は新年の仕事始めで雑誌の取材をしたのですが、長年共に取材をしている盟友、写真家の山西隆則さんから、仕事の後で香取神宮への初詣と山田で鰻という素晴らしいツアーの提案がありましたので、二つ返事で同行しました。過日こちらに来たいと書きましたが、まさかこんな早く来ることが出来るとは思いませんでした。佐原という町は「小江戸」などとも言われますが、僕は大好きな京都のような臭いがする街並が好きでよく足を運ぶ町でもあります。

 数年前に佐原の商工会の皆さんと一緒に町おこしのラーメンイベントをプロデュースしたのですが、その時に決起集会を開いて下さったのがまさにこの「山田」でした。佐原の地元にある素材を使ってラーメンを作るということで、山田の若旦那には鰻の頭を大量に提供していただき、スープの出汁に使わせていただきました。そんなわけでかつて大変お世話になったお店でもあります。カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した、今村昌平監督による映画「うなぎ」の舞台にもなった佐原ですが、このお店で今村監督も鰻を堪能したとのことです。

 ちなみにこちらのお店では「鰻丼」「鰻重」「じか重」と三種類あり、「鰻重」を頼むと御飯と蒲焼が別に出て来て、「じか重」を頼むと所謂通常の「鰻重」となり、御飯に蒲焼が乗って来ます。この別々に出て来るというのは他でも見られますが、これはこれで佐原独自に生まれたものなのだそう。しかし個人的にはどうも鰻とご飯を分けるという上品な食べ方が性に合わないと言いますか、丼もの、重ものなのですから、ご飯の上に乗ってなければその価値が半減してしまうのではないかと思っています。鰻がご飯によって温められ、鰻のタレがご飯にうつり。別々にしてしまっては鰻がすぐ冷めてしまって美味しくないと思うのですがいかがでしょう。

 というわけで、僕がいつもここで食べるのはご飯に鰻が乗ってくる「鰻丼」か「じか重」。個人的には丼の方がいつまでも温かくて好きなのですが、お重で食べるのもまた乙なもの。この日は「上じか重(写真)」(2,200円)を堪能致しました。さすがにまだ松の内も明けていないということもあって、客足が絶えることがありません。こちらは佐原で唯一紀州備長炭を使うお店で、蒸し方も独特で300年変わらぬ製法で香ばしくていねいに焼き上げます。表面はちょっと焦げたような香ばしさがありますが、身は実にふっくらと焼き上げられています。このカリッとしてふわっとした食感が他ではまず味わえない山田の鰻の醍醐味です。

 この日は注文を受けてから30分足らずで出て来ましたが、普段はもう少し時間がかかるので、正月ということもあって多少の下ごしらえはしていたのかも知れません。こちらも成田の川豊と同じく甘めのタレが実にいいのです。そして焼き上げもしっかりとした食感が感じられて、いい意味で田舎っぽくて好きです。鰻も大きくご飯も多いので鰻も小さくご飯も少なく、仕舞には鰻とご飯は別々で、などという上品な鰻割烹なんざ、という捻くれ者の僕としては大満足のお店なのです。

 ちなみにデータ部分でリンクさせていただいているのは、僕が大好きな鰻情報サイト「うなぎ大好き」という素晴らしいサイトです。拙サイト「千葉拉麺通信」もリンクして下さっています。感謝です。

Yamada■鰻:山田
千葉県香取市佐原イ457
0478-52-4375
11:00〜15:00,17:00〜20:00
月曜定休(祝日の場合は翌休)

Monday, 05 January 2009

千葉ウォーカー(1/5 発売)

Cw_2日発売の情報誌「千葉ウォーカー」(角川クロスメディア)に僕の連載が掲載されています。通し番号で言えば本年の第2号になりますが、今年初の発売号になります。

 いつもの連載「千葉ラーメンスタイル」の他に、今号より新連載「週刊ラーメンWalker千葉ダイジェスト」が始まりました。こちらは毎回ネタというかテーマが変わりますが、第1回目はラーメン劇場の新店「山勝軒」をご紹介しています。こちらもどうぞよろしくお願いします。

 ちなみに今回巻頭で登場している半額ラーメン企画はノータッチです。東京や横浜同様グルメウォーカー主導による企画ページになります。

■雑誌:千葉ウォーカー(角川クロスメディア)350円

Sunday, 04 January 2009

ラーメンWalker千葉2009

Rw年暮れに緊急発売され、現在発売中のラーメンムック「ラーメンWalker千葉2009」(角川マーケティング)を企画監修取材執筆しています。角川グループパブリッシングが総力を挙げて取り組んだ「ラーメンWalkerプロジェクト」は、全国7ウォーカー誌が同時にラーメンムックを発売するという画期的なプロジェクト。その千葉版でプロジェクトのお役に立てたのは嬉しい限りです。

 千葉ウォーカーが手掛けるラーメンムックとしては、2003年に発売した「千葉ラーメン最強の222軒」以来、5年振りのムックとなります。僕が選んだ2008年のラーメン店新人王であったり、懐かしの「千葉ラーメン探偵団」復活があったり、千葉ウォーカーでの人気連載「千葉ラーメンスタイル」のセレクションあり、そして県内沿線の人気店をまとめた「ジモトラーメン」あり、伝説の222軒に負けない盛りだくさんの内容になっていると思います。そして他社のラーメン本はもちろん、他ウォーカーにも負けない誌面になっているのではないかと自負しております。

 県内の書店、コンビニで絶賛発売中です。あるいはAmazonでも注文が可能です。どうぞよろしくお願いします。

■ムック:ラーメンWalker千葉2009(角川マーケティング)580円

↓お求めはこちらからどうぞ!↓

Saturday, 03 January 2009

川豊西口館@成田

Kawatoyo詣に行く場所は、ここ数年「千葉神社」と相場が決まっているのは先に書きましたが、同じように自動車のお祓いには「成田山新勝寺」で、厄払いは「川崎大師」がお決まりの場所になっています。いつからそうなったのかは定かではないのですが、毎年そういう決まりになってしまっているからには、それを崩すというのは相当な勇気の要るものです。意外に思われるかも知れませんが、特に信心深い本厄の僕としては。決してそれに振り回されることもなければ、頼り切ることもないのですが、やはり神社仏閣に対してはある一定の信仰心のようなものを持っています。それは一種、心の拠り所のようなものであるのかも知れませんが、いずれにしても心が洗われるような感覚が好きで、こう見えても神社仏閣には一年を通してよく足を運んでいるのです。

 そんなわけで、今年の元日は千葉神社へ行ったのですが、3日は自動車のお祓いと初詣を兼ねて成田山新勝寺へ行って来ました。三が日ということもあって混むのは承知でしたから、日中は避けて夕刻に成田へ入ることで比較的スムーズにお参りを済ませることが出来ました。実はお寺から数百メートル程離れたところに、別棟で「自動車祈祷殿」があるのですが、ここはお祓いした車はタダで停められるので駐車場代がかからず大変便利なのです。「仏心で握るハンドル事故は無し」と言う言葉を唱えつつ、ほぼ毎日のように車に乗る僕ですので、やはりこういう儀式は大事なように思います。特に信心深い本厄の僕としてはなおのこと。

 そして無事にお参りも済ませて食事となると、成田と言えばやはり鰻なのですね。印旛沼、利根川などで古くから漁が営まれていたその名残ではあるのかと思いますが、成田市内には本当に鰻屋さんが多いです。根っからの鰻好きとしてはたまらない街だったりもしますが、そのいくつかある鰻店の中で好きなお店の一つが、参道にある老舗人気店「川豊」というお店です。

 本店は昔ながらの佇まいでなかなか雰囲気がいいお店ではあるのですが、目の前で鰻をさばくところを見せたりして、それを子供が覗き込んでいたりすると冷や冷やするものです。ご存知の通り、鰻の血液には「イクシオトキシン」という有毒な物質があり、そんなもんが飛び跳ねて目にでも入ろうものなら良くて結膜炎、悪ければ失明するかも知れないわけなのですが、今の親というのは知識がないのか子供に関心がないのか知りませんが、まったくもって放し飼い、子供を放置しているんですよね。こういう愚かな大人を見ていると非常に腹立たしく感じます。

 そんな馬鹿な大人を見るのは嫌だと思いながらも、やはり食べるならば本店かなと思ってしまうのが哀しい性なわけですが、さすがに三が日ということで本店は混んでいましたので、日本庭園のある別館に行こうと思ったらこちらはお正月は休業。そこで駅の西側にある「西口館」という新館へ行きました。こちらは本店と異なって天婦羅や和食メニューもあり、正直鰻屋としては邪道ではあると思うのですが、まぁ本店がちゃんとした店なので良しとします。本店よりもキャパシティも広いのであまり待つことはなく、比較的スムーズに入れるので便利に使っています。

 注文したのはいつもお決まりの「上うな重(写真)」(1,995円)。甘めのタレに備長炭で焼き上げた香ばしい香りが食欲をそそります。僕は生まれも育ちも江戸っ子なはずなのですが、辛口のタレよりもこういう甘みのあるタレが好みです。さすがにこの時期ですので仕込んであったのでしょう、注文してから10分と、比較的早く出てきましたが、それでもふっくらとした焼き上げで満足です。

 取りあえず初詣、初鰻に満足しました。さて、次は香取神宮へお参りに行って帰りに山田で鰻をいただくとしましょうか。

Kawatoyog■鰻:川豊西口館
千葉県成田市囲護台3-2-3
0476-22-2720
11:00〜14:30(LO),17:00〜21:00(LO)
年中無休

Friday, 02 January 2009

亀戸餃子@亀戸

Kameidoでこそラーメン通のような顔をして、雑誌やテレビなどでラーメンラーメンと偉そうに語っておりますが、ラーメンの食べ歩きなんてのは、僕の人生の中でほんのこの十年程の話でして、食べ歩き歴からすれば遥かに餃子の方が長いのです。何しろ小学生の時の同級生の家が餃子専門店で、やれ中にチーズを入れてみたりだとか紫蘇はどうだとか、焼き方はどうだとか、その当時から結構餃子に関してはうるさいガキでありました。

 食べ歩きの原体験と言いましょうか、何かを食べるだけのために車に乗って遠くまで移動する、なんて経験をしたのは、大学生の頃に宇都宮へ餃子を食べにわざわざ行ったのが最初ではないでしょうか。無論それ以前にも都内や近場で美味しい餃子があると聞けば足を運びましたが、やはり食べ歩きを自覚したのは宇都宮で一晩に4軒も5軒も餃子を食べた歩いた夜だったように思います。宇都宮駅の駅員さんや売店の方、そこらへんを歩く人に美味しい餃子店を聞いて食べ歩きました。まだインターネットなどが普及する前の話です。

 余計なものに手を出さず、専門のみで勝負する。それこそプロの潔さといいますか、本物ではないかと思うのです。例えれば寿司や天婦羅を出す鰻屋を邪道と感じる私としては、餃子だけを出している餃子店という存在は非常にしびれるものがあるわけです。おそらくライスも置いておけば売れるだろうに置かない。売れるから置く、というのは市場原理では真っ当な考えですが、ただ売れるならばそれでいいのかと。それは僕の美学からすれば、下品というか「粋」ではないわけです。宇都宮にはそういう餃子しか置かないという「粋」な店が少なからず存在しますが、東京で最初にしびれた「粋」なお店がこちら「亀戸餃子」です。亀戸の駅前の商店街の一本横の細い筋を入った先にひっそりと佇んでいる、誰もが知っている老舗の名物餃子店です。

 こちらのメニューには「餃子(写真)」(250円)しかありません。ライスはなくて、あとはビールがあるだけ。細長いカウンターに座ると有無も言わさずに餃子が一皿焼かれます。はふはふ言いながら食べていると適当ないい頃合いにもう一皿出て来ます。黙っていても強制二皿、この店では一人二皿がミニマムチャージなのです。しかしこの二枚目の皿を出す間合いが絶妙なのですね。あとはお店のおばちゃんが「焼く?」と聞いてくるので、満足するまで焼きたての餃子を堪能出来ます。僕はお酒を飲みませんので、ここでは4皿ほど食べます。個数としては20個。それで1,000円。安いです。

 宇都宮の餃子店なんかだと最初に皿数を指定して食べて、ちょっと物足りないなぁなんて思った時に、後のお客さんの餃子にかかりっきりになっていたり、行列で待つお客さんの視線があったりと、追加の注文をし辛い雰囲気があったりしますが、ここはそういうことがないのが嬉しいです。また、例えば20個食べるとなった場合に、5個ずつ出てくるので冷めることがなく全てが熱々で食べられるのもいいです。どうしても一気に20個出てくれば冷めてしまいますから。

 脇目を振らず、ただ目の前のことに専念する。いい仕事をするための見本のようなお店です。この店に来る度に、己の所作を見つめ直したりもします。メニュー同様ストレートな飾り気ない店名もいいですし、路地裏にあるたたずまいも、古い看板もまたいいのです。長年焼き続けられた小振りの餃子はこんがりとした部分と柔らかい部分のバランスが絶妙です。ただ古いだけではなく、しっかりと味も美味しいからお客さんが絶えず訪れるのは当然のこと。おそらく幾つになっても通い続けることでしょう。僕にとって大切なお店の一つがここ「亀戸餃子」なのです。

Kameido2

■餃子:亀戸餃子
東京都江東区亀戸5-3-3
03-3681-8854
11:00〜売り切れまで
年中無休(8月に畳替で3日間臨時休業あり)

Thursday, 01 January 2009

僕が僕で在る為に

1040527897_152日の計は朝にあり
一年の計は元旦にあり 
十年の計は樹を植えるにあり 
百年の計は子を教えるにあり

 というわけで今年も元旦を迎えたわけですが、宵っ張りの僕はどうしてもこの朝ってのが弱いのですね。例年通り「紅白歌合戦」「ゆく年くる年」を経て「さだまさし」を観てしまった僕としては、この元日も起きたのは昼過ぎ。元旦を通り過ぎて一年の計を立てられずに今年も新年を迎えてしまいました。ちなみに元旦というのは1月1日の朝のことで、元日というのは1月1日のことなのです。ご存知でしたでしょうか。

 というわけで、あらためまして、新年明けましておめでとうございます。ご無沙汰しております。山路力也です。どうぞ本年も宜しくお願い致します。

 元日を迎えるにあたってそんな宵っ張りの朝寝坊な僕でも、一年の計は元日にあり、と勝手に解釈して長らく手を付けないでいたブログを復活させようと思いました。数年前にブログの更新を休止して以来、ありがたいことに多くの読者の皆さんから、ブログを復活させて下さいとの熱いご声援を頂いておりました。また久しく会わなくなった友人や知人などからもブログがあれば近況が分かるのに、などと言われたりもしておりました。そのうち、そのうちネなどとのらりくらりと言いながら、気がつけば数年間が経っていたわけですが、決して放置していたわけではなく書いては消し、書いては消しなんてことを繰り返しつつ今日に至ったわけです。しかしここで覚悟を決めたと言いますか、この新年に、この元日にそろそろ本格的に復活させてみようかと思い立ったのでありました。

 と言いますのも、ブログを休んでいた数年のうちに、なんだか猫も杓子もブログブログという状態になり、ブログを書く人は「ブロガー」なんて呼ばれたりしている状況になりました。そしてブログをやっていなければネットユーザじゃないくらいの扱いを受ける有様。それに引き換えブログをやっている方たちはブロガーと呼ばれてちやほやされています。いいなぁ、ブロガー。僕もブロガーと呼ばれたい。そんな不遜な思いから再び重い腰を上げてブログに取りかかろうと思った次第です。

 さて、そんな重い腰を上げて始めるこのブログ、一体どんなブログになるのでしょうか。これまでは千葉のラーメン情報をアップしていた「千葉拉麺ブログ」というラーメンに関するブログと、身内向けに駄文をだらだらと書き連ねていた「ヤマジブログ」という二つのブログをやっていたのですが、正直二つのブログを管理しながらホームページも更新しなければならないのはとてもきついのですね。そこで今回を期に放置していた二つのブログを統合し、「ヤマジブログ」があった場所に集約して一つのブログに専念しようと思います。

 あらためて始めるこのブログは「美味とはずがたり〜フードジャーナリスト山路力也ブログ」と題し、基本的にはラーメンにこだわることなく、食べ物を中心に据えた話題をご提供して行ければと考えております。僕が食べに行ったお店のインプレッションを書き記したり、あるいは僕が好きで通っている取って置きのお店をご紹介したり。もちろん日々ウォッチしている千葉のラーメンについてもご紹介したいと思っていますし、また食べ物のみならず趣味や音楽の話など、それなりに皆で共有出来るような情報も書き連ねていければとも考えております。基本的なこのブログの編集方針につきましてはこちらのページの所信表明をご覧頂くと、何となくニュアンスが伝わるのではないかと思っております。

 僕が日々拝見している諸先輩や、友人、仲間、知人のブログは、どのブログも大変有意義なコンテンツを有しているブログばかりです。それはラーメンであったり食べ物であったりの情報を配信しているからで、単なる日記や独り言の類いではないからなのですね。新しいお店の情報や、食べたインプレッションであったり、様々な情報をいただいて大変勉強になるブログばかりです。僕もせっかくブログをやるならば、諸先輩のブログに負けないような、読んだ方に何かしらの有意義な情報を提供出来るようなブログにして行きたいと考えております。ただの日記ではなく、情報発信の場にして行きたいのです。

 と言いますのも、これは以前のブログにも書いたことなのですが、常々僕はブログというものは日記用のツールではないと思っているのです。通常のサイト構築よりも遙かに簡易で高性能なコンテンツ構築能力もさることながら、使い方によってはデータベース的にも活用出来る高い配信能力。情報発信ツールとしてのアドバンテージは半端ではないと思っているのです。だからこそおいそれとは扱えないツールであるとも感じていますし、今の世の大半のブログ=日記という考え方は少々捉え方としては浅く、勿体ないようにも感じているのです。

 確かに日記はその人が日々思ったことを書き綴るのですから、広義的にはブログに類似しているとは思いますし、どう使おうとそれは人の勝手でしょう。しかしその未知のパフォーマンスを考えると、ブログには日記として使うには余る程の可能性があると思うんですね。極論を言えば、上手に使って作り上げていけば現状の千葉拉麺通信のようやウェブサイトすら不要になる。そう考えるとその可能性を最大限引き出せないまでも、最低でもブログはそれを綴る人の持っている情報や知恵、あるいは共有すべき体験が発信され、読んだ人にとってもメリットがあるコンテンツであるべきだと思います。ブログは自身の心の思いを吐き出す場ではなく、読み手に対して情報を発信するチャンネルであるべきだと思っているのです。

 そもそも本来、日記というものは個人に重きを置いた非常にクローズで、かつ内向性の高いものであるはずで、それを「公開」するということは基本的には間違い、恥ずべき事ではないかと思っています。今日こんなことがあった、今日こんなことを思った。それにある程度のフィルターがかかっていればまだいいのですが、赤裸々に心の内を語っている日記を公開することがあるならば、それは自慰行為を公開していることに等しいのではないかと。インターネットの普及曲線と女子高生のスカートの短さ曲線は同じカーブを描いていると信じて疑わないわけですが、いつから日記とパンツは人に見せるものになってしまったのでしょう。鍵付きの日記帳なんてものは過去の遺物なのでしょうか。僕は決してそうは思わないのです。

 僕がインターネットを始めた時に比べ、現代は遥かにインターネットが僕らにとって身近な存在になりました。今や携帯電話を使って小学生でもブログなどで情報発信が出来る時代です。それはそれで大変便利なことではあると思うのですが、これは自戒の意味も込めて書きますが、その一方で文字によるコミュニケーション能力の薄い人間であったり、ボキャブラリーが足りない人間であったり、簡単に言えば推敲もしなければ読み返すこともなく、ただ思うがままに殴り書きのように日記や文章を投稿しているケースが散見されるのです。言葉を知らないがために自分で正しい漢字変換が出来ずに誤字脱字が多くなり、てにをはも適切に使えない、内容以前に形として成立していない文章も多いのです。情報の送り手としての自覚に欠ける文章とでも言えばいいのでしょうか。まったくもって読み手に対しての配慮に欠ける文章の数々が、そこかしこに置かれています。

 それがアングラ系の匿名掲示板のような場所ならまだしも、最近ではSNSの普及によりごくごく一般的な場所でそういう文章を書いている人を見かけるようになりました。SNSの友人までの公開制限というのはある意味便利なツールだと思いますが、その自由さが結果として人に読み手のことを意識して書くという能力を奪ったのではないか、そんな風に思っているのです。中学生や高校生など、学生たちがSNSを通じてコミュニケーションを取っていますが、世界中の人たちに情報発信が出来るのがインターネットの良さであると思うのですが、敢えてその方向性とは逆をいくように実に狭い世界で仲間内でしか分からないコミュニケーションをしているというのは、実に不幸なことではないかと思うのです。もしかしたらものすごいコミュニケーション能力を磨く場になるかも知れないのに、その可能性に蓋をしてしまっているのが昨今のネット社会であったり、SNSという場なのではないかと。

 かく言う僕自身も、今現在もSNSで何も考えずに携帯でパパパッと駄文と写真をアップして友人たちとのコミュニケーションを楽しんでいます。もちろんそれはそれで楽しいことではありますし、まるで大喜利のように短文で反射神経を問われながら反応していく行為もなかなか遊びとしては面白い。しかしそれだけでは駄目なのではないかと日々感じているのですね。特に文章を書くことを生業としている者としては。そこで拙い文章ではあったとしても、やはり読み手のことを考えながら、文字を書き連ねていく鍛錬の場というものをやはり構築しておくべきではなかろうかと。勢いだけではなく、もう少し読者を意識した文章を書くということを念頭に置いたブログを再開させようと、そんな風に思ったわけです。

 僕の過去のブログの読者の方はすでにご存知かと思いますし、事実このエントリーを見ていただいてもお分かりかと思いますが、基本的に僕のブログにおける文章は比較的長文ではないかと思います。その上、世のブログのように妙な改行や空白を入れたりせず、基本的にはひたすら棒打ちですので文字が詰まっているように感じるかも知れませんが、どうぞそこはご容赦下さいませ。よく僕の書いた本や雑誌の文章であったり、サイトやブログの記事などを読まれた方に、あれだけの長い文章を書くのは面倒でしょうと言われることがあるのですが、それはむしろ逆であって上手にまとめる技術がないから文章が長いとも言えるのです。むしろ短いセンテンスでスパッと物事の本質を捉えた文章を書く方が技術が要りますし難しいと思います。

 今回のブログに関しても基本的には長い文章が多くなるのではないかと思います。そして、基本的には記事のタイムスタンプと内容は一致させようとは思いますが、純然たる行動記録や日記ではありませんし、一日一エントリーというつもりでいますので、エントリー内容がその日のこととは限りませんのでご予めご了承ください。また時には過去の二つのブログに掲載した記事やSNSにアップした文章などを加筆修正して転載したりなども考えております。いずれにしても相変わらず内容や表現能力が拙いのは自覚しつつも、量だけでなく質も伴うような文章になるよう留意しながら、しっかりとボリュームのある文章を書いていこうと思っております。

 などと偉そうに能書きを垂れながら、三日坊主で終わってしまっては洒落にもなりませんので、当面の間は復活させたことはどこにも知らせずに、こっそりとここで一人文字を書き連ねていくことにします。正式公開するのは桜の花が咲く頃までには、と思っております。

 なお、コメントやトラックバックは喜んで受け付けておりますし、有意義かつ建設的なコメントをつけていただくことを心より歓迎致しますが、無論議論にならぬであろう異論反論や誹謗中傷に関しては、わざわざこの場に書き込まれる必要はありませんし、メールも送られなくて結構です。時々インターネットという場所では、何が癪に障ったのかは分かりませんが、見ず知らずの人に対して喧嘩を吹っ掛けている光景を見かけます。意見の交換や議論は僕も大好きですが、議論と喧嘩を履き違えていらっしゃる方だと話が噛み合わないことが多々あるのです。ですのでこの場において僕の意見が気に入らなければ、その崇高な正義感を振りかざすことなく、どうぞ無視して頂けたらと思います。こんなつまらぬ場所で僕のような小兵に噛み付くよりも、もっと皆さんには守るべき大切な場所が、命を賭して戦う場所があるはずですので。しかしながら事実誤認や情報の間違いなど記述に明らかな間違いがある場合には、どうぞ秘かに優しくご教授頂ければ幸いです。また色々と足りない部分をコメントなどでフォローしていただけると大変ありがたく思います。いずれにしましても、たかが一個人が戯れ言を書き連ねているブログです。どうぞ皆さんの精神衛生上、負担にならぬ範囲でおつきあい下さいませ。

 さて、そんなわけで今年の元日。毎年元日は「千葉神社」に初詣に向かいます。ご存知の通り我が国は元々八百万の神が宿る神の国でしたが、仏教が伝来して普及するにつれて仏を「蕃神」として、後にはいわゆる神仏習合の流れが出来ました。こちらも元々は妙見菩薩を本尊とする真言宗の寺院だったのですが、明治時代に新政府から出された神仏分離令によって神社になりました。現在は妙見菩薩と同一であるとされる天之御中主神が祭神となり、妙見宮として知られています。僕が住んでいる場所の氏神なのかどうかは分かりませんが、地元で一番大きな神社で、かつ毎年行くのを常としているのでそれを変えずに来ています。今年も大勢の方が列を成していました。人それぞれ願いは様々かと思いますが、誰もが幸せになれる一年でありますように。そして僕は本厄ですので、皆さんにご迷惑をかけることなく、平穏無事に一年が過ごせますように。

 僕が僕で在る為に。自分自身のレゾンデートルを確認する場として、日々是更新、一日一つの文章を目標に、再び拙い駄文を日々書き連ねる試みを始めて参ります。誰に問われた訳でもなくぽつりぽつりと自分の想いを記す場です。どうぞまたお付き合いの程をよろしくお願いいたします。

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■神社:千葉神社
千葉県千葉市中央区院内1-16-1
043-224-2211

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